【スカッとする話】5億の大口商談の担当を横取りしたエリート上司「中卒には無理だろ大卒の俺に任せろ無能君」俺今日の商談タイ語だけど黙っとこ→速攻で商談を全て任せた結果【総集編】【感動】

今日の相談の資料を 貸せ俺が相談の準備をしていると上司に声 をかけられた何かあったのだろうか俺が 不安になっていると上司はとんでもない ことを言ったお前みたいな無能には無理だ あは俺が やる俺は何を言われているのか一瞬分から なかったがつまりこの上司は俺の相談を 横取りしようというのだ できるものならやってみな俺はこみ上げる 笑いをこらえてその場を離れ た俺の名前はり30歳の会社員でおもちゃ メーカーで働いて いる俺は母子家庭で育ちなんとか高校には 行ったものの母が過労で倒れ高校中退して 働くことになった今では母も元気にして いるが働き始めた俺は仕事の方が面白くて 学生に戻ろうとは思わなかったゆえに俺の 学歴は中卒 だ中卒の俺を雇ってくれたのは近所の おもちゃ屋さん面接で家庭の事情を話し たら不便に思った社長が採用してくれたの だそこではアルバイトだったけど社長が よくしてくれ社長のつてで別のおもちゃ屋 の社員になっ たそこからさらに転職し今ではおもちゃの 製造も行うメーカーに務めて いる俺は昔からアニメやゲームが好きな いわゆるオタクだ昔は裕福ではなかったの であまり色々買ってもらえたわけではない が俺の1番好きなアニメの漫画本や おもちゃを揃えていた中でも検証で当たっ た原作者のサイ入り缶バッチは今でも宝物 数学カバに缶バッチをつけていたほどだ そしてこの缶バッチが思わぬ出会いを与え てくれ たあれは高校1年の時留学生だと先生が 男子生徒を連れてきたタからの留学生 らしい名前はなんだか長くて覚えられ なかったが留学生 は弁と呼んでくれとたどたどしい日本語で 言ったタではニックネームで呼ぶのが普通 らしい外国のことなんか全く知らなかった 俺はなんだか少し関わるのが怖かった便は お坊っちゃんのようで日本語もかなり勉強 してきたそうだ将来は父親の会社を継ぎ たいと言ってい た俺とは世界が違うなと思っていたけどベ が自己紹介で日本に来た理由を話していて 少し興味を持ったのだ便が日本を知った きっかけは俺が好きなアニメだと いうそういえば海外でも人気で外国語の 漫画本も出版されていたなと思ったそれで も便と関わることなんてないと思っていた のだがそれから数日後便が目を輝かせて俺 に近づいて くるそれ と指をさしたのは俺の通学カについている 缶バッチだ原作者のサインにも気づいた らしい俺はどこまで日本語が通じるのか 分からずこっちまでたどたどしい日本語に なってしまったのだが検証で当たったこと を説明便は触ってもいいかと言ってきたの で俺は缶バッチを取って渡してやったそこ から便は何かと言うと俺にようになって くる趣味の話をするのも楽しかっ たそこで俺はタってどんなところなの だろうと興味を持ち便に質問をする便は 故郷のことをよく教えてくれた そして大後の漫画本を貸してくれ俺に大後 を教えてくれたのだベンといる時間は 楽しくて有意義だったしかし母が倒れたの はこの頃で 俺は突然学校に行けなくなったのだ俺は そのまま高校中退することになった便と 連絡先は交換していたので母の容大が 落ち着いた頃に便にメールで連絡をした母 の状況の説明と借りている漫画を返したい と言ったのだがなんと便はもう帰国して しまっていたのだ焦る俺に便 はまたすぐに日本に行くからその時に返し てほしい今は日本にいないけど友達でいて くれると言ってき た俺は当たり前だと返しいつかタに行って みたいとその頃から大後の勉強を始めたの だあれから10年以上経つがまだ耐に行っ たことは ないでも便とのこういう関係は続いている 便は俺がおもちゃメーカーで働いている ことを知るととても羨ましがっていた便は 父親の会社で働いていてそこでいずれ日本 のおもちゃの輸入もしたいからその時は 協力してくれなんて言っているそしてそれ がいよいよ現実になったのだ俺は課長に 知り合いが海外から輸入したいという話を もらったのですがと報告 するこの課長は山田というののだが俺は どうも好きになれ ない以前たまたま同僚との話が聞こえた らしく俺のことを中卒だと知るとえ中卒嘘 だろ中卒でも働けんのと馬鹿にしてきた しかも俺は大卒だけどまさか中卒と働く ことがあるとは ね中卒って知ったからにはもう重要な仕事 は任せられないなだって大卒の俺とは中身 が違うだろう怖くて仕事なんてさせられ ないよと 続ける前から嫌味なやだとは思っていた けど最低限しか関わっていなかったので ここまでひどいとは思っていなかったそれ 以来山田は本当に俺に仕事を振らなくなっ た中卒は飛び込み営業でもしてきて 飛び込みなら中卒ってバレないもんななど と言い俺を社外に追い出す車内にいれば 雑用を押し付けられたが仮にも山田は上司 だし歯向かうなんて考えなかった山田に 嫌味を言われているのを見ていた同僚は俺 のことを気にかけてくれていたのだが俺は 仕事は好きだし山田なんかに負けないと 宣言山田は上に取り入るのはうまくて上 からは気に入られているようだし俺への 嫌味もほとんど人のいないのを見計らって いるようだなのでこのことを知っているの は同僚くらいしかいない俺は必ず仕事で 見返してやるんだと決めたそこに弁からの 話があったのだ弁のいる会社はタイでは超 有名企業便はすでに個人的に何度か数規の 取引を成功させこれからは会社として継続 的にやっていくつもり らしい日本円換算で5億円となる大口の 相談だ俺はこれを成功させて山田を見返し てやろうと思ったのだ俺は山田に言われた 通り相談内容をまとめたのだが山田はそこ に置いておけと言ったまま資料を見る気配 がない を進めたもよろしいでしょうかと資料を 持っていき説明しようとしたのだがあああ お前なんかにかってるほど暇じゃないんだ よと聞く耳を持たない俺も意地になり何度 も言ったところ山田は勝手に進めろと言っ たしかし資料は見ないままだったとはいえ 5億の大口相談になる予定ださすがにこの 金額を上司の相談もなしに進めるのはどう かと悩んでいると同僚が部長に相談してみ たらどうかとアドバイスをくれる部長は あまり話したことがなかったので俺は 恐る恐る相談したすると俺の思いとは裏腹 に部長は真味に相談に乗ってくれたの だ部長はため息をつい て山田は部下からの評判がないからなと 言った俺は部長にアドバイスをもらい団の 日程を組む山田には逐一報告していたが 部長からは何も聞いていないようで勝手に 進めろって言ってるだろうと相変わらずの 態度だまあいい今に見てろそう思って相談 に望もうとしたのだが思わぬ展開になっ た談の当日俺が準備をしていると山田が やってきて今日の相談資料貸せと言って くる今まで何も言ってこなかったのに当日 になってどういうこと だ何かあったのかと不安になっていると 資料を読み進めた山田の眉がぴくりと動い た豪だととぼそりとつぶやくのが聞こえる そしてお前みたいな無能には無理だあとは 俺がやると言い俺を追い払う仕草をしてき たの だ俺が戸惑っていると山田はニヤニヤと 笑う豪の相談なんて中卒には無理だろ大卒 の俺に任せろ無能君そう言って用意してい た集団資料全て山田に奪われた今まで無 関心だった山田は本当に俺の渡した資料を 読んでいなかったの だろうだから5億なんて大口の案件だとは 思っていなかったはずなんせ山田にとって 俺は中卒の無能だそんなやがそんな大口の 案件を取ってくるなんて思うはずがない 昨日部長から山田の様子を聞かれた時に 資料は逐一渡しているが何も言ってこない し読んでもらえているのかもわからないと 言っておいたので もしかしたら部長から山田に話してくれた のかもしれない豪の大口案件と知った山田 はこの相談を横取りしようとしているのだ ほとんど成功が見えている案件だ成功し たらきっと上には山田が相談を成功させた と強調するに違いない山田は俺を見て ニヤニヤする普通なら俺もこの相談を譲る わけがない しかし俺は頷いたわかりまし たそう言うと山田は俺から奪った資料を 持って会議室へ 向かう今日の相談大後だけど黙っ とこ俺はそう思いながら山田の背中に 向かってよろしくお願いしますと声をかけ た時間が空いたので俺は別の客先を訪問 することにした外出先をホワイトボードに 記入し荷物を持って会社を出る俺が会社に 戻ってきたのは4時間以上後のことだ山田 は俺の姿を見るなりすごい勢いで俺の前に 来て俺はそのまま会議室に連れて行かれ た相談はオンラインだったのだが機材が そのまま残されているお前どういうことだ と山田が怒鳴りつける俺はそしらぬ顔で何 がですかと答え た日本語じゃないなんて聞いてないぞあれ は何語だよ会議が始まった途端知らん言葉 が飛び交って何言ってるか分からないまま 向こうが勝手に怒って通信を切られたん だ俺は笑いをこらえるのが大変だった確か にを聞き慣れている人は少ないだろうでも 対の企業との相談なんだから検討はつき そうだ が先方は語学に堪能な担当者なので英語で も通じたと思いますが課長英語は得意だっ ておっしゃっていましたよねだから問題 ないだろうとお任せしたん です俺がそう言うと山田は睨みつけて くるもちろんだしかし英語でも通じなかっ たどうなってんだあの 会社向こうからしたらそっくりそのまま 返したい気分 だろう山田の怒りは収まらないようで そもそもお前は英語もできないだろこの 相談どうしようとしたんだよどうすんだ 5億もの大口案件をと言ってくる俺は きっぱりと言っ たそれはこっちのセリフです8割型決まっ ている相談だったんですよ結局どうなった んですか相談の延期ですかそれとも相談は 破棄されたんでしょう か問い詰めるが山田は口ごもったまま答え ないもしかしてそれすらも意思疎通できず に終わったんです か俺が言うと山田は 青ざめる俺はその場で電話をかけた相手は 便だもちろん大後で話しているそれを見た 山田は目を丸くしたそして電話を切り俺は 口を 開く部長を呼んできてもらえません か山田はそれを聞くとはあと俺を睨みつけ たが5億の相談がどうなってもいいんです かと俺は強く言っ た山田はまた青ざめて会議室を飛び出して いく俺はオンライン会議のセッティングを 始めたしばらくすると山田が部長を連れて 戻ってくる俺は部長 に先方が課長じゃ話にならないというので 別の責任者を交えてすぐに話がしたいと 言っています部長に同席お願いできますか と言うと部長は頷き席に座っ た山田は呆然としたまま立ちつくんでいた が早く座りなさいと部長にピシャリと言わ れて慌てて席に座る俺が画面をオンライン にすると弁と他の担当者が映し出された俺 は大子で挨拶をし謝罪をすると部長も 読み取って一緒に頭を下げるそして俺が 相談に入ろうとすると部長が俺を止めた 少しだけ時間を くれそう言って部長は英語で話し始める俺 はあまり英語ができないのだが先ほどのの 件の謝罪をしてくれているようだいきなり 呼び出したのに部長は堂々としかも英語で 先方に挨拶をしてくれて俺は心底部長を 尊敬したそれに比べて山田は隣の席で借り てきた猫のようになっている相談は大後と 英語で進められ山田は最後まで追いてぼり だ便が来週日本に来るというのでそこで 正式な契約をすることになった 相談が終わると部長は 激怒山だ君は何をやっているんだ部下から 手柄を横取りしようなんて考えるから こんなことになるん だそう言われても山田は俺を 睨みつけお前がきちんと引き継ぎしない からいけないんだろ俺に恥を欠かせやがっ てと言ってきた俺は首を横に振る引き継ぎ なんてする気はありますでした後ですし 自分が責任を持って担当したかったから ですそれなのに課長が中卒で無能の私には 無理だと言って相談資料を奪い取ったん じゃないですか大後での相談とは言いませ んでしたが課長はA会話ができると前から 言っていましたしそれでなんとかなる だろうと思いましたそれなのにA会話は人 に通じるレベルじゃなかったみたいです ねそう言うと思わず笑がこぼれてしまう 部長も小さく吹き出したすると山田は顔を 真っ赤にして 怒鳴るお前みたいな中卒に言われる筋はい ないんだよ中卒の部下なんて迷惑なだけだ お前今すぐ やめろその言葉を聞いた部長が途端に眉を 吊り上げた今なんて言っ たその迫力に山田は一気に青ざめるしかし 部長は止まら ない有能か無能かは学歴で決まるものじゃ ない部下の話もまともに聞けない部下に 勝手に首宣告するそんな奴こそ首になった 方がいいんじゃないか無能はいらないんだ もん な部長はそう言って怒って出ていって しまったので俺はそれに続くでもまだ山田 に言い足りないと振り向いた俺は今まで 山田に言われた数々の嫌味を思い返し一言 だけ放ったつまり課長の方が無能だっ たってことですかねすると山田は見たこと もないほど悔しそうな顔 する俺は心の中で笑って会議室を出 た実は山田に団を横取りされた直後俺は弁 に連絡していたの だ龍が前に行っていた課長だな分かったよ と便が言うので任せていたのだが後から 聞いたところ山田の英語は本当に通じない レベルであんなので英語ができるなんて 言えないと便が苦笑いしていたベが日本語 を使わなかったのは俺から横取りした山田 を生産したかったから らしい1週間後に便がは来日した際俺と 部長で契約に行ったのだがその時に日本語 ができると知った部長はお前の親友は 面白いなあと俺に言って笑った部長は山田 の県を上層部に報告し山田は俺と同じ 平社員に 降格俺は5億の相談を成功させたことこれ によりタエのビジネスチャンスが増えた ことが評価され今度昇進することが決まっ たすると俺の部下になるのが屈辱的だった 山田は自主退職を決めたそうだ退職当日 山田は俺に向かってお前なんかミスして首 になればいいんだと言ってきた俺は にっこりと笑いああ山田さんみたいになっ たら大変ですもんねご忠告ありがとう ございますと返す山田は恨めしそうな顔で 俺を見ていた その後俺は初めて部下を持つ立場になった のだが山田を反面教師にし部長のような 上司になりたいと日々努力しているそう いえば今度仕事で耐えに行くことになった ずっと行ってみたかった国だしっかり仕事 もして存分に楽しんでこようと 思うえ キャンセル突然取引先の社長が来たかと 思えばとんでもない言葉に俺は耳を疑っ たそうキャンセルもっと安く仕入れられる ところを見つけたんで ねこのワンマン社長いつもこの調子で俺 たちをいいように使ってくるけど今回 ばかりは俺も堪忍袋の尾が切れた俺はこの 社長に反撃を決めたの だ俺の名前は政治65歳で父から継いだ 工場を経営しているうちは部品の加工する 工場なのだがここのところ物価が上がって 向上経営も大変だとはいえうちの技術力を 買ってくれている取引先は多いしコスト 削減をして手を抜くようなことをすれば そちらの方が経営は危うくなるだから俺は 適正な金額を交渉し確かな技術力を武器に 向上経営を存続させているのだ 政治さん先日頼んだ部品の進捗はどうです かと電話をしてきたのは10年間取引が ある会社の担当者で久保君という久保君は 40代で俺の父が社長の時からの担当者だ 自社で使う製品の部品を探していると久保 君が飛び込み営業をしてきてそこからもう 10年もの付き合いになる先日は新しい 製品を作るための部品を特徴で作って 欲しいと相談をしたのだその数は今までに ないほど大量で取引金額ももちろん相当な 金額だ実はこの取引先の売上は右肩下がり そこで何か世間で話題になる製品を作り たいということらしい取引先の社運を かけると言ってもいいほどの製品だそう だそんな製品の部品を受けようのは重大な 責任 だ俺も慎重に部品を作成し大量生産が可能 なものに仕上げたそれに契約に関しても いつもより慎重になったのだ取引先として もかなり重要な契約になるからと社長も 同席することになっ た取引先の社長はあまり見たことがなかっ たのだが久保君は前から社長のことが あまり好きではないようで たまに俺にも社長の方針や性格を愚痴って きていたほどだ営業のノルマは厳しいし 社長は営業なんて誰でもできると営業職を 見下してくる らしい社長と初めて相談をしたが久保君の 話は本当だったそれに俺は取引先の社長で あるにも関わら ずもっと納期を早められないのかとなぜか 上から目線だ要はうちみたいな部品工場は 下受けとでも思っていてこの社長にとって は見下していいという対象なのだろう俺 から言わせれば部品がなければこの会社の 製品は作れないし営業がいなければ部品を 調達することも大変なのにそういった立場 の人間を見下すなんてこの社長は馬鹿げて いるでも担当は久保君だしこの社長と直接 話すことはあまりないだろう大量生産だ から値引きしろと何度も社長に言われたが 原価価格も上がっているしこれ以上の 値引きはできない久保君もうちの技術力を 押してくれて最終的には社長がしぶしぶ 契約書にサインをしたというところだまあ 1億円もの取引になるのだから社長の少し でも値引きさせたいという気持ちも分から ないではない 俺はビジネスとして割り切って契約を締結 させたそしてその部品の作品が出来上がり 久保君が確認に来てくれるというのだが 社長も一緒に来るそうだまあ社運をかけて いると言っていたくらいだし社長自ら確認 に来るのはおかしくないだろうそう思って いたのだが社長の要件は全く別だった [音楽] と社長が来たので俺が部品を見せる久保君 は細かいところまで見たり聞いたりして 関心をしてくれたしかし社長は面倒そうに 部品を手に取って鼻で笑うこんなの他に 頼んだっって同じ だろうそう言われたので俺は頭に来てこの 部品がいかに優れているかを話したその俺 の話も社長はつまらなそうに聞いている なんだこの社長はシをかけた製品に使う 部品なんだろ俺はそう思ったし久保君も隣 で困惑していたのだそしてもっと困惑する 言葉を社長が放っ た1億分の注文やっぱキャンセル な社長はニヤニヤと笑い出すえ キャンセル俺は思わず聞き返したそう キャンセルもっと安く仕入れられるところ を見つけたんで ねと社長が続ける次の瞬間俺より先に久保 君が口を開い たちょっと待ってください社長キャンセ ルってどういうことですかこちらにお願い して特注で作ってもらっているんです よ俺が頷くと社長は一層 笑うやすい下請けに頼むわここの半音で やってくれる らしい久保君は青ざめる俺は冷静に社長に 聞いた半音うちと同じものをうちと半音で ということですか社長は半笑いで口を開く 同じかどうかは分からんがうちの製品に 使う分には問題ないそうだほらここだよ 最近話題になっているんだって なそう言って社長はカの中からある会社の パンフレットを出しテーブルの上に 放り投げた久保君と俺は顔を 見合わせる社長は久保君を見ていったお前 随分長い間この工場の担当なんだってなだ から値引き交渉もできないんじゃないのか こっちの会社の交渉は営業部の新人が取っ てきたんだお前と違って将来有望だ な久保君は顔を歪める なんてひどい社長なんだ取引先で自分の 社員に説教始める社長なんて見たことが ない社長は俺の方を見たそういうわけだ からこの注文キャンセル なその言葉で俺はこれ以上何を言っても 無駄だと 悟る俺は半ば呆れながらため息をついた うちは構いませんが逆に大丈夫ですか ちらりと社長を見ると社長は眉をピクッと 動かしてはどういうことだという俺は笑い をこらえて首を横に振った いえ社運をかけた製品だとお伺いしてるの に新規の取引先に頼むとはなかなか チャレンジャーだなと思いまし てそう言うと社長はニヤニヤと するじゃあお前のところで値下げして もらってもいいんだぞ 出ないと他の取引もどうなるかわからない から な久保君は 社長と声をあげたが俺は久保君を止めた それは今までの他の取引も中止するという ことです か俺がそう言うと社長は笑ういやいや そんなことは言ってないただ今後見直しを する可能性があるということだよ なんだこの社長完全にうちのことを見下し ている俺は腹をくって大きくのいたわかり ましたそう言うと社長はにやりと笑って そうかじゃあ契約金額の引き下げをという ので俺は首を横に振るいえ取引は キャンセルなんですよねそれで結構です別 の取引についても直ししていただいて構い ませんうちはこれ以上値下げできません からすると社長は眉をぴくりと動かし俺を 睨みつけてくるいいんだなと社長に念押し されたが俺は笑って頷いたはい本社の社運 をかけた製品完成を楽しみにしています ね久保君は青い顔をして座っていたが社長 に促されてようやく席を立った その夜久保君から連絡が来る申し訳あり ませんでし た久保君は必死に謝ってくるが俺は事情 話した確かに1億の取引は重要だ けどなんせ大量生産しないといけないから うちの従業員にも少なからず負担があるん だ取引金額が大きい割にはうちの利益は 少ないし久保君からの頼みじゃなければ 受けなかったかもしれない これは久保君を慰めるための嘘ではない 取引の規模は大きいが原材料価格や人権費 などこちらの負担もかなり大きいのだ久保 君はか細い声ででもうちのための特注品 ですよねどうするんですかという俺は 大丈夫と言って電話を切っ た翌日従業員にはあがキャンセルになった こと今までの取引の分も中止になるかも しれないと伝えるざわつきはしたが キャンセルになった特徴の部品はまだ修正 可能な段階 だこれなら他社でも使えるものがある だろうと説明し買手を探すことにした従業 員には新たに買手を探すなんて難しいと 言われたが俺には考えがあったのだそれ から半月後中の部品に手がついたしかも その取引先は業界最大手だここまでの取引 先が見つかったのは久保君のおかげでも あるなんと今久保君はうちの社員なのだ 久保君はあの件で社長に見切りをつけ会社 を辞める決心をしたらしい退職の挨拶をさ れた俺は久保君にうちで働かないかと 持ちかけたうちは営業ができる人間がい ないので今後の新規開拓をどうするか悩ん でいたところだったのだまだ転職先が 見つかっていないという久保君は喜んで 受け入れてくれたおかげで久保君が来て からは新規の取引先が少しずつ増えていっ て いるしかし部品の買手が見つかったからっ てあの社長への仕返しは何もしていないの だ部品の買手が見つかって人安心した俺は 準備していた計画を進めたそして1週間後 あの社長が乗り込んできたの だ政治さん社長が外で騒いでいますと久保 君が俺のとへ駆けつけ た俺は久保君と外へ出るすると社長が俺に 殴りかかってきたとはいえもやしみたいな 社長なのでパンチを止めるのは容易 だ俺が社長のパンチを止めると社長は顔を しかめる確かこの社長と俺は同い年だが俺 は工場の仕事で体力も使うし合体もいい 社長は口は達しだが俺とは正反対で ヒョロヒョロだしどうしてそんな俺に殴り かかろうなんて思ったのだろうまあそれ だけ頭に来ていたということかでも殴り たいのはこっちの方だ俺はため息をつき ながらああ何の御用ですかと 問いかける社長は俺を睨みつけてこれだよ これどういうこと だと損害賠償を請求した内容証明を出して き た俺は涼しげな顔で 答えるどうってそれ読めば分かるでしょ あなたが契約済みの部品をキャンセルだと 言うから損害買収を請求したんです よ社長は怒鳴ったお前がキャンセルに同意 したんだろう それに部品はまだ完成していたわけでは ないじゃない か俺は用意しておいた契約書を社長に 突きつける確かに部品は完成していません が一部は作成していますしキャンセルに 同意はしましたがこれは一方的な契約解除 ですこういった場合には損害賠償が発生 すると契約書に記載してありますよ読んで ないわけないですよね そう言うと社長は顔色を変え始めた俺は 一方的に契約解除されたの で契約書に乗っ取って損害賠償を請求した だけ だ社長はうえながら俺の隣にいる久保君に 視線を 移すおいお前がどうしてここにいるん だ久保君はにこりと 笑うここの社員になったので すると社長は笑い出したうちにいた人間が こんな下請けの工場に転職落ちぶれたもん だ なその言葉に俺がむっとすると久保君が口 を 開く 下請け何言っているんですか部品を作る 工場がなければ製品が作れないんですよ そんなことも分からない社長の会社で働い ていたなんてののです ね久保君の言葉に俺はなんだか嬉しくなっ た俺は久保君の言葉に 続ける下請けだと見下すくらいなら自社で 部品も作れるようにすればいいじゃない ですかできないから他者を頼ってるん でしょうだったら取引先は対等に見るべき ですねそれに久保君みたいな優秀な営業を 手放すなんて本社は何も分かってないです ね まあそのおかげでうちに来てくれたし さらに実力を発揮してくれてうちは新規 開拓できているので本社には俺を言いたい くらいです けど社長は悔しそうな顔をするそして俺は あることを思い出していったああそうそう 今まで納めていた部品ですけど次回の納品 分で契約解除させてもらいます ねすると社長は鼻で笑う はあ一方的な契約解除は損害賠償を請求し ていいんだよ な俺と久保君は顔を見合わせて笑っ たあなたは何も分かってないんですね今 までの契約は次の納品分で契約が終了する んです よ継続の場合は契約更新していましたけど 今後は更新しません本社との取引は一切し ませんから 社長は俺を睨んだしかし返す言葉は 見つからない らしい俺は笑いながら口を 開くそういえば社運をかけた新製品どう なりまし たそれを聞いた社長は顔色を変え たまだ再販の目は立たないんですか久保君 が言うと社長はこちらを睨んでくるお前ら 知ってたのかそう ので俺はけていった何がですかもしかして あの半音で取引すると言っていた会社また やったんですかあの会社海外メーカーの 部品を輸入していますよね悪品が多いそう で少し前に訴訟問題になっていましたし 当然知っていて契約されたんですよ ね社長は俺を睨み 続けるあの部品の契約をキャンセルだと 言いに来た時久保君は本当に何も知ら なかったそうで社長が他の取引先を用意し ているなんて思っていなかったというその 会社は悪名高く値段は安いが質は低いと 有名なところなのだ社長がその話を知ら ないわけがないと思ったがどうやら知ら なかったようだ社長は俺に向かって大きな 声を 出す悪品のせいで動かないとか発火した なんてクレムがついでるでも売れてはいる んだここから巻き返すから なそして社長は笑っ た幸い部品の金額はお前のところと違って 安いから利益はそれなりにあるん だ俺は 頷くそれは良かったですねでしたらその 損害賠償もさっさと支払って くださいもしすぐにお支払いいただけ なければこの実情をネで表しようと思って い ますすると社長は好評だとそんな証拠も ないことを世間が信じるかよと笑うすれと 久保君が社長の前に行きボイスレコーダー を取り出して再生したそこには社長が俺を 見下している発言や一方的な契約解除を 告げる声が録音されている社長は慌てて 止めた久保君はにやりと笑う 俺普段からあなたや自分の上司に嫌味を 言われたり無理難題をつけられたり納得 いかないことをされていたんですよだから なるべくボイスレコーダーで証拠を残す ようにしていました普段取引先でなんて 録音しないんですけどあの時はなんか嫌な 予感がして録音していましたこんな風に役 に立つなんて思いませんでした よ俺はそれに続けていったそういうことな ので 支払いを拒否するのは構いませんが判断は 早い方がいいと思います よすると社長は後ずさりをし覚え時計新 製品で必ず見返してやるから なと言って出ていったの だその後損害買収をした分は無事に支払わ れ俺は完全にこの会社との縁を切ろうとし たしかし縁を切るまでもなく倒産したのだ どうやら社運をかけた製品は大 失敗諸悪品が多く売れれば売れるだけ評判 が悪くなり会社の評判も地に落ちたようだ 意図しない方向で世間に流しられる形と なったそれになぜかうちとのトラブルも ネットで拡散され社長個人にも世間の 厳しい目が向け られる社長は近所でも噂になったので自宅 を売り払い今は不便なボラアパートに 引っ越したそうだ久保君が元同僚から聞い た らしいうちは業界最大手との取引も継続 さらに今回のトラブルが拡散されたおかげ でうちの技術力が広まる形となり他にも 新規の取引先が増え た今までの人数では対応できなくなり従業 員を増やし今までよりも賑やかな工場に なったのだこれからも誠実に仕事をして いきたいと [音楽] 思う女の前でいい格好して俺に恥を描かせ たバツだ口封じもできて一石に重だぜなあ 首になって今どんな 気持ちこれは当時の上司いの言葉だ俺が首 になった原因を自分が組んだのだと暴露し ながら笑う姿に俺は恐怖し たいでのこの言葉を決して忘れはしない だろう俺はあなたを絶対に許さ ないお前みたいな無能君が今更何を言って も無駄だ よ負け犬の遠吠えとさらに笑ういの声をせ に俺は会社を後にし た俺の名前はあ52歳の会社員 妻と2人暮らしだ以前はある中小企業に 務めていたのだが今は他の会社で働いて いる22年経った今でも時々前の会社を 辞めた日を 思い出すそれくらい前の会社での出来事は 俺の人生に深い傷跡を残してい た22年前俺は会社から帰るために駅に 向かって歩いていた はゴロゴロと雷が鳴り今にも雨が降りそう だったのを覚えているそんな時俺は携帯を 会社に忘れてきたのに気がついたのだその 日は金曜日土日に携帯がないのはきついと 思った俺は仕方なく会社に取りに戻った 目星をつけていたロッカールームに行き スマホを無事に回収した俺はオフィスから 人の気配がするのに気が つくまだ残業している人がいるのだろうが 様がおかしい 一瞬やめてくださいと女性の声がした気が したの だ扉の隙間から中を確認すると俺の上司で ある課長のいと後輩の女性社員高なが距離 を取って向い合っていたなあ食事くらい いいだろうずっと君のことをいいなと思っ てたんだよ仕事の相談にも乗ってやるから さ いは軽薄に笑い高なにゆっくり近づいて いく仕事の悩みもありませんし困り ます高ははっきり拒絶の言葉を口にして いるが表情は弱々しく怯えた小動物のよう だあれお2人ともまだ残っていたんです か俺はとっさにオフィスの扉を開いていた 井は当時独身だったが複数の女性に 言いよっているという噂が ある俺はそしらぬふりをして2人の間に 割り込ん だあお前こそなんで いる井はあかさに不機嫌そうに表情を しかめた俺は忘れ物を取りに来たと説明 する雷が鳴ってますし雨も降りそうです から早めに帰った方がいいですよ課長は車 でしょうけど高さんは確か電車でしょあさ そうですよね私もそろそろ帰ろうと思って たんですあまさん最寄りの駅が一緒ですよ ねよかったらご一緒しません かこれは渡りに船だと思ったのだろう高は 俺にそう言ってそくさとオフィスを後に する無能のくせに覚えてろ よ立ち去る時に井がそう言ったのがカカに 聞こえてきた その時の課長の顔もよく覚えている悔しげ で怒りに満ちた表情だった帰り道に高はい にしつこく言い寄られていると打ち明けて くれた証拠はないが髪や肩に触れられた こともあるらしいそんなのセハじゃないか 土日の間ずっと悩んでいたのだがそういっ た事実があるのならやはり上に相談した方 がいいのではと思う 高なが相談しにくいなら俺も証言しても いい月曜日に出社したらまずは高に話をし てみよう俺はそう考えていたしかし月曜日 に出社して早々俺は驚愕することに身に 覚えのないご発注が俺の責任だと部長から 出席を受けたから だとにかく身の潔白を明かそうと説明する が君の担当だと課長から聞いているし データ送信の証拠も残っていると部長に 言われてしまう俺の担当なんて初耳だいで と聞いて瞬時に金曜の晩の出来事を 思い出すいでは管理職として非常需要に俺 たちのパスワードも把握しているため証拠 の捏造も可能だった だろう何かやったに違いないと俺は確信 する必死にするも虚しくやがて俺は処罰と して会雇に高以外は誰も信じてくれず俺は 絶望し た退職当日にいに言われた言葉を俺は生涯 忘れないだろうあいつはセハ現場を見られ た口封じのために俺のご発注をでっち上げ 首に追い込んだのだ からむ君久しぶり [音楽] 忘れもしない男の声を聞き俺は現実に 引き戻された目の前には22年前と変わら ない下た笑顔の男いでが立っている俺は 今日取引先の社長を接待するお供として 高級両手を訪れていたお手洗いに立ってい たのだが戻る時にある人物とすれ違ったの だ顔を見たのは一瞬の出来事だったという のに俺の足は自然と止まった思いがけない 出来事にバクバクと心臓が鳴り頭の中に まさかという言葉が 浮かぶ向こうも俺に気がついたらしく声を かけてき た俺はゆっくり振り返り今に至るという わけ だいでさんお久しぶり ですそれにしても初手に無能りとは俺は 動揺を悟られないよう務めて冷静にに返す いは酔っているのか顔が 赤いお前確か名前はああそうそうあだった よなやめてえっと20年くらいかその たれ目で特徴的な鳴き袋相変わらず しみったれた顔してっからすぐに思い出す た ぜ言われて思わず眉を潜めるそういえば前 の会社でもに顔の印象でからかわれたこと があったいでさんもお変わりなくでは私は これ でいと関わりたくなかった俺はさっさと 去ろうとするおいあちょっと待て よいでは俺の肩を掴んで引き止め た俺はさあ今日プライベートで飲みに来 てるわけお前はここはが場所じゃない けどにやけ顔で吐く息は酒臭く俺は眉を 潜める俺は完結に仕事の供で来ただけだと 答えいは鼻を 鳴らすまあそうか仕事でもなきゃこんな 場所来れないよなていうかお前就職できた んだ首になったのにお前を雇う会社なんて どうせ弱小企業なんだろうけどな ちなみに俺は来週業界1位の大企業と大口 契約なん だお前が辞めた時は中小企業の課長だった けどさ今は大きな会社の営業部長なんだぜ いやあ悪いねお前と違って出世して ていの言葉に俺は驚いた俺の表情に気を よくしたのか聞いてもいないのにいは ペラペラと語っていくがうには俺が会社を 辞めた後今の会社の令嬢とお見合いをして 結婚したそうだそのため元々いた会社を 辞め現在は奥さんの会社の営業部で部長し ている らしいさらに井の務める会社名を聞き俺は 口元がけそうになるのを必死に抑え た悪いねお前が首になってから俺は幸せ 人生まっしぐらって感じ金持ちのだけでも いいのにその夫だ ぜ将来安泰もいいとこだよなま1つ不満が あるとしたら嫁が社長でやりずれえって くらいか なぎャははと貧のない笑い声をあげるいで 再開時から分かっていたがこの男は本当に 少が曲がっているようだ俺は引きしめてい た表情筋を緩め笑顔になる てに向かって行ってやっ たあんたが担当だったのかじゃあその 20億の契約中止でお願いします よ部下のミスを捏造して首に追い込んだ 人間がいる会社となんて怖くて取引でき ませんからねうちの社長も説明すればどれ だけリスクがあるかきっとご理解 いただけると思い ますついあんたと呼んでしまったのは年の 恨みから来るものだとに見ていただきたい ええいは目を丸くしてポカンと口を開けて いる俺は先ほどいでが俺にしたように尋ね られてもいないのに語っていく22年前に 仕事を辞めてからというもの俺はしばらく 家に閉じこもって過ごしていたいに対する 怒りの感情はもちろんあったがそれ以上に ショックの方が大きかったから だそんなある日俺の様を噂で聞いた友人が 連絡を取ってくる俺に起きた出来事を真味 に聞いてくれた後友人は俺に職場を紹介し てくれたいつまでもこのままでどうすると 勝を入れられて俺はようやく目を覚ました のだこうして俺は面接と試験を受け新しい 職場に入社面接と試験は自分の力とはいえ 者に近い形で就職した俺は誰よりも一生 懸命働 紹介してくれた友人はもちろん周りに迷惑 をかけないよう誠実であろうと心がけた そのおかげもあり俺は実績と信頼を 積み上げて今の地位にいるああ名刺を渡し しておき ましょう一通り語ると俺は思い出したよう に名刺をいに手渡したいでは目をさらに 大きく 見開くお前が業界1の大企業のえ営業本部 長そんなバカ ないでの言20億の契約は俺も聞きを読ん でいたただし担当は他のものであるしかも いでは結婚をきに別の会社に転職していた のでまさか取引先の担当者が俺にとって 因縁の井だとは思いもしなかったのだいは 俺の名刺と俺自身を交互に見て顔を真っに している契約中止ってそんなそんなことに なったら 俺最初にこの男と再開した時は自分のふを 呪ったが間違いだった完全に立場が逆転し 俺は確信 する今日俺は過去と決着をつつけるべきな のだ と君こんなとこにいたのか戻ってこない から心配した その時名前を呼ばれて俺は振り向いたそこ には見知った俺の友人 が 社長俺が言うと井ははっとして背筋をたし たこの社長こそ俺の友人であり恩人だ俺に 会社を紹介してくれた時はまだ社長の息子 として修行している身だったが今では立派 に社長を継いでいる俺のことも頼りにして くれていて今では友人でもあり相棒のよう ないい関係を気付けていると 思うあ君こちら は社長が井を見て首をかげた俺は例の 20億の契約の担当で偶然あったのだと 説明しもう一言 付け加える前の会社で大変お世話になった 井さん ですを調してと社長はかかに目を細めた今 の説明で大体察しただろう何せ俺が首に なった話をするたびにいでという名前は何 度も出していたのだ からおおあ君が大変お世話にあそうです かいでは慌てて自分の名刺を取り出して 社長に挨拶する社長は受け取った名を見て さらに驚いたに俺を見た俺が頷くと社長 はこんな偶然もあるんだなと小さく つぶやく え井は首をかげたが社長はこちらの話で すっとほえん だそうだせっかくだからご一生しません か社長の誘いに井はブンブンと首を振る いいえ私も連れを待たせておりますの でそういえば出会い頭にそんな話をしてい たっけ俺の正体を知り契約中止を宣言され もう井は思考停止状態だこの場から逃げ たくて仕方ないの だろう俺がそう考えている隣で社長は あくまでやか にほんの少しで結構ですのでとの腕を引い て 結局井は社長に促されるまま俺たちがいた 個室へと向かうのだったその個室がいでに とって地獄となるとも知らずに個室に戻る と俺と社長を出迎えたのは俺たちより少し 年上の女性だ丁寧に言いあげた紙に上質 ながらもシンプルなスーツが彼女の品性の 良さを滲ませて いる彼女を見た井が悲鳴のような声をあげ た かえかえと呼ばれたこの女性こそ今日俺 たちが接待していた取引先の社長だそして 井の奥さんでもあるこんな偶然あるの だろうかそう思わずにはいられ ない女性社長は便宜上かえ社長と呼ばせて もらうが彼女は俺たちの後ろにの姿を発見 しかなり驚いていたあら部長がここに一応 ビジネスの場だからか夫を部長と呼ぶ あたりか社長はかなりしっかりして いる金社長曰く今日の食事にいでも一緒に 来てほしいと頼んだところ他の接待が戦役 にあると言われてしまったらしい疑惑の目 を妻に向けられいは日合をかき見るからに うえてい た先ほど通路でお会いしたんですよはい さんは私が昔勤めていた時の上司でし て俺の話を聞きか社長はまあと声を あげる俺が言葉を続けようとしたその時入 はその場で床に膝をつき勢いよく土 下座すみません許してください謝りますの で妻には話さないでください険悪もお願い します何でもします からあまりの勢いに井以外の全員が困惑 するいや俺だけは笑いそうになるのを必死 にこらえていた特にか社長はわけが分から ないと言った様子 でちょっと何を 突然社長もあさんも困ってらっしゃる わといを立ち上がらせようと するお二方に聞いていただきたいお話が あり ますか長には申し訳ない気持ちもあったが 俺は社長とか社長にことの経緯を説明して いく話は22年前の出来事つい先ほど再開 した時のいでの言動そして俺が契約中止を 突きつけたことまで含まれてい た夫がそんなにひどいこと を話を全て聞き終わり社長は納得したよう に頷きか社長は愕然とする として信じたくない気持ちはあるだろうが いの土下座が真実だと物語ってい たお話は分かりました契約を中止にしたい とおっしゃるのも無理はありませんわ会社 は信用が第一です部長は私の夫は人間とし て最低の行いをしたのです本当に申し訳 ございませんでし た頭を下げようとするか社長に俺は首を 振る 社長が床に顔をふしたままのいに声をかけ た奥さんに頭を下げさせるつもりかい勢い や保信のためではなくきちんと謝罪の言葉 を自分の口からあ君に告げるべき だろ頭を上げた井は目を真っ赤にして わなわなと震えているそしてぎゅっと拳を 握り全て謝罪いたします本に申し訳ござい ませんでし たと絞り出すように俺に言い改めて頭を 下げ た部長あなたに人の上に立つ資格はない 後日それそうの処分を下しますので覚悟し ておいて くださいか社長がいに言い放つといは えっと声をあげそのままがっくりと肩を 落とす因が応報ですね 俺の発言に社長もかえ社長も頷いてい たそうそう高を覚えています かいきなり出てきた名前に面食らったよう にいではポカンとする俺は苦笑しこう告げ た彼女は今私の妻なんですよそういうわけ で私だけでなく高しも充実した幸せな人生 を過ごしていますあなたは私が今も不幸の ままだだと思い込んでいたようですが残念 でしたね俺が会社を辞めたすぐ後に高しも 会社を辞め塞ぎ込む俺を励ますうちに交際 するようになったのだ井は一度大きく驚い た顔になりそのまま顔を背けるもう何か 言う気力も残っていないようだそれから間 もなくして俺たちは揃って個室を出たその 時はいでさこんなとこにいたもう探したん だ から若い女性がいきなり井の腕に 絡みつくか社長は眉を潜め井は悲鳴をあげ た女性の顔は真っ赤で目はトロンとして かなり酔っているように 見えるこれはどういうこと かしらか社長は額を抑えてため息をつくあ ああのこれはその いではアアするだけで言葉にならない様子 だそういえばいではプライベートで来て いると言っていたもしやと俺が想像を働か せているとてか誰このおばさんいでさん私 の他にこんなのとも付き合ってるの趣味 悪い女性がまさかの爆弾投かいでは すっかり方針しておりか社長はもう我慢 できないと言わんばかりに眉を釣り上げた 俺たちが戸惑っていると金社長がこちらに 顔を向ける笑顔ではあったが口元は 引きつり相当無理をしているのが見て取れ たこの旅は本当に申し訳ございませんでし た本社のご意行はよくわかりましたその上 で大変恐縮ではございますが契約について はまた後日改めてということでもよろしい でしょうかえええもちろんです今日は親睦 を深めるための機会でしたから社長はそう 答え俺と顔を見合わせるこれは俺たちが 帰った後も一悶着ありそうだと後日正式に 契約は拍手となり井はその責任を取らさ れることになったしかも何の因果か俺との 再会現場で浮気までバレてしまい金社長に 離婚を突きつけられたそうだ損害賠償離婚 の慰謝料そして会 これら全てがいに のしかかるあれだけ俺に幸福な人生を語っ ていたというのに落ちる時はあっけない ものだ一方で俺は引き続き妻と幸せな日々 を過ごして いるあなたの心に残ったトがようやく取れ たのね妻が俺を見てそういう君もじゃない のかあら私はとっくにふっきれていたわ だってあなたの奥さんになって幸せで 満たされている から妻は微笑ん だ22年前人を信じられなくなりかけた俺 に手を差し伸べてくれた友人と妻2人の ためだけに俺は頑張ってこれたこれからも 努力と誠実さを忘れずに自分の人生を歩い て [音楽] いこう君なんて待をしてくれた だ部長は俺を出席し資料を投げつけて くる何の話なのかさっぱり分からず驚いて いると部長は取引の失敗を責めてきた しかしそれは部長が仕組んだものだったの だ俺の名前は 照之インテリアやレジャー用品を扱う メーカーで営業をして いるホームセンターや両販店が主な取引先 だ都会の大学に出たものの就職は地元へ 戻ってき た地元のそこそこ大きい会社に就職し今年 で6年目取引先との関係は良好で俺に担当 して欲しいと言ってくれる人も いる取引先からの電話には参コール以内に 出るしメールは即返信 商品について知りたいと言われたら必ず 直接出向いて説明し た信用とはこうした小さな努力の積み重ね で成り立つと 思う相手と誠実に向き合うのをもにしてき た 俺おかげで営業成績は部署内でトップ クラス だ相変わらず好調だなこの調子でバンバン 契約を頼んだぞ [音楽] 周りを終えて本社に戻ると三島営業部長に 声をかけられ た部長のご指導のおかげです よ俺の言葉に部長は嬉しそうに頷きながら 別の社員に声をかけに行っ た部長は感情の気腹が激しく面倒な性格 だ誰かを褒めていたかと思えば急に怒鳴り 出す新人時代こそよく怒られたが最近は 成績がいいからか俺に対して文句を言って くることはほとんど ないだがノルマを達成できない社員には これでもかと 厳しい部長の失跡に耐えられないからと やめていくものも多くい たそれにも関わらず部長がパワハラで訴え られないのは部長が社長の追いであるから に違いない人事部にも社長の身がいるので 回しされているの だろううちの会社は典型的な家族経営なの だ身内を優遇する社長にモヤモヤする 気持ちはあるだからこそ成績を伸ばして 昇格しいずれは会社の制度を変えたいと いう密かな野望を持って いるしかしそんな野望など打ち砕かれるの だっ たある日俺は部長に呼び 何事かとドキドキして会議室へ行くと予想 外の言葉を言わ れる君に娘を紹介してやろうと思ってね 紹介です か唐突かつ上から目線の言葉に思わず 聞き返して しまうそうだ娘との結婚だ よまさか仕事中にも関わらず円を持ちかけ られるとは思わなかっ 集合写真を見て娘が君を気に入ったようで ね私の息子になれば君の将来も約束できる ぞいずれは経営人に誘うという意味なの だろうか魅力的な誘いではあるが 受け入れることは到底できない俺には10 年付き合っている恋人がいるから だ都会で就職しなかったのは地元に残して きた恋人がいたから 恋人は高校卒業後地元でジムの仕事につい てい た長年付き合っている恋人がいることは 部長も知っているはずなのだ が私には恋人がおりますのでお受けでき かね ますここではっきり断らないとトラブルに なる可能性が あるそう思ってお断りしたのだが部長は とんでもないことを言い出した ああ高卒娘とまだ付き合っていたのか出世 したいなら俺の娘のような大学卒で共用の ある女と結婚しないとなさっさと別れ なさい恋人を高卒娘と馬鹿にされ頭に血が 登る俺の恋人は遠距離恋愛だった時文句も 言わず待っていてくれ た仕事が辛くても彼女との将来がから 頑張ってこれたの だ別れるつもりなどありません彼女に 対する侮辱発言を取り消して ください事実を言って何が悪いんだねそれ とも私に立つというの か俺たちは睨み合っ た入社してから今まで俺は部長に反抗した ことなどないしかしこの時ばかりは譲れ なかっ たてつくつもりはありませんが私には大切 な恋人がいるので円THは受けられませ んもう一度はっきり断ると部長は舌打ちを する随分と向上だなまあいいきっと君の方 から娘を紹介してくれと言ってくるだろう が な部長は意味しな発言をすると会議室から 出ていっ た俺は怒りを解消したくて愚痴を聞いて ほしいと友人にメールした 高校の元同級生である俊が仕事終わりに 会ってくれることになったの だ信じられないだろうちの 部長俺は今日起きた話をしとし たしは頷きながら話を聞いてくれて いるそんな部長の下で働いていないで転職 したらどうだお前なら他者に行っても通用 するんじゃない か実はは取引先であるホームセンターの副 店長をやって いるたまに店長代理としてやり取りなんか をすることも ある給料は割といいし将来を考えると今の 会社から抜けるのは なあ部長が嫌だからと転職するのは もったいない気が する俺がブツブツと呟いているとしが言っ た1つの選択肢として転職もありなんじゃ ないかなそれで今日俺の知人を紹介したい んだけど いいそう言うとしは誰かに電話をかけて いるそして数10分後とある人に出会っ た俺はこの人との出会いにこの先感謝する ことに なるそれから数日間はいつも通り過ごし た営業回りの時間が多かったので部長と顔 合わせる時間が少なくて済むある日外回り 後に営業部へ戻るとなんだかざわついて いる何かあったんです か俺が声をかけるとありが真と静まり返っ たすると静寂を破るかのように部長の声が 響い た君なんて失敗をしてくれたん だ部長の視線の先にいるのは俺だ 相談を進めていた両店から断りの連絡が あったぞ連絡が全然来ないから他者と進め るってな担当のくせに何をやっていたん だ部長は俺に資料を投げつけてき た部長の言葉に驚くのは俺の方で あるそこは俺が力を入れて売り込みをして いた大型両店だったからだ とりって担当の俺には電話がありません でしたよそれに部長の最終確認待ちで 止まっていましたよ ね商談は締結まであと1歩というところ まで来ていただが最後に内を確認したい からと部長からストップがかかっていたの で ある俺は何度も部長を最速したが部長から まだオッケーは出ていなかったはずだする と部長は もう確認をしたから相談を進めろって言っ ただろ聞いていなかったなんて信じられ ない失態だ なと言い出したので あるそんなはずはありません私は大事な 連絡を受けたら必ず日時と内容をメモして いますですが部長から連絡など来ていませ んそう反論したが部長はため息をつく ばかりどうせメモを忘れたんだろうでかい 取引になるはずだっただけに首にするしか ない なと言い出したのだ俺は突然首宣告をされ たことに なる真な先輩がメモを忘れる か部下の失敗の責任を取るために上司が いるんじゃないのか よそんな声が周囲から聞こえるが部長が ぎりと睨むと皆黙ってしま それ以上俺を擁護する声は聞こえなかっ た俺だって部長に目をつけられたくないの だから仕方が ない部長は俺の耳元に口を近づけると君の 行動次第で便宜を図ってもいいが高卒娘に 夢中になってなどいないで仕事に集中し たらどう だと言い出したの だの発言から部長の意図が分かった恋人と 別れ娘との面談を進めろと言いたいの だろうそういうことですかそれなら私は首 になっても構いませ ん俺の言葉に周囲がさらにざわつい た部長は一瞬表情を変えたが俺の代わり などいくらでもいると思ったの だろう優秀な君を失うなんて残念だだが 会社に不利益を与えたのだから首もいし方 ない なと笑い出したの だ俺は悔しい気持ちをぐっこらえ て優秀だなんて身に余るお言葉光栄です 今後は部長のような理不尽な上司がいない 会社でさらに商人していきたいと思います の でと嫌みを言うと部長は笑を る誰が理不尽な上司だ とと言って俺に詰め寄ってき た部長です私を首にしたくて取引の邪魔を したのでしょう娘さんとの縁談を断った からってあまりにも幼稚すぎます会社に不 利益をもたらすなんて管理職失格ですよ ね俺は言いたかった不満をぶちまけてやっ た お前上司になんて口の聞き方 だ当然部長は怒るがどうでもよかっ たどうせもう上司で亡くなるのだ から部長は顔を真っ赤にして怒っているが 周囲の反応は 冷たい個人的な感情で取引をダメにし たって わけうわありえない わ普段は部長に逆らえない社員たちが口々 に 話すさすがの部長も居心地が悪くなってき たようだうんとにかくお前は首だからな 荷物をまとめておけよ俺の一声があれば 解雇なんて簡単にできるん だそう言って部署を出ていって しまう社長か人事のところにでも話をつけ に行くのかもしれない 部長の行動は気になるところだが担当して いた相談がどうなったのかそれをまず知り たかっ た取引先になるはずだった大型両販店の 担当者に電話する と少し前に担当が変わったと三島部長から 電話がありましたそれでお断りする件も 三島部長に話したのですがと言われて しまうやはり根回しをして意図的に取引を ダメにしたのだそうして俺を追い詰める つもりだったの だろうこんな上司の元で働くなんてごめん だそう思った俺は以前しと一緒に飲んだ あの人へ電話し た先日頂いた話ですがよければお受けし たいと思うん ですそう言うと相手は喜ぶ声をあげた 俺が電話した相手とは旬の 知人その人はうちの会社のライバル会社に 務めている営業部の社員なのだうちと同じ ように俊の働くホームセンターに商品を 下ろしていると いう営業が人手不足で誰かいい人はいない かと旬に話をしていた らしいそこで転職するならここはどうかと 瞬に提案されていた 俊の知人が転職先の上司と俺の橋渡しに なってくれたの だこうして俺は早々に転職する意向を決め 正式に会社を辞めただが辞める前に一悶着 があっ た1つの取引がなくなったくらいで朝会 解雇にはできなかったのか人事部長は困っ たように俺を説得し始めたの だ三島部長が俺を首にしろと人事に圧力を かけてきて困っているだが会社として不当 解雇はできないだから君から自主退職をし てくれないかという社員を守るはずの人事 がするとは思えない内容の説得だっっ た社長に話すと言っていた部長だが実際に は人事に圧力をかけただけのよう だ社長に話せば部下ののは上司が取るもの だと指摘されると思ったのかもしれ ないこざかしい部長は社長にバレないよう 俺を辞めさせたかったの だろう関係性はよくわからないが人事部長 と三島部長とでは三島部長の方が立場は上 のよう だ俺は三島部長だけでなく人事部長にも 呆れ返って しまうこんな会社にいても未はないなと 思い自ら退職を決意し たそして俺は後輩に引き継ぎを終え有給を 消化した後にライバル会社へ転職した ライバル会社は元いた会社よりも規模が 小さいだが規模が小さい分経営人と現場の 距離が近いため意思疎通もしやすかっ た自社商品を売るのは大事ですがそれだけ では引きとの信頼関係は作れません他者 商品を組み合わせた売り場レイアウトを 提案することでお店の業績を考えてくれて いると先方は思ってくれるの です俺は営業経験を生かして積極的に意見 を出し た上司や経営人も真剣に話を聞いて くれるそして早速既存の取引先を任せて くれ た仕事好きな俺だが転職してからはさらに 仕事に力を注いで いる商品を深く理解するために商品企画部 の人たちの話を聞きに行ったり休日も店を 回って売り場の研究をしたりもし た新たな上司は俺の努力を認めてくれ全力 でサポートして くれる部下の足を引っ張っていた誰かさん とは大違い だ転職してから数ヶ月後なんと会社の売上 は3倍2まで伸び た売上がこんなに伸びたのにはある理由が あるお昼の情報番組でうちのキッチン用品 が紹介されたの だそのキッチン用品は俺が転職直後から 押していて絶対に人気が出るとホーム センターの店長たちに力説してい たテレビでの紹介は絶大な効果がある 必ず反響があると読んだ俺は全店舗で在庫 を増やし たその読みは的中し特に放送後の週末は 在庫切れになるほどだったの だそれからもうちの定番の人気商品として 未だによく売れて いるホームセンターの店長から は本社の商品が売れているおかげで他者の 関連商品も売れていますあなたが売り場 レイアウトの提案をしてくれたおかげです よと感謝の言葉を言われてい た転職してから忙しくも順調に過ごしてい たある日ホームセンターで以前の会社の 後輩と出会っ た俺は後輩から以前の会社の内場を聞く ことに なる俺が退職後営業部の社員も次々と退職 していったら らし部長が個人的な感情で俺を解雇に 追い込んだ事実を目にして会社へ不信感を 持ったの だろう俺が人事に自主退職を迫られた話も 噂になったのだと か社員が離れたことで営業部の売上は 減少そこで社長は何が起きているのか部長 に問い詰め た知を切ろうとした部長だが噂は社長の耳 まで入っている言い逃れができないと観念 した部長は大口の取引をダメにした話も するはめになった らしい社長は激怒し三島部長を攻殻 処分車内の秩序を見出したと人事部長は 言及処分となっ た部長広角になってから大変そうですよ 会社でも居心地悪そうですが家庭でも窮屈 なんじゃないですかね 町で見かけたんですけど奥さんと娘さん らしき人たちに怒られていたんです会社で は強気な部長ですけど家庭では弱かったん です ね後輩は笑いながらそう教えてくれたの だ部長は家でのストレスを会社で発散して いたのかもしれ ないそんな話を聞いた夜部長から電話が来 たこれまで会社に在籍していた時すら部長 から電話が来たことなどなかったの に頼む戻ってきてくれないか社員が少な すぎて仕事が回らないん だ電話に出ると部長は泣きつくように言っ てき たよほど社長から絞られたのだろうか焦り が伝わって くるすでに転職しているので戻れません 社員が退職していったのは部長の態度が 問題だったと聞き 俺の言葉に部長はぐっと言葉をつまら せるじゃじゃあせめてうちの娘と結婚して くれんか君を紹介するってもう娘と約束し ていたんだよ約束破るんならパパと縁を切 るって言い出し て今度は本当に泣きだしそうな声を出した 部長あの後俺以外の候補を娘さんに紹介 しようとしたが なぜか俺がいいと言って聞かないのだと かだが部長の娘と結婚するだなんて会社に 戻るよりも不可能 だ当然ですがそれも無理ですすでに恋人と は結婚式の予定を組んでいますのでそれに 部長をお父さんと呼ぶのも嫌ですし ね俺はきっぱり言うと電話を切っ たそして部長の電話番号を着信拒否にした のであ ある部長は攻殻したことで役員手当てが 入らなくなったはずだきっと奥さんから 責められていること だろう娘さんに縁を切ると言われて泣き そうになっている部長も目に 浮かぶ全て部長の自業自得なの だ部長がどうなったかは知らないが会社で も家庭でも片身を狭くしている様子が想像 できた 俺は転職先の会社から売上に貢献したと 評価され特別手当てをもらっ た手当ては結婚式の費用に使うつもりで あるこれからは仕事だけでなく家庭も守っ ていきたいと思うん [音楽] だこすさんすみません部長が体調不良で血 してまし て訳なさそうに行ってきたのは人事の担当 者 だ今日って面接の日だよ ね俺が聞く とそうなんですそれで少し困ってしまって いてコスさんのお力がお借りできればとと 言う俺は頷き面接をする学生たちの履歴書 をもらっ た俺の名前 は48歳の会社員 だ妻と3人の子供と暮らして いるある時大学生の長男が俺に行ってき たじいちゃん元気俺今就職先に悩んでるん だけどやっぱり同じ業種に行くべきか な腕を組んで首をかげて いるお前がやりたいようにやるのがじい ちゃんも喜ぶ思う ぞ俺がそう言うと長男はうーんと唸って また首をかしげて部屋に戻って いく就職先に悩むなんて大きくなったな なんて干渉に浸ってしまっ たある日俺が出勤してしばらくすると後輩 の相澤が慌てた様子で俺のとへかけて くる彼は新入社員の時から面倒を見ていて 部署が変わった今でも仲が 良い相澤は人事の担当をして いる慌てているので何があったのかと聞く と面接を担当するはずだった部長が体調 不良で血筋すると いう人手が足りなくて俺に相談に来た らしい俺は前に面接を担当していたことが あったからその日の面接を手伝うことにし た俺は面接をする予定の学生たちの履歴書 をもらい面接の時間までに頭に 叩き込む面接に来る学生たちも真剣なんだ から俺たちも真剣に面接をしないと失礼だ 俺はずっとそう思って いる数時間後面接が始まった の面接は5名なかなか良さそうな子もいて 面接を担当できて良かったと思って いるそして最後の1人の番になっ た大学生の女の子 だ入ってきた瞬間人目を引く派手な美人だ と思っ たしかし面接には向かないピンヒールに ネイルアートをしていて他の大学生たちが 黒の就活スーツなのに1人だけキャバ嬢 みたいなドレススーツ だ俺は思わず身構えて しまう話し出した彼女は面接に挑む態度で もなく友達のように話して くるそして俺に向かっ てもしかしてこすさんって 人と言ってき た俺が頷くと彼女はとんでももないことを 口にし たやっぱりパパが言ってた高卒無能社員 じゃんそのほがブザだってパパが言ってる のよ ねそう言って彼女は笑い 出す俺には鼻の下と頬に大きなほがいくつ かあり彼女はそのことを言っているの だろう面接感をしているのは俺と相澤の 2人 だ俺たちは眉を しかめるしかし俺たちの様子に気づかない のか彼女はケラケラと笑いながら足まで 組みだし た相澤は耐えられなかったよう で何なんだその態度はと言うが彼女は同じ ないあなた役職はパパの部下じゃないの私 にそんな口聞いて大丈夫 あ私のパパ人事部の部長だから [音楽] ね高卒無能社員という時点で大体想像は ついていたけど案の定部長の田中の娘だっ た田中は有名大学出身で俺みたいな工学歴 がいる会社じゃないよ なとよく言って いるじゃあ他に転職すればいいじゃないか と言ったこともある けど俺がここにいることに感謝しろ よと的外れな回答をしてくるようなやだ俺 はあまり好きじゃないが同機入社だしそれ なりにやってい た田中はとにかく学歴マウントを取るのが 好きで俺が高卒だと知ると断るごとに高卒 のくせにと言ってくる娘もく同じ だ私高卒に面接されたら日神で落とされ そうだけどまあその辺もパパに言っておく わそう言って笑うので俺はさすがにまとも に面接をする気がなくなっ たその態度で面接に受かると思ってます か俺はなるべく冷静に言ったが娘は巨とし た顔でこちらを見る だってパパは人事部の部長よあなたたち より権限がある でしょ彼女は本気でそう思っているよう だ俺は思わず俺時期社長だけどと言って しまう隣で相澤が慌てたように俺を止め た娘は一瞬の後また笑い 出すやだ 面接でそんな冗談言う人初めて見たあなた がそんなこと言ってたってパパにも言って おく わ俺がため息をつくと相澤が娘 にあなたの面接はこれで終わりですと言っ て体質を 促す笑いながら出ていくところを見るとこ で入社できると思っているの だろう面接が終わると相澤が俺に謝ってき た彼のせいだなんて少しも思っていない もちろん田中の娘には不採用の通知を出す と相澤が言っ たそれから数日後俺は田中からわざわざ 会社の外の喫茶店に呼び出され た娘の面接のことだろうと思って喫茶店に 入ると田中と一緒に娘がいる しかも後から合沢も入ってき た娘は足を組んでアイスコーヒーの ストローをくるくると回しつまらなそうに して いる田中 がこの間の娘の面接の件だ がと切り出し た不採用の通知が来たそうだ何かの間違い だろうと思って採用者のリストを見ても娘 の名前がないだから私がリストに追加して おいたが不採用なんていう間違いをした君 たちに娘が直接謝ってほしいと言うから来 てもらっ た俺はこの時点で疑問布で頭がいっぱいに なっ たうちの娘が不採用とは何事かというだけ かと思ったがそうではないよう だ田中は勝手に娘を採用者のリストに追加 し間違えて不合格通知を送ってしまいまし たすみませんという謝罪を俺たちに要求し ているということかなんてむちゃくちゃな 親子だ俺はため息をつい て娘さんの不採用は間違いじゃないそれは 本人が一番よく分かっているんじゃないの かと いう田中はなんだとと声をあげた 服装もふさわしいものではなかったし 何より面接態度が良くなかった面接官で ある俺のことも馬鹿にしてきたし田中が 面接官でもそんな子は採用しない だろそう言うと田中は言葉に つまるすると娘が口を挟ん だうわあ今時そんなこと言う人いるのおっ さんの考えじゃちゃん私みたいな美人が おしゃれして何が悪い のその言い草には怒りを通り越して呆れて しまう相澤は眉間にシを寄せて何かを 言いかけたが俺はそれを止め た田中は相澤にとって直属の上司だし相澤 が反論するのは特撮ではないと思ったの だ俺は相沢の代わりに反論し たTPOって分かりますか時と場所を湧き まることです普段はともあれ面接の場に 向くかどうかですそれも分からないような 人を採用したらどうなると思います か俺はなるべく冷静に話しているしかし娘 は何言ってるんだと言わんばかりに法を つきながら俺を見てきた 君は自分の父親が人事部の部長なのをいい ことに真面目に面接を受けることすらし なかったそもそもきちんと面接をする気が ないのなら直接父親にこ入社を頼めば よかったんじゃないのどうしてわざわざ 面接 に俺は最初から気になっていたことを聞い てみ た ああそれははサプライズってやつパパは 事前に履歴書なんて見ないって言ってたし 私がいきなり来たらびっくりするでしょ それに面接官は何人かいるって話を聞いて たから私みたいな美人な娘がいるって披露 できるしパパだって鼻が高いでしょまあ パパが体調不良でサプライズできなかった けどそれなら内定の通知で驚かそうと思っ たの よ娘は笑いながら うつまり田中は娘が面接を受けることを 知らなかった娘は内定通知書が届いたら 田中を驚かせようと思っていたけど届いた のは不採用の通知だっ たそれで田中に泣きつきこうして俺たちに 謝罪させようとしたってこと か俺は田中に 向き直る自分の娘の面接での態度知ってる の かそう言うと田中は笑っ たはあどんな態度だってうちの娘が落ちる わけないだろうお前みたいな高卒とは違う んだ よ親子揃ってこんな考えだなんて呆れる しか ないしかし黙っていた相澤が我慢できなく なったようで声をあげ た田中さんこすさんに何言ってるんですか そんなこと言うなんて失礼すぎますそれに 幸介さんは高卒じゃないです海外の大学を 出てるんです よ相澤は興奮しているよう だ田中は鳩が豆鉄砲を食ったような顔を するさらに相澤は続け た時期社長にそんなこと言うなんて覚悟は きてるんですよ ねそう言うと田中が軽減そうな顔を する は今度は娘が口を開い [音楽] たさあさあ面接でもそんなこと言ってた この人面接で言ってた冗談を間に受けてる んじゃないの 受ける相澤は怒りをあわにするが俺は一旦 落ち着かせようと間に 入る相澤が言っていることは間違いない よすると田中と娘の視線が俺に集中し た俺は日本で高校を卒業したけど学びたい ことがあって父親に頼んで留学したんだ それで海外の大学を出て日本に戻ってき たそれからは父親の会社に入して平社員と して働いてい た俺に社長が務まるかどうか父親が判断 するって言ってたから だ数年前に俺が部署を移動したのは父親の 補佐をするためでもあるいずれ社長を継ぐ ための修行中ってわけ だ俺が一気にそう話すと田中は大きな声を あげ たはあどういうこと だ俺はため息を つくだから社長は俺の 父親まあうちの苗字はありきたりだしそれ だけじゃ気づかないかも な田中は慌てだし たう嘘をつくな今までそんなそぶり そこまで行って田中は言葉につまる やら今までのことを振り返っているよう だそういえば社長はお前を名前で呼んでい たし妙に親しそうだったがそれはお前が 高卒でかわいそうだから気にかけているん だ と俺は笑っ たとんだ勘違いだなまあ俺のことを高卒だ と思い込んでたんだから仕方ないか と田中親子に怒っていた相澤がなぜか俺の 態度にも起って くるこすさん笑い事じゃないですよあなた がそんなだからなめられるんじゃないです か海外の大学を出ているって訂正しておけ ばこんな事態にはならなかったんです よ相澤は妙に真面目なところがあり昔から こういうところは変わらない 悪い悪いでも学歴ってわざわざ人に ひけらかすようなもんじゃないだろうそれ によれ学歴で判断する人って嫌いだし さ顔をあげると田中は青い顔をしてかかに 震えて いるどうして相澤はそんなことを知ってる ん だ俺は笑って返した 周りに気を使われるのが嫌で車内では言っ てないからなまあ相澤は信用できる部下だ し飲みに行った時にたまたまそんな話に なったんだよそれを知った後でも田中 みたいに態度を変えなかったし公害する こともなかった よ今まで怒っていた相澤は信用できると いう言葉が響いたのか何やら嬉しそうにし て大人しくなった 気がつけば謝罪を要求していたはずの娘も 気をつけの姿勢で話を聞いて いるそしてようやく口を開い たああの私の採用 ってそう言った途端相澤が素早く切り返し ただからふさよ面接であんな態度取って おいて覆るない でしょすると娘は慌て 始める え困る困ります私他の就職先なんて考えて ないしパパの力で入社できると思ってた から何も準備してないんです周りはもう 内定決まり始めてるし困るん です田中は青ざめたまま声が出ないようだ 俺は娘にはっきりと言っ た困るって言われてもどうにもならないよ 君がしっかり面接を受けていたら良かった だけの 話自分がやってしまったことの責任は自分 で取るんだ な娘は明らかにショックを受けた顔で目を 伏せるその娘の様子を見た田中はようやく 我に帰ったのか俺にすがりつい たなんとかしてくれ今までのことは謝る から娘には俺がちゃんと教育し直すだから 頼む俺と相澤は顔を見合わせてため息を つく人のこと高卒無能社員とかバカにする ような人間が教育し直すだっって謝って 住む問題かよ 俺が言うと相澤も続い たそうですよ田中さんってもう少しまとも な人かと思ってました上司がこんな人だっ たなんて部下としてショックです ね田中は絶し娘は目を伏せたまましぼれて いる俺への暴言はさておき田中は相澤に 面接を任せたんだろうその結果を黙って 変更した件については社長へも報告させて もらう今後の身体についても話をしないと いけないかもしれない な俺はそう言って席を立つすると娘が立ち はかっ たお願いします何でもしますからこのまま じゃ周りの友達に馬鹿にされ ちゃう俺は呆れながらも もう一度面接があるそれを受けてみたら どうだ受かるかどうかは君次第だけどもと 言い相澤と一緒に店を 出る俺は今回の件を父に報告し田中は別の 部署に移り攻殻処分が決まっ た部長には相澤が昇進し一見落着かと思い きや後日面には本当に田中の娘がたそう だこの間よりはマシになっていましたけど 言葉遣いは悪いしまと外れな返答ばかりで とても採用できるレベルじゃありません でし [音楽] た相澤が面接を担当したらしく俺のところ に報告に来 たまあこれで本人も納得できるんじゃない か俺がそう言うと相澤も頷く すると相澤は思い出したように1人の履歴 書を見せてき たそうそうこの子将来性があっていいと 思ったんですよこすさんも気に入りそうな 子でこの子は採用の予定 ですその履歴書を見た俺は思わぬ展開に 驚くそれからしばらくして家に帰った俺を 長男が待ち構えていた これ見 て俺に渡されれたのはうちの会社の内定 通知書 だあの時相澤が見せてきた履歴書は息子の ものだっ たうちの苗字はありきたりだから分から なくても 仕方ない俺の資料もあるはずだが住所を見 ても気づかなかったの だろうでもそれは何何のフィルターもかけ ずに息子のをしてくれたということ だうちの会社受けてたんだ なそう言うと息子は嬉しそうに言っ たやっぱりじいちゃんと父さんのこと尊敬 してるし同じ会社で働いてみたかったんだ 父さんに言うとコで入れてくれそうだった から内緒にしてたでももしかして履歴書で バレてたか な俺はそんなことないと思うぞと笑っ た新年度息子はなんと田中と同じ部署に 配属されたが田中は俺の息子とは気づか なかったよう だ田中は平社員に攻殻したことでプライド が傷ついたのか仕事も適当になりミスを 繰り返して周りの目も厳しくなっ た娘の噂も広まっていたのでづくなったの かしばらくして 退職その後町で見かけた田中は覇気がなく 服装もみすぼらしくなってい た申し訳なかっ たとぼそりと言い退職したことで奥さんが 出ていったと 話す田中も娘もアルバイトすら見つからず 安アパートに引っ越し貯金を切り崩して 生活しているそうだ 自分のしたことの責任はきちんと自分で 取ればいいと 思う俺は息子が一生懸命働く姿を見ながら 時期社長として頑張っている父も孫が突然 入社してきて驚いたようだが嬉しそうに 笑ってい た金も学歴も共用もないババはどんな演奏 するのか 皆さんに聞いてもらいましょうよ嫌み たっぷりにアナが囁くいいわよく聞き なさい私は小さく息をつき鍵盤に指を乗せ た私の名前はえみ子65歳若い時からある 中小企業に務め事務職一筋で頑張ってきた 長らく正社員だったが今は年齢もあって パート雇用に変更している 夫もまだ働いているし息子も成人して自立 しているから働き続けるのに問題はない しかし私は心のどこかでそろそろもっと 違う人生を考えてもいいのかなと思い始め ていたもちろん今の仕事も楽しいけどね そんな時アイナという女性が入社してきた アイナは派手な巻髪の若い女性有名な温大 卒でしかもこの会社の社長令嬢だそうだ 社長はエコひきしなくていいからと笑って 紹介していたが社員たちはみんなざわつい ている御題卒なのになんでうちにという人 もいるけれどきっと色々と事情があるの だろうこの時の私はどこか人言でそんな風 に考えていたしかしこのアイナが私の平穏 なパートの時間をめちゃくちゃにすること になる ある日私がお手洗いからデスクに戻ろうと するとしんと静まり返っている廊下から かかに妙な音がすると気がついた何かしら 耳を済ませて音の発生限をたどると階段の 裏のわずかなスペースで派手な巻髪を 垂らした女性が何やらこそこそとしている 髪型からすぐにアだと分かった私は声を かけ たさんはうの背を向けていたアイナの体が びくりと跳ねる同時にああっと大声をあげ ものすごい勢いで私に食ってかかった ちょっと変なタイミングで話しかけるから 全滅しちゃったじゃないはあまりの剣幕に ポカンとするとアイナがスマホを 突きつける画面にはゲームオーバーと表示 されていたえ業務間にスマホのゲームして たの目を白黒させている間にアイナは何か ギャーギャーはめえているえっとつまり サボっていたのよねそれは良くないわ教育 担当も探していたし早く戻ったら私が言う とアイナは子供のようにむれたいいのよ あいつ雑用ばっか押しつけてくるから嫌い だしそんなことよりこのボス戦のために どんだけってたと思ってんのあとちょっと だったのにアイナのデスクは私のデスクと も近いので教育担当の男性とのやり取りを よく目にする雑用ばかりと彼女は言うが 実際のところ簡単な書類作成さえままなら ないので初歩的な仕事から丁寧に教えて いるというのが現状だそのせいでどんな 仕事に向いているのかも分からず教育方針 も定まらないと教育担当がよく愚痴を こぼしていたアイナの怒鳴り声が大きすぎ たせいかオフィスから社員の何人かが顔を 覗かせる教育担当もやってきてアイナに 注意する大きな騒ぎになったせいもあって この一件は社長の耳にも入りアイナは さすがに社長から叱られてしまったらしい そして私はアイナに目をつけられた教育 担当が私に変更全人の担当が申し訳なさ そうに私に告げてきたのはアイナの階段裏 さぼり事件から3日後のこと本人たっての 希望でしてちらりと見るとアイナが ニヤニヤしながら私を見ていたこの時点で 嫌な予感はしていたが疲れきった教育担当 の表情を見ると両親が痛んで断る気になれ ず結局引き受けることにそれからは地獄の ような毎日だ覚えるが一切ない業務態度に 目を離せばすぐにサボってスマホゲーム 注意すれば2倍3倍の量の減り屈と暴言が 返ってくる書類作成を教えようとパソコン を触らせても鍵盤しか叩いたことないから 無理とキーボードを押しのけたのには本当 に驚いた繰り返し教えても忘れた勘違いし たと言ってミスを連発しうんざりして しまう私にふさわしい仕事を持ってこない えみこさんが悪いのよこんな雑用外注すれ ばいいのにコピーを取りながらアイナが 文句を言う何よコピー取りの外注って何で もかんでも外注にしていたらお金がすごく かかりそうお金に無頓着なんだろうが発想 が理解できないいやお金以外も理解でき ないけど実際身につけてるものは高級品だ し私や他の社員にも雑談でよく金持ち自慢 をしている興味ないどころか迷惑なようで 周囲は軽くっているけど今更ではあるが 社長は何を考えて娘を会社に入れたの だろう日々たまるストレスで悩んでいた私 は社長に面会してアイナの業務態度や暴言 について色々と報告した私だけなら ともかく他の社員にも影響が大きい強く 注意してくれないなら教育担当をやめたい とも告げる社長は申し訳なさそうに謝って くれたがそこをなんとか頑張ってほしいと 言われてしまうしかも黙って聞いていれば 娘を庇うような言葉ばかりで私は呆れて しまった社長はまともな人だと思っていた のに相手が娘となると話が違ってくる らしい近々社員旅行もあるだろう親睦が 深まればまた違ってくると思うんだ社長の 言葉を思い出しながら私はため息をつく 親睦なんて深まる気がしないわそんなこと を考えていると珍しくアイナが自分から 話しかけてきた最初はたいのない内容が私 の年齢や学歴にまで話は移りは大げさに声 を あげるさん65歳なんてプライドないん ですね普通の大学しか出てないから共用も なさそうだしああなりふりかってられな いってやつですか私と違って超貧乏です もんね気がつかなくってすみませんまた 始まったわアイナは勝手に納得して頷いて いる私はあえて穏やかに微笑んだお金持ち のアイナさんだって今この会社で働いて いるじゃないそれに教養は学歴のみで 測れるものじゃないわよ実際温大卒は すごいと思うけどあなた自身には教を全く 感じないものアイナは一瞬ポカンとして それから顔を真っ赤にした周囲から クスクスと笑い声が聞こえてさらに眉が 釣り上がる乱暴に立ち上がるとそのまま出 ていってしまったやれやれと私は息をつく 悪いけど伊に年は重ねないのあなたの 嫌がらせぐらいでへこたれる私じゃないわ 私は密かにつぶやき仕事を再開したそれ から日々は過ぎ私は社員旅行に参加してい た目的地の旅館は今日の社員旅行のために 貸し切り状態になっているそうだえみこ さんお久しぶり隣いいかしら旅行バスに 乗り込むと社長夫人のまみさんが声をかけ てくれたまみさんは社長婦人でありながら 非常勤の役員だ前は時々会社で顔を合わせ ていたのだがアイナが入社してからは会っ ていなかったもちろんお久しぶりですねお 元気でしたか夫が何も問題ないっていう ものだから最近はあまり会社に顔を出して いなかったのよところでアイナは真面目に やってるのかしらまみさんは会社での アイナの様子を全く知らないようだと 分かり私は言葉に困った そうですね元気にされてますよ私の返答に 感じるものがあったのかまみさんが苦笑 するあなたが教育担当になったとは夫から 聞いてはいたんだけどきっと苦労している んでしょうね何かあればビシビシ言って ちょうだい必要なら夫に直接いて構わない からもう言っててこれなのよとはさすがに 言えなかった私はありがとうございますと と微笑んだ夜は宴会用の広い座敷で社員 みんなで夕食をいただいた食事の後は渾身 海にそのまま移るとのことで私は部屋に 戻ろうと立ち上がるちょっとその時アイナ に呼び止められた酔っているのか顔が赤い 渾身会は自由参加でしょうもう休みたい人 は部屋に戻っていいはずなのに何のようだ と言うのだろういいから アイナはにんまり笑うと座敷に隣接した 男性に向かって私の手を引いた余興や スピーチができそうな男性に立派なピアノ が置かれているアイナは大きな声で周りの 社員たちに呼びかけた有名御題卒の私が皆 さんにピアノを披露しますよ前座でえみこ さんが演奏しますので皆さん楽しんで くださいちょえ唐突な発言に私が驚くと 周囲はいいねと完成をあげる社長夫婦も 期待に満ちた表情だみんな期待してますよ できないなんて言いませんよね戸惑って いるとアイナがニヤニヤと意地の悪い笑を 浮かべた金も学歴も共用もないババーは どんな演奏するのかしら皆さんに聞いて もらいましょうよ嫌味たっぷりにアイナが 私に囁くなるほどね私に恥を描かせてやろ うってわけ私が6にピアノも引けない だろうと高をくってるのね私はこの数ヶ月 彼女の嫌みにも嫌がらせにも耐えてきたし 社長の娘だからと容赦はしなかった毎日 心々共にヘトヘトだったけど最近は しぶしぶでも仕事を覚え始めてかかに嬉し さを感じていた ずっと密接に関わったせいで親心のような ものが芽ばえ始めていたのかもだけど耳元 で囁かれた悪意に親心に似た気持ちは気の せいだったと目が覚めた今まで受けた ひどい悪態や暴言が鮮明に私の中で再生さ れていくいいわよく聞きなさい私は小さく 息をつき鍵盤に指を乗せた引くなら やっぱりクラシックよねどうせ引くなら お気に入りよと私は指を滑らせるそこから は曲に集中していてよく覚えていない引き 終わった時には心地よい達成感と周囲の 拍手が私を包み込んだ久しぶりだったけど 体が覚えていてくれて助かったわ誕生から 降りて私が微笑むと社員の1人がいや久し ぶりにえみこさんのピアノが聞けて嬉しい よ前に会社のイベントで引いてくれた以来 かなと言ってくれたアイナに目を向けると 真っ青になっているありえないなんでと ブツブツ呟いている実はピアノが引けるん ですと驚かせるつもりになっていたのは 事実だけどこんなに驚くとは思わなかった 信じられないと言った様子のアイナに私は 説明する子供の頃からピアノが好きで ずっと練習していたっていうのもあるけど 私のがイタリアンの小さなレストランを やっていてねそこに私のピアノが置いて あるの毎日ではなかったけれど時々お客様 のリクエストに答えて演奏していたわ私の 言葉に周囲が通りでと頷いている確か若い 時にいくつもコンクールに出ていたのよね とまみさんが言う若い娘の時のことだし 優勝するほどじゃんと私は苦したじゃは 終わったしどうぞ え私が一層進めるとアイナは頬を引きつら せるリオアイナの声はか細くて聞き取り にくい私が聞き返すとアイナは私を睨んで 声を荒げた無理って言ってるのよ何それ 意味わかんないどうせ6に引けないと思っ てたのに最悪な演奏の後なら私の演奏が 際立つと思ったのそれなのに何なのあんな すごく心に染みるような演奏を聞かされて その後に引けたなんて嫌がらせよ卒業して から全然引いてないのに褒められているの かけなされれているのかとにかくアイナは 私の演奏に叶わないと思ったのだろう私が 呆れ周囲が引いているのもお構いなしに アイナは社長にかけり私を指さすパパなん であのババを首にしないのよ今もすごく恥 を欠かされたんだから私前からずっと言っ てたよね口うるさくて大嫌いだってそんな 話をしていたのかと私は肩をすめる 嫌がらせがしたいだけじゃなく最終的に私 を会社から追い出すのが目的だったようだ 私と周囲の冷たい視線に慌てた社長がいい 加減にしないかと愛花をしるなんでよは ただ適当に過ごしてればいいってパパが 言ったのよこんなの約束と違うなんですっ て娘の発言にまみさんの目つきが鋭くなっ たバスの中でも感じたのだがまみさんは アイナの会社での態度を一切知らなかった ようだイなあなたが真面目にやるって約束 したからお父さんが会社に入れてくれたの よあなたのことだからさぞ好き放題してい たんでしょうこんなことなら様子を見に 行くべきだったわいい機会だから皆さんに 謝りなさいまみさんは容赦なくアイナを 叱りつけるアイナは母親には頭が上がら ないのか震えながら唇を噛みしめていた しかしお前アイナは自分なりに頑張ってい たし社長が弱々しくアイナをかおうとする が周囲の社員たちからアイナの普段の態度 が最悪だとか社長は娘を甘かしすぎだと 不満の声が飛ぶまみさんは社員の不満を 把握し頭痛に耐えるように額をさえ社長を 横目で睨んだあなたは昔からアイナに甘 すぎるのよそれなのにあなたたちの言葉を 間に受けた私がバカだったわでもアイナが こんな風に育ったのは私にも責任があり ますそしてまみさんは私たちに深く頭を 下げるアイナが会社で皆さんにどんな態度 をしていたかよくわかりました皆さんご 迷惑をおかけして本当に申し訳ありません おいお前が頭を下げる必要なんて私は社長 の言葉を遮るように口を挟んだ私も教育 担当として毎日とても辛かったのですが 前任者さんも本当に辛そうでしたアイナ さんに振り回される分自分の仕事にも追わ れてそのうち倒れるんじゃないかって周囲 も心配していたくらいです私がアイナさん について社長に相談した時も言いましたよ ね迷惑は教育担当だけじゃなく他の社員の 仕事の効率にも影響が出てるって適当な こと言わないでとアイナが叫び私は首を横 に振るいいえ適当じゃありませんあなたが 業務中にさっていた証拠も私や他の社員に ひどい暴言を浴びせていた証拠もたくさん ますよお父さんが社長なら敵なしと思った んでしょうけどあまり人をなめないことね 周囲もうんうんと頷く実を言うと普段から サボっている姿や暴言を吐いている様子を 私の周りの社員さんたちが写真や動画に 納めるなどして証拠を集めてくれていたの だ社員旅行が終わったらみんなで訴しよう と話していたところだったなんなのよ音楽 関係の就職はできないババーは仕事しろっ てうるさいパパは役立たずだし蜂も欠かさ れてもう意味わかんないわ後からまみさん に聞いたのだがアイナはいつも演奏に心が 入っていないと問題の教授から指摘され 音楽関係に就職しようにも傲慢な性格を 見透かされて軒並み失敗していたんだとか 会社は仕事をする場所ですよ私が鋭い口調 で当たり前のことを言うとアナは周囲を ぐるりと見渡す失望した目の母親に 情けなくうれている父親迷惑だと表情で 語る社員たちそして彼女自身が1番馬鹿に していた私の真っすぐな目にアイナは何な のよとたいだ自分の味方が誰もいないと 今更ながら悟ったのだろう強気だった アイナの表情から力が抜けていくのが 分かった少しの沈黙の後すみませんでした か細い声で私たちに向かって頭を下げた 私たちの誰かが何かを言うよりも先に アイナはそのまま駆け足で自分の部屋に 戻っていくそして社員旅行最終日まで部屋 に閉じこもって出てこなかったアイナは 社員旅行が終わってすぐに自主退職私と 全人の教育担当は社長夫婦から迷惑料とし ていくらか包んでもらった一緒にまみさん からの手紙も添えられており中を見ると 謝罪の言葉が綴られているアイナをこれ からしっかりしつけ直すとも彼女はまだ 若いのでこれから次第かもしれないがまず 第1に歪んだ人間性をたすべきだろう今の ままではバイトも危ういだろうから私も 社員旅行後すぐに長年務めた会社を あっさりやめた社長は私を引き止めたけど まみさんが黙らせてくれた今は夫の店を 手伝っている旅館で久しぶりにピアノに 触れ私の中で眠っていたピアノへの熱意の ようなものが目覚めたのかもしれない夫と 後継の息子と一緒に働き時々お客様の リクエストでピアノを弾きながら事務職と はまた違った楽しい毎日を送っている [音楽]

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感動たいりくではスカッとする話を朗読形式でお届けしています。
スカッとする短編のいい話や因果応報なお話をまとめていきます。
本動画は実際の話を元に創作したオリジナルストーリーです。
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