「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの脚本家で、監督デビュー作となった 『 さよならの朝に約束の花をかざろう 』 で国内外から高い評価を得た岡田麿里監督最新作。MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション 『アリスとテレスのまぼろし工場』が、ワーナー・ブラザース映画とMAPPA の共同配給で、9 月15日から全国公開。 主題歌は、作品世界に惚れ込んだ 中島みゆきが初のアニメーション映画への書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」を提供 。

突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町が舞台。いつか元に戻れるようにと、何も変えてはいけないルール ができ、 鬱屈とした日々を過ごしていた。そんな中、14歳の主人公・正宗は、気になる存在の謎めいた同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは言葉を話せない、野生の狼のような少女・五実 。二人の少女とのこの出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった・・・という岡田によるオリジナルストーリー。

 主人公・菊入正宗役を「呪術廻戦」虎杖悠仁役の榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を「SSSS.GRIDMAN」 新条アカネ役の上田麗奈、謎の少女・五実役を「リコリス・リコイル」 クルミ役 の久野美咲が演じる。
また、 主人公・正宗の父親で、製鉄所に勤める菊入昭宗役を瀬戸康史、同じく製鉄所に勤め、何かと正宗を気にかける叔父・菊入時宗役を林遣都が演じることも明かされている。

 このたび、本予告映像が解禁された。「菊入正宗14歳。大嫌いな佐上睦実の手によって導かれる。囚われの少女へと」という正宗のモノローグから始まり、一人の少年と二人の少女たちが出会ってしまった瞬間が切り取られている。そして、出口も失い時まで止まった正宗たちが閉じ込められている町の遠景が映し出され、儚いくらいに美しい太陽の光に包まれた繊細な映像は、まさに“時が止まっている” 事を感じさせる。無邪気に走り回り、パンをほおばる謎の少女・五実の姿に一瞬なごまされるが、映像は一転、「俺は!」「私たちは…意味ないのに!」と衝動的に叫びながら転がりまわる正宗と睦実の姿が映り、それを目撃していた五実の胸が張り裂けそうな「痛い……」という絶叫が響き渡る。

 “その少女の心には決して触れてはならない”という、意味深な文字が映し出され、重なるように中島みゆきの歌声が鳴り響く。<綺麗で醜い嘘たちを 僕は此処で抱き留めながら ><僕は本当の僕へと 祈りのように叫ぶだろう><未来へ 未来へ 未来へ 君だけで行(ゆ)け>という歌詞が、止められない衝動のように空を駆け巡り、地面に襲い掛かるすさまじい”煙”のうねりにかぶさり疾走感をあおっていく。そして、閉じ込められ変化することを禁じられた世界に対して、このままでいいのか?と、その衝動のままに駆け出していく少年少女たちを鼓舞し、うねりのような力強さと、そして無数の光となって降り注ぎ、思わず息をのむような迫力が観るものの心に刺さる。

 「届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。」と本作の物語に心を動かされ、初のアニメーション映画への楽曲を書き下ろした中島みゆき。「心音(しんおん)」と名付けられた楽曲の歌詞には、<空は信じられるか 風は信じられるか><味方だろうか悪意だろうか 言葉を呑んだ><誰も触れない 誰も問わない 時は進まない>などの言葉が並び、台本から紐解いたストーリーを描写するそれらの歌詞からは、中島の本作への強い思いが伝わってくる。

 映像の最後には、消え入りそうな少女の声で「大嫌い…」という一言が聞こえるが、誰に向けて放たれた言葉なのか、“恋する衝動”を武器に、少年少女たちは未来へと駆け抜けることはできるか、公開が待ちきれない映像になっている。

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