孔雀明王真言
「おん まゆらきらんてい そわか」
(oṃ mayūrā krānte svāhā)
孔雀明王真言は「オン」「マユラ」「キランディ」「ソワカ」の4つの聖音から成り立っており、それぞれの意味は以下の通りになります。
オン:合掌や拝礼の意
マユラ:雄の孔雀
キランディ:強大な力
ソワカ:成就祈願の意
以上4つの聖音をまとめると、この真言は「大願成就に向け、魔除けや煩悩退散といった力を授けてくださるよう孔雀(明王)様にお願いする」といった意味になります。
なお孔雀明王に限らず、あらゆる仏の真言は南アジアの古代語であるサンスクリット語が基となっているので、興味のある方はそちらも併せて調べてみてください。
胸腺のチャクラに作用する
孔雀明王真言が影響を与えるチャクラは、胸のあたりにある胸腺のチャクラです。胸腺は様々なホルモンバランスをコントロールする重要な臓器であり、胸腺の部位のチャクラが開くことで、免疫力の増加や老化防止の効果に期待できます。
悪魔や煩悩といった無形の災いだけでなく、身体の不調など目に見える苦痛も退けてくれるところが、この真言が長きに渡って有難がられてきた要因といえるでしょう。
恐怖や悲しみを取り除き、安泰をもたらす女性の明王
孔雀明王はその名の通り孔雀の神と考えられますが、インドでは孔雀は蛇の天敵とされており、諸々の毒を取り除く神として崇められていました。
また、女性のような優しいお顔をしているので、仏母大孔雀明王・孔雀王母菩薩とも言われています。
もともとインドでは孔雀は害虫やコブラなどの毒蛇を食してくれる守護的存在であるために、一切の諸毒から護ってくれる力があると信じられてきました。
「人々の災難や苦痛を取り除く功徳」があるとされ信仰の対象となった孔雀明王は、後年になると「毒を持つ生物を食べる=人間の煩悩を喰らって仏道に成就せしめる功徳がある仏」という解釈が一般的になりました。その力を神格化したのが孔雀明王です。
その手に持たれている蓮華は敬愛・倶縁果は気力を増す事から増益・吉祥果は降伏・孔雀尾は息災を表しています。
我が国では奈良時代の頃より信仰され、雨乞いや厄除けの祈祷の折、御本尊としてお祀りされ、弘法大師空海も守り本尊として拝まれていた大変ご利益のある仏様です。
人々の煩悩を取り除いてくれる
孔雀明王とはインドの守護女神・マハーマーユーリー(偉大な孔雀)に由来する仏様です。孔雀は毒蛇や害虫を食す鳥としてインドで重宝されており、また同国において毒蛇は「煩悩」の象徴であったため、孔雀明王には魔除けや煩悩退散の力が宿っていると信じられてきました。
明王としては珍しく、表情が穏やか
そもそも明王というのは口で言ってもわからない衆生に対し、憤怒の形相でお仕置きすることで、正しい道に導いてくださる仏様のことです。よって不動明王や愛染明王など、明王の多くは厳つい表情を浮かべており、また腕などに剣や杵といった武器を携えています。
しかし孔雀明王の表情はいたって柔和であり、また武器も一切携えていません。坐像が孔雀の背中に乗っているというユーモラスな造形もあいまって、明王の中でも特に親しみやすい仏様といえるでしょう。
お経は奈良時代から用いられてきた
孔雀明王は仏典に登場した最古の明王としても有名で、奈良時代などでは雨乞いや鎮護国家の最重要のお経として孔雀明王の真言が用いられていました。
当時の歴史に触れたい、ないし孔雀明王の実物を拝んでみたい場合は、京都の仁和寺や和歌山の高野山霊宝館などに足を運んでみてください
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