“BLUE SKY COMPLEX”
何とファンキーなブラス・ロック。
このタイプのリズムが得意な“T.T.美女と野獣コンビ”とクインシー・ジョーンズ御用達のトランペット、ジェリー・ヘイ( https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジェリー・ヘイ )の組み合わせ。
ヘイはマイケル・ジャクソンの『スリラー』をはじめ膨大な数の名アルバムに参加しているL.A.有数のアレンジャー&プレイヤーで、今回のセッションをとても楽しんでいた。
コンピューター・リズムの曲に対して、この曲は実際にミュージシャンが演奏したタイプのひとつの極致と言える。それにしてもL.A.の青い空の下で、L.A.のミュージシャンと一緒に「ブルー・スカイ・コンプレックス」とは……。Text:平山雄一
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□hideとI.N.A.に訊く
“HIDE YOUR FACE”
先月号で報告したように、hideの〝HIDE OUR PSYCHOMMUNITY〟というコンセプトのもと、全国を旅したhideとI.N.A.に話を訊く機会が出来たので、このツアーについて、そして、hideの音楽的精神世界について、じっくり語ってもらおうと思う。Text:加藤祐介
ROCK’N’ROLL Vol.86 (1994.6.27)
それでは、hideにサウンド面でのキーマンでもあったマニピュレーターのI.N.A.の証言をところどころ挟みつつ、1stソロ・ツアーを振り返ってもらおう。
一アルバム・タイトルには「顔を隠しても曲が音楽性を語ってしまうだろう」という意味が込められてたんだけど、このツアーのテーマも同じだったのかな?
hide:「いや、ツアーの場合はどっちかっていうと、〝サイコミュニティー〟という言葉の方が大きい。〝わかるヤツ同志はしゃべらなくてもわかる〟みたいなのがサイコミュニティーの意味だから、それを共有するというか〝みんなのサイコミュニティーがコンサート会場である〟と」
一じゃあメンバーもサイコミュニティーを基準にして選んだの?
「そうだね。CHIROLYNみたいに見た瞬間に『こいつだ!』って決めたのもいるけど(笑)、一番困ったのはギター。どっち側でもいいんだけど、俺のどっちかにテクニカルなギターが1人欲しいっていうのがあったのね。俺が昔やってたバンドってそういうパターンが多かったから、俺がいて、もう片方にテクニカル指向の人がいると落ちつく感じがしたのね。それでRANちゃんを選んだんだけど」
一PATAは?
「俺、RANちゃんとは面識なくて、PATAはよく一緒に酒飲んでるって言ってたから初めて会うときにPATAについて来てもらったのね。そこでいろいろ話してて、弾いてくれるってことになったときに『もう1人ギターどうしようか?』って話になって、もう酔っぱらってたから『PATA弾いて』って(笑)」
一そんなもんかい(笑)?
「サイコミュニティーっていうコンセプトからいえば間違ってないわけで、しゃべらないでもわかるっていう(笑)」
一確かに(笑)。そういえばコンサート中にも『このメンバーを選んだ自分を褒めてあげたい』って言ってたよね。
「うん。みんなスタジオ・マンじゃなくてバンド・マンていうかショウ・マンだからね、バンドが回転して行くってことに関しては自信があった。絶対『俺が!俺が!』っていうに決まってる人たちを選んだからね(笑)。逆にそういう人じゃないと困るのよ。俺はXのときは、『誰よりも目立ってやる!』っていう気持ちでステージに立ってるし、ボーカリストなんて黙ってたって目立つの当たり前なんだからみんな『俺が!俺が!』ってやってくれた方がいい」
一ソロ・コンサートというと逆のパターンが多いんだけどね、スタジオ・マンでバックを固めたりとかさ。
「つまんないからね。そういうライブ見てても。和気あいあいとした緊張感と、ハードコアでいうところの殴られるかもしれないっていうような緊張感て似てないようで似てるじゃない?」
一わかる、わかる(笑)。
「そういう、ステージの上に立ってる人の中にせめぎ合いがないと伝わって来ないからね」
一ということはXのときと変わらないスタンスで臨めた、と?
「今だからこう言ってるけど、緊張して眠れなかったのって初めてだからね(笑)。夢に出て来ちゃったし、声が出ないシーンとか歌詞が出て来なくてオドオドしてるシーンとか。でも眠らないとそれが露骨に影響するってこと知らなかったからね。俺、眠るのが世の中で一番嫌いなことだったから。こんなに眠るのが大事だっていうのが身に沁みてわかった(笑)」
I.N.A.の証言①
「やっぱりXでギターを弾いているときとは違った雰囲気がありましたね。『俺のソロなんだ』っていう、〝自分がメインで真ん中でやんなきゃいけないんだ〟っていう気持ちがあったと思いますよ」
一じゃあ自己管理はきちんとしてたんだ。
「ツアーのおかげで酒があんまり飲めなくなった。最近戻って来たけど(笑)」
一戻らなきゃ良かったのにね(笑)。
「うん(笑)」
I.N.A.の証言②
「ツアー中、メンバーは飲んでましたけど、やっぱりhideちゃんは2daysのときとかはあんまり飲まなかったですね、早く帰ったりして。Xのときはいつも朝まで飲んでるんですけどね(笑)。『偉いなぁ、大人だなぁ』と思いましたね」
一コンサート中はギタリストhideとボーカリストhideを意識的に分けてたのかな?
「いや、あんまり変わんないけどね、始まっちゃうと。PATAとかはね、俺がギター持ってると違和感があるっていってたよ、奈良の〝あをによし〟っていうイベントにXで出たときに『お前、ギター持って上手にいるとヘンだぞ?』って(笑)」
I.N.A.の証言③
「コンサート中のhideちゃんを見て『歌い手さんの顔をしているな』と思いましたよ」
一ボーカルだけじゃなくてリーダーとしてバンド・サウンドも仕切らなくちゃならなかったと思うんだけど?
「I.N.A.と2人でアメリカでコンサート用のテープは完璧に作ってあったから、ギター・ソロとかはRANちゃんなりPATAに任せちゃったけどね、尺だけ与えて後はお任せで。だってPATAなんて『このフレーズ弾いてくれ』なんて言ったってどうせ弾きゃしねぇんだから(笑)」
I.N.A.の証言④
「サウンド面は結構みんなにお任せっていうか、コンサート用に作り直したテープをみんなに聴いてもらって、そこにプラスαをつけ加えてもらうっていう感じでやってたんで、結構バンドぽい感じで出来ましたね」
一そのテープを作るときに考えたことは。
「もし俺がお客だとしたら『やっぱり40分で終わっちゃったら悲しいよな』とは思ってたけど(笑)。それまでは『なんで2時間とかにみんななるんだろう?』ってすごい不思議だったよ。単純に作ったものを並べてったら絶対2時間にならないのに、『なんでXなんか3時間も……?あ、待ち時間が長いからだ!』って(笑)」
一今頃気づくな(笑)!
「1曲で30分の「ART OF LIFE」なんて曲もあるしな(笑)」
一時間的な部分以外では?
「見せ方?いろんなホールがあるから、アリーナもあるし、それよりずっと小さい所もあるから、差をつけないための見せ方。狭ければ狭い方が面白味があるような。でもそれはもう旅でやろうと思ってた。だから毎朝ライブ会場に10時半ぐらいに行って曲順を決めて。みんなが昼過ぎぐらいに来てメニューが貼ってあると知らない曲があったりしたからね(笑)。「EYES LOVE YOU」のデス・ハリウッド・ヴァージョンとかがいきなり入ってたりとか、小倉だったら「D.O.D.」の炭鉱節ヴァージョンとか(笑)」
I.N.A.の証言⑤
「僕らとhideちゃんは入り時間が違うんですよ、hideちゃんはメイクがあるから早いんですよ。で、僕らが会場に入るとその日の曲順が配られるんですけど、毎回違うんです(笑)。しかもベースのソロとかはリハのちょっと前ぐらいにhideちゃんが『今日はこういう感じでやりたいから』っていって軽くコード譜を書いてそれでやったり(笑)。だからもうそれ用にすぐに曲順を変えられるようにプログラミングしておいたんですけどね(笑)。でもいい意味での緊張感があったんで、中だるみしなかったんで良かったですね」
一それは演出とかビジュアル面でもあったよね。
「会場によってセットを増やしたり減らしたりしたからね。最初は、電子制御されたすごい動きものとかも考えたりしたんだけど、いろんな会場を同じチケットの値段で損をさせなかったっていう風な見せ方をして行くためには、例えばメタリカが来日公演で『これだけの機材を持って来れませんでした』っていうことがあると、最高か最低かの基準は見た人の主観で決めればいいのに、それがどっかすっとんでっちゃうじゃん?それは俺もイヤだから、そういうのやめて手作りぽいコンサートにしよう、と。だから曲順にしても、その日の朝に決めて、演出にしてもその日の朝に増やしたり減らしたり。それがフレキシブルに出来たのよ、人力的なアナログなコンサートだったから(笑)」
一大変だったろうなぁ、舞台監督さん。よく無事に終わったね、それで(笑)。
「でもお客がいてなんぼ、みたいなところがあるからね、コンサートって。本当にその場のノリのものだからね。それにウチはシーケンスものが多いバンドだから、尺も何もない場所っていうのは解き放たれたようにみんな好き勝手やるよね(笑)」
続きはこちら→ https://youtu.be/bZUKG0-KXQA
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