「人生に衝撃を与えた一本」を館長が独自に選ぶ「原宿シネマ」。
2/26の上映作として宇野館長が選んだのは、押井守監督『機動警察パトレイバー2 the Movie』!

▼宇野コメント
「戦線から遠のくと、楽観主義が現実にとって代わる。
そして最高意思決定の段階では現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けているときは特にそうだ……。
あれから20年、世界情勢の変化と情報技術の進化は本作で描かれた現実/虚構、戦争/平和の境界線を決定的に破壊している。したがって本作の描きだした〈世界〉の姿は既に存在しない。(たとえば9.11以降「ここは戦線の後方に過ぎない」のではなく、戦線に前線と後方という概念が消滅している。)
しかし、いやだからこそいまこの映画を考え直すことで、私たちはメディアの産み出す虚構がそれ自体で完結し得た(かのように見えた/信じている人がいた)時代の本質に接することができるだろう。
「スタンドアローンで完結しない兵器なんて、ナンセンスだからな」と荒川は言った。では映画は、情報はスタンドアローンで完結し得るのか。
答えそのものは明白だが、本作について考えることの意味は/そしてこの映画が当時問うていたのは、明確な答えが出ているにもかかわらず、何もすることができない人間たちについて、だったはずなのだ。」――

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