​​【感動する話】医者の道を諦めた理由を知らずに俺を振った元カノと高級ホテルで再会「負け犬さん、元気?w」→直後、ホテルマン「お医者さんはいませんか!」俺「はい!」元カノ「え?」【総集編】

あら負け犬さん心当たりのない俺はその まま歩き出しましたするとほらそこの 負け犬あなたのこと よなんとなく声が自分に向いてるような気 がして辺りを見渡してみるとそこには 元カノの綾乃の姿があったのです負け犬 さん元気そういうは結婚式に参加していて たまたま俺を見つけたとのことでしたなん だよ急に失礼じゃないかだって事実でしょ 俺は明日仕事だから帰るじゃあそう言って その場を立ち去ろうとした時急にバタっと いう音と共に女性の叫び声が響き渡りまし たお医者さんはいませんか一体何が起こっ たのか全くりませんでしたが俺はお医者 さんという言葉にとっさに反応してはいと 走り出していたのですえと信じられないと いうような表情の綾の横目に俺は急病人の 元へ駆け寄りましたそこには呼吸が荒く今 にも意識がなくなりそうな男性が倒れてい たのです一瞬戦場のようになった会場でし たがとっに医者として動けた自分に俺は 驚きました俺の名前は佐優太医者になって 10年目の40歳です俺は都内のいわゆる 高級住宅地と言われる場所で教員の両親の 元に1りっことして生まれました学校の 先生が親だと聞くと成績や宿題について 口うるさく言われるのだろうという イメージを持っている人も多いと思います しかし俺の両親は法人主義やらずに後悔 するのは自分やるかやらないかは自分で 決めなさいと言われて育ちました特に父親 は登山が趣味で高校の登山部の顧問もして いましたので週末や長期の休みがあると 家庭はそっちの気で山に登ってしまう とても自由本法な人でした意を目指したの は5歳の頃ですたまたま近所の公園で遊ん でいると1人で壁当てをしているお兄さん がいました数日前にWBCをテレビで感染 していた俺はちょうどキャッチボールがし たいと思ってたため一目さんにお兄さんに 駆け寄りました一緒にやるかこうやって 投げるんだ上手だぞ次は俺が投げるから 取ってみろそう優しく教えてくれた お兄さんは10個年上のという名前でした 秋君の夢は野球選手当時5歳の俺は野球を 練習しているイコール野球選手になりたい という単純な思考回路でそんな質問をし ました俺は野球選手にはならないよ親から は本当は野球はやるなって言われてるえ なんで俺の実家病院なんだだから手腕を 怪我して将来障害が残ったら一社になれ ないだろ俺も一応一社になりたいからさ今 は受験勉強の息抜きってわけまあ5歳の お前に言ってもわかんないか分かるよお 医者さんってすごいよ ね本当に分かってるのかよまたキャッチ ボールしたくなったらここに来いよなあき 君はそう言って家に帰って行きました俺は 公園からの帰り道母に将来かっこいいお 医者さんになりたいそう言ったそうです 自分では覚えていませんが両親曰く車に なりたいヒーローになりたいそんなこと ばかり言っていた俺が急にかっこいい医者 になりたいと言い出したので今でも我が家 の懐かしいエピソードとしてたまに話題に 出ることがあります 君とは月に何回か公園で会い野球の相手を してもらっていました冬のある日俺は幼稚 園で流行っていた風を見事にもらい母に 隣町の内科に連れて行ってもらいました風 が大流行し俺のかかりだった内科が何十人 も並んでいたそうなのですすでに医者に なりたいと思っていた俺は初めて行く隣町 の病院に興味津々でした受付を済ませ ソファーに座りながら外を眺めていると学 姿の秋君が自転車に乗ってこっちへやって きたのです俺はまず手を大きく振りました すると秋君はびっくりした表情をしてい ましたがそのままその時は会話をすること もなく診察をえ帰宅しましたよ はくなったのか風が治った俺は秋君を 待ち伏せするために公園に来ていました もうすっかり大丈夫あ君のお父さんの おかげだよすごいだろ俺の親父俺も医学部 に強い高校へ入学が決まったからもう少し 頑張ったら一社になれるんだぜあき君も すごいなかっこいいよゆも一緒になりたい んだろが大きくなったら一緒に働こうぜ秋 君の言葉に俺は大きく頷きましたそして その後秋君は見事国家試験に合格し医者に なりました研修でお世話になった大学病院 で経験を積んで将来実家の内科を継ぐそう です俺は高校1年生になり父の進めで山岳 部に入りましたそれまでは特に山に興味が あったわけではないのですが中学3年生で 初めて登山をした時に見た頂上からの景色 に鳥子になったのです俺はすぐに登山部に 入部を決めました登山部の活動は週末に 限定されていてまた季節や天候によって かなり左右されることから1ヶ月に1度も 山に登れないということもありました平日 の放課後は走り込みや筋トレを行います 階段を何往復もするというハードな トレーニングでしたので根性はかなり鍛え られたと思い ますそんな高校生活を3年も送りましたの でもちろん医学部受験専用の塾には行って いましたが合格することができず一動する ことになるのです老人時代の俺は塾の前で ある女性に声をかけられまし毎日この塾 から出てくるけど受験生あいや俺は老人生 でそうなんだ私もこの塾通ってるの看護 学校受けたくて勉強中そうなんだじゃあ俺 帰るねうんまた明日 医学部老人生の俺は普段女性と話をする 機会なんてありません動揺を隠せずに俺は すぐにそのを離れてしまいました黒く長い 髪をポニーテールに結んだ元気溢れる女性 は綾野と言い学年は俺の1つ下でしたその 日から綾乃は毎日俺に話しかけてくれまし た初めて会った時は緊張からたたしかった 俺もいつの間にか綾乃には何でも話せる ようになっていましたなんで一緒になろう と思ったの公園で仲してくれたお兄さんが 医者を目指してたからかな何よそれすごく 曖昧そんな同機でよく老人までして医学部 入ろうとしてるわねああそうだよ笑っ ちゃうよなでも1年老人分の宿代親に払っ てもらっちゃったから合格して医者になる しかないんだよふそうなんだ私が看護師に なったらと一緒の病院で働きたいなそれ から1ヶ月ほど話していくうちに綾乃の 両親が医療関係者であることを知りました 当時老人生だった俺は塾には知り合いはい ません高校の友人はみんな大学に通ってい ましたので俺が唯一気を許せて話ができる 相手が綾乃でした勉強に行き詰まっては コンビニの前でアイスを買って食べたり 綾乃の試験間近になるとファミレスで勉強 を教えたりもしましたそんな関係を半年 ほど続けていたある日の午後俺は急に綾乃 に呼び出されたのですなんだよこんな時間 に今日は塾に行ってなかったのか今日は 看護学校の合格発表でしょあ忘れてたどう だったもちろん合格よ優太君が勉強教えて くれた影 ありがとう綾乃はそう言って俺に飛びつい てきました俺の今までの人生人とハグをし たことなんて1度もありません俺はとっさ にその場で固まることしかできませんでし た何よゆうた君びっくりしすぎじゃないあ いやそんなことないよとりあえずお めでとう俺は一生懸命平然を予想いました それで私から話があるんだけど優太君私と 付き合ってくれない急な綾乃の一言に俺は 心臓が飛び出るかと思いましたですがいつ からか綾乃に片思いをしていた俺は嬉しさ と驚きで混乱する中俺でよければお願いし ますとふれながらに答えたのでした老人中 に何をしてるんだと藤夜に団に入りながら 考えたりもしましたが勉強はおろかにし ないと自分で決め交際が始まりましたその 年俺も無事医学部に合格し春からは晴れて 偉大生になりました両親と秋君にも報告し 俺は入学までのわずかな期間を綾乃と デートをしたりして過ごしました自分も 十分若者ですが今までの俺は流行にとても 疎かったので綾乃とのデートはとても新鮮 で毎日楽しかったですまた綾乃はよく俺を 友達に紹介してくれました彼氏の優太君 将来はお医者さんだよ私の彼氏将来有望な んだそんな紹介に俺は毎度恐縮しながらも その場の空気を壊すまと笑って過ごしてい ましたある日俺は綾乃に言ったのですまだ 偉大に受かっただけだから医者だって紹介 するのはやめてくれないかなえなんで別に いいじゃない言葉に出してた方が叶いやす いって言しまあそうかもしれないけど医者 だ医者だと言われることをあまり感じよく 思っていなかったのですが特に深く考えて いない綾乃の反応に俺は適当にスルーすれ ばいいかそう決めていました医学部での 勉強は噂に聞いていた通り大変でした しかし半年も過ぎると授業後綾乃にあっ たり友人とカラオケに行くなんていう時間 がだんだんと取れるようになっていました そして俺は大学2年の夏友人と一緒に南米 を訪れました世界遺産や遺跡を見て回って いく中で俺はある頭蓋骨に目を奪われまし たこんな昔の頭蓋骨にも手術跡がある秋君 の影響で俺はなんとなく内科になろうと 思っていましたがその頭蓋骨を見てふと脳 神経外科に進みたいと思ったのですそれ から2年間は脳神経外科になれるよう自分 でも参考書などを読み漁りましたその頃秋 君はすでに実家の内科を継いでいました ある日の朝俺がローカル氏を読んでいると あるニュースが飛び込んできました医療 ミスで患者がなくなったというものでした 記事を読み進めるとなんとその病院は秋君 が主人を務める内科で起きたものでした 慌てて秋君の病院へ向かうとそこには すでに大量のコがおり君が出てくるのを 待っているというような状態でした俺は秋 君にメールをしました大丈夫今病院の前に いるんだけどすごい人で秋君は家にいる のその日秋君から返事は来ませんでした急 なことで綾乃とのデートもすっかり忘れて おりましたが事情を話しリスしてもらい ましたそれからが何日も連絡のつかない秋 君を心配しているとある日のニュースで 裁判沙汰になっていると知りました秋君の 病院は兵員に追い込まれ噂によると数千万 NHの慰謝料を払うことになったそう です俺秋君に憧れて偉大4年生になったよ またあの公園でキャッチボールしない大人 になって思い返してみるとこんな デリカシーのないメッセージよく遅れたな と思ってしまいますがあき君のために何か できないかと当時の俺は一生懸命でした あき君のことで頭がいっぱいで日に日に 綾乃とは距離を置くようになっていました 優太君最近付き合い悪くないあっても ずっと上の空だし綾乃のこと嫌いになった あごめん 嫌いにはなってないんだけど他に大事な こと考えてるっていうか ふうんそっかでも綾乃は優太君と結婚する んだから留年しないように勉強頑張ってね なんかすごいことを言われたような気がし ましたがうんとだけ返事をしてその日は 解散になりまし たそれから数日後秋君は自ら命を立ちまし た母から急に電話がかかってきて知ったの です皮肉にも新聞記事になり破い車だった という変な噂が流れ始めまし たどうしても秋君に会いたいそう思った俺 は秋君の実家の病院に向かい扉をどんどん と叩きましたすると俺の顔を知ってくれて いた秋君のお母さんが出てきて俺に先行を をあげさせてくれたのです秋から優太君と いうお友達がいること優太君が秋と同じお 医者さんになりたいと言っていること高校 生の頃からよく聞かされていましたあと 仲良くしてくれて ありがとうあき君のお母さんはそう言い俺 に頭を下げ涙しまし たあ君は俺と公園であった時成績が 伸び悩み医学部への道を諦めようとしてい たそうなの ですそんな時に俺と出会い一緒に医者に なろうと言いながらあ君も一生懸命勉強を 頑張っていたのだと聞きました俺は てっきり秋君は優秀だと思っていましたが 影でそんな努力をしていたなんてそんな時 でも俺の野球の相手をしてくれていた なんて そう思ったら目頭が地引と熱くなりまし た俺も一緒になりたいという夢を持った 人間ですたくさんの命を救いたいとばかり 思っていましたが初めて医者になることへ のリスクについて考えさせられました医療 ミスや医療事故患者さんの人生を180° 変えてしまうことになる医者という仕事に 対して初めてネガティブな感情が湧きまし た大学4年生の秋もうすぐ実習が始まると いう頃に俺はスマホの不具合で携帯 ショップへ来ていました自分ではどうにも ならなかったバグのようなものが起きてい て俺はスマホを買い換えることになりまし た面倒なことになったなと思いつつ家に 帰りアプリを復元していると 半年以上使っていなかったメッセージ アプリに未読があったの です迷惑メールか何かかと思って開いて みると送信者は秋君でしたその内容に俺は 手が震え涙が止まりませんでしたなぜ メッセージに気がつかなかったのか秋君を 助けることができたかもしれないどう しようもない感情に気がおかしくなりそう でし たそして俺は大学を1年休学することにし たのです優太君休学するってどういうこと まさか医者辞めるとか言わないよね休学を 決めた当時の俺は半分医者を諦めていまし たというより慣れないと思ったのです医者 にならなくとも偉大を卒業して間接的にで も人の命に関われる仕事につけたらいいな そんな風に思っていましたそんなのだめよ 優太君の夢は医者なんでしょ俺の気持ちも 知らないで平気でダメだという綾乃に俺は 怒りに任せてお前に俺の何が分かるんだよ そう大声で言ってしまいましたすると綾乃 は私たち別れましょう一にならないような やこっちから下げようと言ったのです綾乃 には秋君が医者になるきっかけだとしか 話していませんでしたので彼が亡くなった ことももちろん知りませんでし た話せば分かってくれるだろうかとも考え ましたが愛想が尽きたという言葉が腑に 落ちるように感じ ませ今までありがとう看護学校は今年で 卒業だろ国家試験頑張れよそう言って俺は その場から立ち去りました恋愛経験の 少ない俺でもなんとなくは気がついてい ました綾乃はきっと医者になる俺と 付き合いたかったんだな金のいい医者と 結婚すれば将来安泰とでも思っていたの だろう分かってはいましたがそれでも交際 するほどに恋愛感情はありましたので ぐさっと来るものがありました それから俺は以前から取りたかったバイク の免許を取り休学の1年間日本全国を バイクで走り回りました父が数年前に怪我 をきっかけに登山を引退しバイクに 乗り出したのがきっかけです再び自然の 美しい景色を求めて父と2人の時間を 過ごしまし た親子ではありますが自由本法な父を俺は 兄貴のような感覚で慕っていましたので たまにはお酒を飲みながらツモる話もする ことができまし た休学をして半年が経った頃1人で峠を 走っていた時のことです気持ちよく ドライブをしていると急にコーナーを 曲がりきれなくなり俺はバイクごと崖の下 に勢いよく落ちまし た転がり落ちてる時はを見ながら自分の 最後を悟りまし たですがある日俺はふと目を覚ますことが できたのです月曜日の朝でしたそばには 号泣する母が手を握ってくれていて勢い よく部屋のドアが開いたかと思うと医者と 看護師が駆け込んできましたなんとか一命 を取り止めたようです翌朝お昼のテレビ 番組の音で火曜日だということを知りまし た昨日は月曜日か俺が目覚めた時は朝だっ たな峠にツーリングに行ったのは月曜日の 午後どうやら一週間も意識をなくしていた のでした全身包帯まみれの自分の体を冷静 に見渡し我ながらよく生きてるなと関心し ましたそういえば俺は幼い時も海の波に 飲まれて溺れかけたり上場中に馬から落下 したり何かと危険な目には合ってきました がいつもそばにいる人たちに助けられて ここまで生きることができていました今も 両足は骨折しているのに両手は不思議な ことに傷だけなのです残っていた休学の3 ヶ月を病室で過ごすことになしましたが 毎日お客さんや看護師さんと接して自分の 怪我の治療と向き合い自分の中で再び医者 になる決意をすることができたそんな3 ヶ月間でもありましたそれは秋君のためで もあったのですあ君が俺の夢を見つけて くれました天国にいる秋君に医者を諦めた 姿なんて見せられない俺は者になって 見せるそう誓ったのでしたそれから休学の 残された3ヶ月間は復学に向けて今までの 復習と来年から始まる現場研修のための 予習をしましたそして5年生6年生と研修 を終えた俺は医師国家試験に一発合格し 見事医者免許を取得したのです賊は研修で お世話になった学病院で初期権周囲として 働き始めました慌しく過ぎる毎日に充実感 を感じながらも医療現場で働くことの難し さを感じる日々が続きまし た就職し3年が経った春俺は高校時代の 友人の結婚式に参加していました大学を 卒業してすぐ起業した彼は高級ホテルに 来賓を100人以上呼んでまさに成功者と いうような豪華な結婚式でした俺は翌日朝 早くから仕事がありましたので友人に結婚 おめでとうを伝え2次回前に会場を出まし たするとあら負け犬さん聞き覚えのある声 がしたのです 負け犬心当たりのない俺はそのまま歩き 出しましたするとあらそこの負け犬あなた のことよなんとなく声が自分に向いている ような気がして辺りを見渡してみるとそこ には綾乃の姿があったのです負け犬さん 元気そういう綾乃は新婦と同じ看護学校に 通っていたそうで今日の結婚式に参加して いてたまたま俺を見つけたとのことでした なんだよ急に失礼じゃないかだって事実 でしょ俺は明日仕事だから帰るじゃそう 言ってその場を立ち去ろうとした時急に バタという音と共に女性の叫び声が響き 渡りましたお医者さんはいませんか一体何 が起こったのか全く分かりませんでしたが 俺はお医者さんという言葉にとっさに反応 して と走り出していたのですえと信じられない と言ったような表情の綾の横目に俺は急病 人の元へ駆け降りましたそこには呼吸が 荒く今にも意識がなくなりそうな男性が 倒れていましたそばで解放していた女性は その男性の同僚とのことで食事中に気分が 悪いと言いながらその場に倒れ込んだそう です体に人魔のような症状が出ており救急 者を呼んで人口呼吸をしようとした時 ホテルの従業員が慌ててそちらの方は重度 のピーナッツアレルギーがありますと大声 で叫んだのです俺は瞬時に アナフィラキシーショックだと確信し男性 の座席に置かれたカから見つけたエピペン を打ちましたすでに意識が朦朧としていた のですぐに回復する見込みはありません でしたが幸い大学病院が近く救急車ですぐ 搬送されたことから男性は大事に至らず数 日の入院で回復したと後日聞きました一瞬 戦場のようになった会場でしたがとっさに 医者として動けた自分に驚きました何 ぼーっとしてるんだよお前も一応看護師 じゃないのかえいやそうだけど だったらなんですぐ駆け寄らないんだよ だってあんた一緒ってだからなんだよ そんなことで動揺してボケットしてたのか だったら何ようるさいわねうるさいも何も 人が目の前で倒れてるんだぞ医者との結婚 目当てで看護師になるのもいいけどもっと 自分の仕事に責任持ってよ看護師になって もう5年は経っているであろう綾の態度に 俺はつが荒くなってしまいました余計なお 世だとも思いますがこんなこと言えるのは 俺だけだと思って心を鬼にしたのです悔し そうな表情で何も言わない綾乃に俺はこれ 以上何を言っても無駄だと思いその場を後 にしましたそれから何年も月日は流れ俺は 脳神経外科として活躍しています ありがたいことに失いに俺を指名して くれる患者さんもいらっしゃるほど です1度は本気でやめようと思っていた 医者の仕事ですが今こうして何人もの患者 さんの命を救うことができて感謝すると ともにあの時辞めなくてよかったと改めて 思わされ ます実は秋君が亡くなる数日前に見つけた あ君からのメッセージには一緒に医者の 仕事ができなくてごめん俺は医者をやめる 優太も医者にはなるなそう書かれていまし た秋君のやめるというのはこの世を去ると いうことそして俺も医者になるなというの は秋君の起こした医療ミスが後々他の医者 からの冤罪だったのではないかそう言わ れるようになったから ですなくなった患はセカンドオピニオンと して秋君の病院に診察に来たそうですが 初めに担当していた医者のカルテに恋と 思われる書き足しのようなものがあった そうなの です死人に口なしとはよく言ったもので秋 君側の弁護士が何度も判断ミスはなかった と掛け合ったそうですが患者さんも秋君も もうこの世にはいませんのではっきりとし た答えが出ることはなく未解決のままだと 知り合いから聞きましたあ君も相当 追い詰められていただろうにそんな辛い 思いを俺にさせないよう医者になるなと 言ったのだと思い ますあき君は1人っこの俺にとって大好き なかっこいいお兄ちゃんでした心の穴は 未だに開いたままですが毎年明日にはお先 をあげさせもらっています天国で見守って くれていると信じて俺は今日も医療の現場 に向き合ってい ます二川ハウスの社長は私の顔を見るなり 挨拶もなくこう言いまし たお前の会社は倒産だちょっと待って くださいこんな突然に契約解除だ なんて下請け業者である私たち安倍の リフォームは突然の契約打ち切りを 言い渡されたのですどうしてなんですか うちは本社の要望に必死で答えてきました 必死とか知るか仕事は結果が全てなんだよ しかし作業途中の現場だっってあるんです よああそれなら心配ない引き継いでくれる 業者を見つけた 引き継ぐ一体どこの会社がNハウジングの 下請けだN ハウジング早いが施工が雑と業界では あまりいい噂のない下請会社ですあんな 業者にうちが丁寧にやってきた仕事を途中 から取られてしまう なんてしかし二川社長はライバル会社のN ハウジングを出し抜き下請会社と契約が できたことですっかりご嫌な様子 ですだからお前らはもう用済み だ一体私が何をしたというのでしょう私の 中で今後のことや金計算よりも正義感が 上回りまし たわかりましたでは恩家とのご縁はこれ きりということ でまさかこの時の私には後にあんな どんでん返しが起こせるとは思っても見 ませんでした 私の名前は安倍の清気がつけば還暦も近い 58歳です大学卒業後から務めていた 建設会社を45歳で思い切って退職し 独立現在は個人経営で安倍のリフォームを 運営しています経営者と聞けば聞こえは いいですが従業員は私を含む4名だけの 小さな会社そのうちの1人は元銀行員で現 は経理担当の妻子です独立を迷っていた時 に背中を押してくれたのがこのまり子で 講師共に信頼できる相談役でもあり ます私たちは残念ながら子供に恵まれず 40代半ばで未来の目標を見失っていまし たこのまま浮沈もなく安定思考で会社員を 続けて老後の貯金を増やすかの人生新たな 方向に家事を切り駆に出るか迷っていた ところ真子が2人三脚で一歩踏み出そうと 言ってくれて会社を設立したのです当初は リノベーションブームの走りで受注に困る ことはありませんでしたリサイクル文化の 定着を目指し国からのバックアップもあっ たため中古住宅のリフォームは市場が拡大 SNSや雑誌でも特集が多く組まれ築上に 個性が出せる上にローコストで住む分家具 家電に予算が回せると注目されていたから ですまさにサステナブルな時代にうちの 会社も乗っかった形になり ますしかしそんな甘い蜜を吸おうと考えた ライバル会社が年々増え始め今では聞いた こともないような小さなリフォーム会社が ひしめき合いあちこちでお客を取り合う 状態となってしまいましたまるで牛丼の ように安く早くを売りにする会社も増え そういう会社は後々血管が見つかったり 問題も起きているようで個人経営の リフォーム会社全体のイメージダウンにも つながってい ますとはいえうちのように丁寧親切な仕事 は大きな売上に結びつきにくく家族が 集まる休まる心が温まる家作りという コンセプトを掲げているのですがそれを 忠実に守れば守るほどうちの社員たちは 疲弊する一方で社員が逃げる休む心が凄む 家作りといった感じで一時期は10人ほど いた社員が今の人数にまで減り理想を 追い求めるのがこのところ虚しくなってき ているのが現状 ですそんな崖っぷち続きのうちの会社が それでもやっていけているのは毎年安定し た個数を発注してくれる二ハウスとのつが あるから です二川ハウスは中古の家をリフォーム 済みの状態にし販売する物件会社で あれこれ考えるのは手間だがマイホームは 欲しいというわがままな顧客のニーズに 対応セミオーダー感覚で壁紙や扉の色など は選んでもらえるようになっているので 安価で気軽に自分らしい家を持てると人気 が続いているの です川社長とは前の会社代からのご縁で 仕事をもらっておりこれを失うとうちは まっさかりに崖の下に落ちてしまう でしょうしかし問題はその二川社長が かなりの気分屋であるということです月に 1度は接待で二川社長のご機嫌取りをし なければなりませんお気に入りの鉄板料理 屋から始まり私は全く興味がないのですが 赤坂にある隠れが的な高級ラウンジに 付き合わされます 二川社長はそこのママのいわゆる太客と いうやつだそうで店に行けばどんどん シャンパンを注文するのですが二川社長は 量が飲めない人なので私とヘルプでついて いる女の子たちがほとんど飲まなければ なりません50代になってからは鉄板の 時点でかなりいに来ているのですが ベロベロに酔って頑張る女の子たちに 任せるのもかわいそうでさあ飲め飲めお前 の稼ぎじゃなかなか飲めないだろ一流の味 を今のうちに味わっとけとニヤニヤ言わ れると毎回断れずはありがとうございます と飲み続けるしか選択肢はないの ですさらに耐えがいのがその酒の席の間中 二川社長の自慢話が続くことですご機嫌を 取る女の子たちと一緒になって私も褒め なければなり ゴルフのスコアがついに90を切ってそれ は素晴らしいですねまた新車を買ったんだ が羨ましいですこの前のクルーズで へえ初めは一生懸命合槌を打つのですが 途中からは酔いも回ってろに返事もでき なくなっていきます川社長はそんな 酔いつぶれる私を見て楽しんでいのかおい まだまだ行けるだろう次を開けないとママ に怒られちまうとさらに追加でシャンパン を頼み朝まで返してくれないのです もちろんその接待の翌日はとてもじゃない ですが仕事になりません朝会社でマリ子に コーヒーを入れてもらい2日酔いで唸って いると設立当初から力を貸してくれている 専のさんが私を心して ます大丈夫かいこんなになるまで飲ませる なんて苦の やつ山さんは前いた建設会社を一緒に辞め てついてきてくれた事実上私の先輩に あたる設計士で二川社長のこともよく知っ てい ます会社のためにってのは分かるけどこれ じゃいつか体を壊すよそれは分かってます が社長の飲み会を断ったらどうなるか山 さんだって何度も見てきた でしょううんでも なあ二川社長は気に入らないことがあると 手のひらを返したように契約を打ち切ると この業界では昔から有名でした実際に突然 の契約破棄で木材壁材などの在庫を抱え 倒産した会社を多数知ってい ますある意味だけ決断力のある人だから ここまでのし上がったのかもしれませんが 敵もかなり多いともっぱらの噂ですうちが 10年以上も付き合いがあるのは二川社長 のそんな性格を明かりながら私が我慢をし てご機嫌取りを必死で続けているから です大雪のソファーでじっとガンガンする 頭を抱えていると唯一の平社員真が出勤し てきて私に薬局の袋を渡してくれ ますおはようございます社長今日は絶対 これがいると思っ て開けると中には2日酔いの薬や水分補給 の飲み物などが入っていまし たシは数年前に私がリフォームを手掛けた 家を見て雇ってくれと押しかけてきた今時 珍しい熱血感タイプ です社員たちにまで2日酔いの心配される なんて情けなよ 思わずまり子に愚痴ると彼女も真剣な表情 でこう言いまし た思い切って二川ハウスと手を切って他の 大口を探してみ たら私の体を妻も本気で心配してくれて いるよう ですあなたの持ち前の粘り強さがあれば きっと新規のいい取引き先が見つかるわ よそうなればどんなにいいでしょうか しかし粘り強さがあったのなんてもう はるかかなた昔のことで年を重ねるにつれ て私の冒険心は薄れてきており今から あちこちで頭を下げて新規開拓なんて自信 が全くありませんそれに自分たち夫婦だけ でなく山さん真の生活もかかっているの です信頼してくれるまり子の言葉は ありがたく思いながらもまあいずれ ちゃんと考えるよと私は曖昧に濁すのでし たさて二川ハウスはしばらく業界トップを キープしていましたがこのところどうやら ライバル会社が現れたともっぱらの噂です その噂がどうやら本当らしいと知ったのは いつもの接待の席でのことです二川社長が 永遠と自慢話をするのが通例の飲み会の はずがこの日はかなり荒れており収支ご 機嫌斜めだったの ですまだ食べてるだろう皿を下げるなおい 酒のグラスが殻だぞオーダーを聞くのが お前らの仕事じゃないのかこんなので商売 する気あるの か鉄板焼きのお店から店員に当たり散らし ネチネチと私にも嫌みを言ってきます あああお前んとこがもっと早く仕上げて くれたらな今月あと3件分は売上が変わっ たの に申し訳ございませんこれでもできるだけ 急いでいるのですが安全性や品質を考える と限界でしてじゃあなんでNハウジングは あれだけの売上を毎月あげられるんだよ それ は格安で早い分手抜き工事なのではと悪口 を言うわけにもいきませ んしかし今でも現場の人間には限界まで 頑張ってもらっておりこれ以上納期を 早めるなんて制度を落とさない限り無理 ですもっと頑張ってくれよ融通が聞く会社 は他にもあるんだ乗り替えたっていいんだ ぞそう冗談めいて耳元で囁く二川社長は 半ば本気に聞こえましたそして例の 行きつけのラウンジで事件は起こったの です その日たまたま新しいボイが入ったとの ことでママの紹介でその黒服と呼ばれる 男の子が席にやってきました本来黒服は席 にはつかないのですが美川社長のまあ座れ という一言で彼はおずおずと腰かけます 聞くと彼は二十歳になったばかりとのこと でしたまあとりあえず 飲めよ二川社長が彼にもシャンパンを どんどん飲ませますしかし彼はまだお酒を 飲み慣れていないようですぐに酔い始め ますママもそれを見てやんわりと二川社長 を止めようとしますが二川社長は彼の様子 を面白がってますます飲ませようとするの です若いなんて言い訳になるか黒服だろ 情けななママの乗客の酒だぞトイレで吐い てきてでも飲めよ 彼は本当にフラフラとお手洗いに消えて いきましたこのままでは彼が病院送りに なってしまいかねませんママも心配顔で 今日の二川社長には手を焼いているよう でしたこの時私もかなり飲んでおり気が 大きくなっていたのもあります見るに見 かねついに私は二川社長に意見してしまっ たの です社長あんな若い子にするなんていくら なんでもげなくないでしょう かその時の二川社長の顔と言っ たら行ったな安野お前俺に盾ついておいで この業界で生き残れると思うな よもしかすると私を切る口実を前々から 考えていたのかもしれませんしてやったり で彼はその日した私を で解放しまし た次の日嫌な予感がしながらも出社した私 に聞こえてきたのは半泣きの真の絶叫でし た大変ですよ社長二川ハウスからこんな 連絡 が真が私まり子そして山さんにメールを 見せてきますそこには二川社長からの そっけなメール文でよすると契約除の胸が 書かれてありましたおおいこんなの不当 だろう急にどうしていくらなんでも一方的 すぎるだろうよ普段滅多に声を荒げない山 さんが珍しく行りを隠せない様子 ですせめて発注済みの資材代は持って もらわないとこれじゃあうちが倒産 よまり子も帳簿を見て不安気な様子です 失はいくらくらいになるん だうう想像はついていましたが私は子に 確認せずにはいられませんでし た今二川ハウスに着られたらざっ見積もっ ておそらく奥単位になるわよ奥だっ てそんな額もし本当に赤字になればだけで 住む話ではありませんの申告をするかに まみれて私たちの一生は台無しになる でしょう社長二川ハウスを訴えましょうよ こんな応募許されるはずがないです よ真の言うことも最もですしかし実際に 訴えるなんて無理な話裁判沙汰にすると なれば弁護士費用だってかかりますし最終 的に勝てたとしてもそこまでうちが持ち こえられる余力はありませ んだめもで私は談をするためハウス本社に 出向くことにしました先に電話をしました が取りついでくれずアポも取れなかった ため社長室の前でたっぷり3時間は待たさ れようやく通され ます二川社長は私の顔を見るなり挨拶も なくこう言いまし たお前の会社はだちょっと待ってください こんな突然に契約なんてどうしてなんです かうちは本社の要望に必死で答えてきまし た必死とか知るか仕事は結果が全てなんだ よしかし作業途中の現場だってあるんです よああそれなら心配ない引き継いでくれる 業者を見つけた引き継ぐ一体どこの会社が Nハウジングの下請けだNハウジング [音楽] 早いが施工が雑と業界ではあまりいい噂の ない下請会社ですあんな業者がうちが丁寧 にやってきた仕事を途中から取られて しまう なんてしかし二川社長はライバル会社のN ハウジングを出し抜き下請会社と契約が できたことですっかりご機嫌な様子 です偶然ママの知り合いで紹介してもらっ てなだからお前らはもう だ一体私が何をしたというのでしょう 思い当たるのは昨日の接待だけ です昨晩私がボイをかったからですか そんなことでうちに1億円の損害を背負 えって言うんですかこんなの不当すぎ ますそう思うなら訴えてみろよ私たちが 裁判なんて持ちこえられないのを分かって いっているのです完全に乾杯でし た俺に立つやつはこうなるんだ よ私は酒の飲めない青年を心配しただけ です二川社長に言われるままに飲んでい たら彼はきっと倒れていた でしょうあの時私は止めない方が良かった というのでしょうかそうすればこんな危機 には見舞われなかっ た昨晩のラウンジでのことを思い出し心が ざわつきますですがもしもう一度あの時を やり直せるとしても私はきっと同じことを する でしょう私には子供がいませんがもし息子 がいて接客業であんな風な扱いをされてい たらいくら普段は温和な私でも怒って職場 に乗り込むと思います私の中で今後のこと や金計算よりも正義感が上回りまし たわかりましたでは本社とのご縁はこれ きりということ で私は二川ハウスを足早に後にしまし たしかし倒産だなんて社員たちにはなんて 詫びばいいのでしょうか自社へ帰る足取り はだんだん重くなっていきます急いで帰っ ても仕事はもうないたまにはどこかで コーヒーでも飲む か川ハウスと契約を結んでいたこの10数 年常に時間との戦いだったため平日の昼間 にこんな空時間ができたのなんて本当に 久しぶり です一旦気持ちを整理するためにも私は ゆっくりできそうなカフェを探し辺りを 見回しましたすると私の目にとある看板が 目に入ってきたのですそれは二川ハウスの 宿敵Nハウジングの広告でした こんなところに看板を掲げるなんて よっぽど儲かってるんだ な羨ましさに思わず大きなため息をつき ましたがふとその時私はあることを 思いついたの ですもしかしてやってみるなら今しかない かもしれ ない私は慌てて自社に電話をかけました もしもし進化ちょっと送って欲しい資料が あるんだが 私はカフェに向かうのをやめてその足で とある場所へと向かいまし たそして半年 後結論から言うと私の安倍のリフォームは 無事存続することになりました朝いつも 通りに出社し何気なくテレビをつつけると リフォーム会社が訴えられていると ニュースが流れてき ますコーヒーを入れてくれた子がやってき てテレビに目を 驚いた声をあげ ますちょっとこのリフォーム会社ってああ 二川社長がこの前契約して たなんとうちの後釜になっていた下請会社 がやらかしたようですどうやら予算を浮か せるために意図的に鉄骨をケっていたとの こと耐震性に問題が出ておりあちこちから 訴えられているそうなのですさらにそれが きっかけで事もばれたようでしばらくは 揉める でしょうやっぱりじゃないですかあんな 安く早くなんて無理だったん です真がそれ見たことかと呆れ顔で言い ますまあでも明日は我がだよ目先の売上に 目がくらんでくだらない仕事をしないよう にしないと な山さんの言うことも最もです同業が訴え られたこととは磁界として胸にとめなけれ ばなりませ んまあ二川社長もおっしゃってたけど かなり良くない筋の人たちだったようだし あの時が運命の別れ道だったのかも ねまり子が言っているあの時というのは 私たちが二川社長に契約覇気を言い渡され た翌日のこと です自分から縁を切ると言ってきたはずの 二川社長がなんと頭を下げに来たのでした すまない昨日の話はなかったことにして くれ二川社長曰く私たちの後釜に収まった 下請け業者に良くない筋のバックがついて おり私が帰った途端小の人たちが来て月何 件の発注を確約しろだの納期を1日早める ごとに上乗せしだの契約変更を申し立てて きたというの ですこれではうちが大赤になって しまう長く付き合いのあった二川社長です がこんな風に頭を下げてきたのは初めて ですさすがにかなり怒っていた私も上に ほだされかけたのですがそれを見ていた マリ子が顔をしかめ小さく首を横に振り ました山さんと真も厳しい表情を崩しませ ん二川社長のとろに戻っても未来はない そう全員の顔が物語っていまし たその日の二川社長はいつになくしぼれ 小さな背中で帰って行きましたちなみに後 から聞いた話によるとママはその下請け 業者がやばい筋だと分かって紹介していた と かいくら二川社長が太客だったとしても 黒服や女の子に対する態度や飲み方の汚さ にさすがのママもしいたのでしょう出禁と いうこともできたでしょうが店の対面を 保ちつつ追い払ったわけ です二川社長は高級ラウンジは愚か 行きつけの鉄板屋でもしばらくは飲める ような金のゆりはできないこと でしょう夜の店を1人で経営できる手腕を 持つ女性を敵に回すと恐ろしいものです これからの二川ハウスの損失を考えると 少しだけ社長がかわいそうになりまし たさて二川社長の謝罪を受け入れずにどう してうちが存続できたかと言うと1ヶ月で 新しい大口の取引先を私が見つけてきた からですその取引先というのが何を隠そう あのNハウジングですあの日二川社長と縁 を切ったその足で真に送ってもらった会社 の資料を持ちNハウジング本社に乗りりみ ましたそれこそ新人の頃に何度もやった アポなしの突撃営業ですもうこの年で そんなことはできないと思い込んでいまし たが当たって砕けろの精神であの日失う ものはこれ以上ありませんでし た当然エハウジングに初めから歓迎された わけではありませんしかし私には賞賛が ありました二川ハウスに下請け業者を取ら れたこのタイミングなら次の契約先を急ぎ で探しているのは間違いありません我々 安倍のリフォームのような実績もあり大量 発注を受けられる会社はなかなか他では 見つからないでしょう1ヶ月ほどエ ハウジングに通い続けついにまずは小口の 案件から契約を結ぶことに成功したのです 仕事ができれば後はこっちのものでした 丁寧親切で確実な施工によりNハウジング の顧客満足度も上昇次々と受注が増えて いったのですまたNハウジングの社長は とても温情のある人格者でした我々が 掲げる家族が集まる休まる心が温まる 家作りに共感してくれてただ安い早いだけ ではなく愛のある施工を求めてくれたの です時には少し予算が上がったとしても 納期が伸びたとしてもアベのリフォームの 提案がいいと思えばエハウジングから顧客 に交渉して納得行く仕事をさせてもらえる こともありまし たまり子はもちろんのこと山さんやしも今 までになく仕事を楽しんでくれてい ます私自身無理な接待もなくなり壊れかけ ていた体の調子も戻ってきました良質な 仕事のためには心のゆりも必要というのが エハウジングの考えなので今年はボーナス も少しは出せてお盆には電球も取れそうな 予感がしてい ますあの時二川社長にお前の会社は倒産だ と言われていなければ私はこのような行動 力を発揮できなかっただろうと思い ます二川ハウスは今回の下請けの不祥時に より大ダメージを受けること でしょう倒産するのはそっち だ私は小さな声でつぶやきます妻がそれに 気づき聞き返してきますえなんか言った いやなんでもない よずっと二川社長の言なりでしたが口に すると少しすっきりしたような少し寂しい ような気もし ます美川社長だって若い頃は理想を掲げ 業界に飛び込んできたと思うのですそれが 市場が和状態になりあちこちに競争相手が 現れてあんな風になっていったの でしょう二川ハウスそして社長にはここで 簡単に倒れずに踏ん張って細細とでもいい ので1から出直してもらいたいなと思い ますもしもう一度裸一貫でやり直し心を 入れ替え頭を下げに来てくれたなら昔の よみで仕事を引き受けてもいいかなと思い ますとにもかにも私はは信頼できる社員 たちと一緒に理想を掲げ今日も歩んでい ます来年の春には新入社員も迎え事業を 拡大する予定もありますが今の社員が喜ぶ 休める心が充実する家作りはキープしつつ どれだけ稼いだとしても初心を忘れずにい たいと思います 先生聞いてくださいよ藤堂と佐々木さんが 結婚したって言うんですよそれは同窓会の 打ち合わせの時に聞いているよ知ってたん ですかだったらこんな奴ら招待状送らない でくださいよ中卒の負け組2人にはバチが 帰れおいおい江口お前何言ってるんだこの ホテル担任がとっさにそう言うと会話に 割って入ってきたのは同級生で妻の佐々木 やよいでし た俺の名前は藤堂正料理人です奥さんの やいは中学からの同級生で同じホテルで 働いています中学の同級生と結婚というと 中学時代から付き合っていたのかと思われ がちですが俺とは学生時代お互いを意識し たこともなく誰かと付き合うなんて浮いた 話も全くありませんでし た特に俺は実家が貧乏でしたのでだいぶ 惨めな中学校生活を送っていたと思い ます俺の両親は居酒屋を経営していました 父がいま母が接客とその他お金回りを担っ ていました父はよく父ちゃんは昔高級 ホテルで料理人をしていたんだ政治家の人 たちに振る舞ったことがあるんだ ぞなんて俺に自慢気に話していました母も それを否定していませんでしたので本当 だったんだと思い ます一等地に立つ父の店は俺が幼い頃は 繁盛していた印象がありますが小学生 くらいになった時にはお客さんがほとんど 来ず毎日ガラガラでした 住まいも当時は居酒屋と目と花の先の マンションに暮らしていましたが後に6畳 人間アパートに引っ越し最終的には居酒屋 の座敷に布団を敷いて家族3人で川の字に なって寝ていまし た店はガラガラですし家もありませんでし たので座敷の1番隅のテーブルが俺の 勉強机でし た小学校高学年にもなると親がを続ける ために借金をしていることも知ってしまい ましたしそのせいで夫婦原が毎日耐え なかった です翌年俺が中学に上がると同時に両親は 居酒屋を畳みました父は借金返済のため昼 はスーパーの惣菜を作り夜は食品加工工場 でアルバイトをしていまし た母も近所のファミレスでアルバイトをし ながら洗濯や掃除にの準備など俺に構う 時間もないほど忙しく働いていまし た父は昼も夜も仕事に出てしまっていまし たので週に一度顔を合わせるかどうかと いったような状況でし たですがこれだけ両親は一生懸命働いて いるのに俺たちの居場所を突き止めた借金 鳥はしょっちゅう さんいるんでしょういるなら金返して ください よどうするの母さん怖いよ許す使おうよ そんなことできるわけないだろうきっと 正弘が学校から帰ってくる後をつけられた んだここは正弘が出てちょうだいそれで親 はいませんって言うんだ よそんな嘘ついて家に入ってきたらどう する の相手が子供しかいないって知ったら帰っ てくから正弘お願い代わりに出て ちょうだい 母は借金取りが来るといつもそう言って俺 を使うのでした確かに子供の俺が親はい ないと言うと黙って帰っていくのですが いつまでこんな嘘が通せるのか不安でし たそれが当時の俺にとってはトラウマな 経験になってしまい大人になった今でも 不意に家のインターホンが鳴ると必要以上 に驚いてドキドキしてしまい ます中学に上がってももちろん家は貧乏で 制服はお振る教科書代や給食費を払うこと で精一杯でし たサッカークラブに入りたいと思ってい ましたが活動費や遠征費が払えないという 理由で入ることができませんでし たそんな惨めな生活を送っている俺にある 日クラスの女子が話しかけてきたの ですいつも小汚い服着て洗濯してないの 上履きだってまだ一学期なのにもう汚れ てるしえっとごめん名前何だっけは私の 名前知らないの江口ゆかりよみんな知っ てるわよえなん でなんでって私読者モデルだからよ小中学 生で私のことを知らない人なんていないん じゃない かしらそうなんだ俺雑誌なんて読まない から全然知らなかった ごめんまあんたなんかが読んだって真似 できるようなことはないと思う けどそう言い捨てて江口はどこかへ行って しまいましたあんなやクラスにいたんだな 全然知らなかっ た当時俺はクラスに全くなじめていません でしたのでクラスメートの名前や顔は自分 の席の前後左右4人程度しか覚えていませ んでしたというのもクラスの話題はお笑い 芸人や流行の音楽についてでしたが俺の家 にはテレビがなく話の輪に全く入ることが できなかったの ですそれに放課後は公園や空地で遊んで いるようでしたが俺には自転車もなければ 一緒に駄菓子を買うお小遣いもありません でしたので毎日1人誰もいない家に帰って は図書館で借りた本を読むのでし たそしてその日もいつも通り1人で家に 帰っているとなんとなく江口の行っていた 雑誌が気になって本屋に入ってみまし た本当だ江口がいる 本当にモデルやってるん だあの日学校で俺に見せた意地悪い顔とは 全く別人のキラキラした江口が乗ってい ましたあれ藤堂君こんなところで何してる のえっと 誰同じクラスの佐々木やよいよ江口さんに 話しかけられた時も誰って言ってたわよね クラスになじめてないのそう んだクラブも入ってないしみんなの話す 話題にも全然ついていけなくてそれで雑誌 立ち読みしに来たの江口さんがどんな人か なってあそうそうそしたら本当にいた江口 さん人気なんだよ私小学生からこの雑誌 読んでたからまさか同じ中学になるなんて びっくりでも本当の性格知ってもっと びっくりだけどあの 悪口そうそうあの日堂堂君に話しかけてる の聞こえちゃってあんな子なんだっ てまあでも俺に原因があるしほら今日の服 もお風だからさいいんだよ言われ慣れてる しそうなんだ藤堂君が気にしてないなら いいけどじゃあまた明日学校でね そう言って佐々木さんは俺の立ち見してい た雑誌を買うと今夜を出ていきまし た翌日から俺と佐々木さんは教室でよく 話すようになりました共通の趣味が読書だ ということが分かり毎日放課後お互いのお すめの本を紹介し合っては読んで感想を 言い合っていまし た人生で初めてできた友達と言える人かも しれません 佐々木さんはクラブ何か入ってないの入ら ないわよ私運動とか水槽額とか興味ないの 読書クラブがあれば入ってたかなははは俺 も同じ本を読むのはただだからオレンジ 貧乏だからさそうなんだだからおフをそう そう一応洗濯はしてるし汚くはないからさ そうね私もそう思う別に切られれば何でも いいわよ ねそんな風に自分が貧乏だということを 打ち明けても一緒に笑ってくれる佐々木 さんはとても居心地が良かった ですそんな佐々木さんとは2年生でクラス が離れてしまいましたが3年の時にはまた 一緒のクラスになれたの ですまた一緒のクラスだね今日た課後図書 室行かないいいわね私もちょうど新学器で 新しい本を借りようと思ってた とこ相変わらず貧乏でパっとしない性格 だった俺は佐々木さん以外に気軽に声を かけるような友達はいませんでし たあれお2人さん図書室で何してるの 江口何って見たらわかるだろう本を借り てるだけだよ受験生が本あんたたち勉強は しなくていい の俺は高校に行かずに働く予定なんだ貧乏 だからすぐに働きたいし父さんみたいな 料理人になりたいから早く修行したいんだ よじゃあ中卒ってこと今時高校も行かない ようじゃ人生お先真っ暗じゃないだから 料理人になるって言ってるだろう料理人に 学歴は関係ない父さんだっって中卒だよで もホテルで仕事してたり前は居酒屋を経営 してたそれで今はなんでそんなに貧乏なの よそれは居酒屋がうまくいかなくなった からだから先真っ暗って言ったじゃない 勉強できないからお店も潰れちゃうのよ それとこれとは関係ないだろう父さんを バカにしてるのか何よそんなカトなっ ちゃってバカってすぐ怒るから怖い わこうなことに2年の時にクラスが離れた 江口と3年でまた同じクラスになって しまったのです完全に油断していました そして相変わらず江口は人の心にずかずか と入ってきては容赦なく悪口を言ってくる の ですすると隣で本を借りていた佐々木さん が荷物をまとめると急にこちらに来て私も 受験はしないわよと言ったの です実は佐々木さんを初めて家まで送った 日に知ったのですが佐々木さんの実家は とんでもない大豪邸だったの ですそんなお金持ちの家に生まれた佐々木 さんが高校を受験しないと言い出したので それには江口だけでなく俺も驚きました すると江口がいつも言いこってる佐々木 さんも結局藤堂とつるんでるだけあって 落ちこぼれなの ね落ちこぼれそんなことないと思うけど 藤堂君すごいのよ推理小説は100発 100中で犯人当てちゃうし魚の名前は 図鑑くらい詳しいのよ だからなんだって言のネットで検索すれば 魚の名前なんて秒で出てくるのに受験勉強 もしないで本ばっか読んでるからそんな 脳天気になれるの よだったら江口さんは高校に行くの私は 行くわよしかも芸能コースのある東京の 高校に行くんだからどう羨ましい でしょう全然羨ましくないわそんな性格し てたらきっとモデルのお仕事もどんどん なくなると思うけどはあなたが私に何言っ てるの今日にでも本屋に行ってみなさい 今月後は私が表紙を飾ってるからファンの 人気投票で勝ち取った のいつまでも負けずに言い返していた 佐々木さんでしたがここまで言われると とうとう怒って図書室を出ていってしまい まし た気にしない方がいいよ江口って本当嫌な やつだよなでも佐々木さんお金持ちなのに なんで高校受験しないんだよ俺てっきり 高校は私立に行くと思って た私外国に行くの両親が英語は話せた方が いいからって外国高校に3年間 も佐々木さんの自宅がお金持ちと知った時 俺は友達でいられるのも中学卒業までと 分かってはいました中卒で働く俺とお 金持ちの佐々木さんの人生は生きていく 世界が全く違うと思ったから ですですがまさか外国に行ってしまう なんて一気に雲の上の人になってしまう ような気がして急に寂しくなりまし たそれから時間はあっという間に過ぎ俺は 中学を卒業しましたそれから数日が経って 佐々木さんは外国に飛び立ってしまいまし た俺はひたすら料理人になるために働き ました父の紹介でビジネスホテルの厨房の 雑用係りとして雇ってもらうことができた のです毎日1番早く出勤し1番遅く家に 帰るような生活が続きまし た潜在で手はボロボロでしたし重労働で 毎日筋肉痛でしたまたお給料をもらった ところでお金を使う時間もなく実家から 通っていましたので俺は毎月給料の ほとんどを親に渡していまし た両親は相変わらず働き詰めで居酒屋時代 にできた借金をまだ返し続けていまし た自分の給料が借金返済の足しになれば いいな 早く借金を返し終わって貧乏でも普通に 家族3人で生活がし たい贅沢は望んでいませんでしたがそんな 普通な生活を早く取り戻したいと思ってい まし た雑用として働いて3年が経った頃俺は 調理を任されるようになっていました今 までは食材に一切触ることができません でしたがいわゆる仕込み作業を任されに なっていたの です相変わらず朝1番に出勤してその日に 使う食材を指示された通りに仕込んでいく のですが料理によって同じ人参でも暑さが ミ単位で違ったり料理長に使い物になら ないなんて捨てられてしまうこともあり ましたそれでも俺は父のような料理人に なりたいと思っていましたのでなんとか 食いついていったの です今では貧乏になってしまいましたが 幼い頃に父の振る舞う料理を食べて店に いるみんながおいしいおいしいって笑顔で 料理を食べていた光景を見て育ってきた からこそ父は俺の1番の憧れの存在でし た働き出して5年が経ち二十歳になる年俺 は成人式に参加していまし た会いたい人もいなければ大学生活を化し ている人と話すことなんかないとって始め は行く気がなかったのですが料理長がお 休みをくれたのであまり乗り気ではあり ませんでしたが行くことにしたの です佐々木さんは来てないのかな高校は 海外に行くって言ってたけど大学もずっと 海外のままなんだろう か成人式に行くことが決まってすぐ 思い浮かんだのは佐々木さんのことでし た中学を卒業してから全くが しま家の近くを歩いていても一切見かけ なかったのです結果佐々木さんは成人式に 来ておらず再開できるかもという俺の淡い 期待は泡と消え2次会の会場に向かいまし た佐々木さんがいないのなら2次会なんて 行かずにさっさと帰ってしまおうとも思い ましたが2次会会場は地元でも超がつく ほどの高級ホテルでビュッフェ形式で食事 がとのことだったのでこんなチャンスは 2度とないと思い俺は食事目当てで参加を 決めまし た普段ビジネスホテルで働いている俺です がやはり高級ホテルとなると食材から調理 法までま新しいものばかりで気がついたら お腹がはち切れそうなくらい食べてしまい まし たちょっとあんた食べすぎじゃない相 変わらず貧乏なのねこんなところで クイージ待っちゃってえ 江口やっぱり来るんじゃなかっ たそう心の中で呟いていると江口がまた口 を開きまし たあんたとつるんでた佐々木さん今日来て ないわよねやっぱりお落ちこぼれは顔出せ ないのかしらあんたはずずしすぎるの よやっぱり佐々木さん来てなかったん だあんたも知らなか てっきり落ちこぼれ同士今でも仲良くやっ てるものだと思ってた わ中学卒業してから音沙汰ないんだふう私 には関係ないけどねじゃ私みんなから写真 撮っててせがまれちゃって忙しいのよまた [音楽] ね人になっても相変わらずな江口の態度に は俺はもう怒りの感情さえも湧きませでし た2次会はどんどんお酒が入りみんな 思い出話に花が咲き始めたので俺は会場を 後にすることにしまし たそれから数ヶ月俺は中卒でお世話になっ たビジネスホテルを退職しましたそして 新たに向かった先は成人式の2次会の会場 となった高級ホテルでした二次会の時に 食べた料理の味が忘れられなかった俺は俺 もこんな高級な料理を作ってみたいこんな 料理を作っている人のそばで仕事がしたい と思うようになりタイミングよく出た求人 に応募していたのでし た調理学校を出ているわけでもなく海外に 留学した経験があるわけでもない俺でした がイタリアンの部門で雇ってもらうことが できたの です2次会で料理を食べた時の衝撃と感動 働きたいという熱を素直に伝えた結果 チャンスを掴むことができたのだと自分で は思っていますそしてそこでなんと衝撃の 出会いがありまし たイタリアンレストランに配属されて 下積みを経験して1年ほど経った頃俺は まなを任せてもらうことができていまし た今日はトマトパスタです暑いうちに どうぞ俺がいつも通り厨房にいるスタッフ 分の賄を取り分けようとすると普段聞き なれない女性の声が聞こえてきたの です私もいいていい かしら俺は声のする方をはっ見るとそこに は佐々さんの姿がありましたえ佐々木さん えなんで藤堂君 が俺今ここで働いてるんだよ料理人になり たいっててたけどまさかこんなところで 会う なんて俺は佐々木さんと念願の再会を 果たしたのでした中学の時から変わらない 天心爛漫な笑顔に俺は心を奪われまし た藤堂君いつからここに1年前くらいかな それまでは別のホテルでそうなんだまだ本 たくさん読んでる仕事始めてから全然読め てないな毎日家に帰ったらヘトヘトで時間 ないよ私も同じ全然読めてないそれに結局 大学まで海外にいたからレポートとか サークルとかでそれどころじゃなかったの だから成人式もいなかったんだそうなの 本当は久しぶりに藤堂君に会いたくって 帰国しようか考えたんだけどちょうど大学 の忙しい時期とかぶちゃって俺も佐々木 さんがいたらいいなって思って成人式に 参加したん だそうだったんだお互い同じこと考えてた なんて笑っ ちゃう7年ぶりの再会でそんなたいもない 話ができて俺はとても嬉しかった ですその日をきっかけに息投合した俺たち はそれから数ヶ月後に交際を始め翌年には 結婚すことになりました人生何が起きるか 本当に分からないものですまさか自分が 佐々木さんのような女性と結婚することが できるなんて夢のようでし た同じホテルで働いていましたので互いに 不規則な勤務時間ではありましたが家だけ でなく職場でも顔を合わせることがあり俺 にとっては仕事へのモチベーションにも なりましたそしてさらに数年後には子宝に も恵まれ俺は人生で1番幸せな日々を送っ ていまし たそんなある日やよいが思い出したように 言ったの ですそういえば来週同窓会があるの知っ てるうちのホテルでやるみたいなんだけど 同窓会中学のそうそう実家にはぎが届いて いたらしいんだけど私昨日まですっかり 忘れてて友達から来ないのかって連絡 もらって思い出したのよああ確か来週 100人近い団体の予約が入っていたな俺 たちの中学の同窓会だったんだ全然知ら なかったよ正弘は 仕事その日はたまたま休みなんだだったら 同窓会私と一緒に行かない1人だと子供の 面倒が心配だけど正弘が一緒なら私行き たいかな成人式で友達に会えなかったから みんなに会うの中学の卒業式ぶりなの よ確かにそうだな一緒に行こう かそして1週間後俺とやいは同窓会に出席 しました成人式の2次会ぶりにお客さんと してホテルに入りましたがやはりその高級 さに心が踊りまし たやよいはフロントで接客の仕事をしてい ますので慣れている様子でスタスタと歩い ていますが普段レストランの厨房にいる俺 にとっては非日常的な光景なのですそして やいは10年以上ぶりに合う給油との再を 楽しんでいまし た俺はと言うと小担当で炭の方に立っては 飲み物片手にボーっとありを見渡してい まし たあれ藤堂 あんた子供生まれた の江口が俺に声をかけてきたのです1番 絡みたくない人に必ず絡まれる運命なのだ と俺はこの時思いまし たまた江口かどうせちやほやされに来たん だろう何よ私が活躍してるからって嫉妬し てる のするわけないだろうだったら何を ぼーっと会場見渡しちゃってさまた佐々木 さん探してるんでしょう探してなんかない よそんな嫌味ばっかり言ってて楽しい嫌味 を言いに同窓会に来たのかそんなわけない でしょ友達に会いに来てるに決まってる じゃないあんたと一緒にしないでよね そんなことより相変わらず汚ったない服着 てるの ねこれはさっき子供と公園に寄ってきて砂 で汚れたんだもう貧乏じゃないし服も 買える家庭も持ってて幸せに暮らしてる よ独身の私がみじめみたいな言い方やめ なさいよそれに相手は誰なのよあんた みたいな中卒落ちこぼれ野郎なんかと結婚 してくれる人この世にいるの かしらいるよあそこに江口も知ってる だろうえ佐々木さんまさかあんたたち中卒 夫婦ちょっと子供の将来大丈夫な のあまりにも大きい声で人に暴言を吐く 江口の声を聞いて中学3年生の時の担任の 先生が近づいてきましたおお藤堂元気そう だなはいおかげ様で先生聞いてくださいよ 藤堂と佐々木さんが結婚したって言うん ですよそれは同窓会の打ち合わせの時に 聞いているよ知ってたんですかだったら こんな奴らに招待状を送らないでください よこんな高級ホテルに砂のついた服着て くるなんてそれに藤堂自分でも思わない わけこんな高級ホテルに自分はふさわしく ないって成人式の2次会で回来てるんだ からもう十分でしょ中卒の負け組2人には バ 帰れおいおい江口お前何言ってるんだこの ホテル担任がとっさにそう言うとこの ホテルは私の両親が経営するホテル です総会話を割って入ってきたのはやい でした え保を開けて言葉が出てこないといった ような表情をしている江口にやいが 畳みかけるように話し始めたの ですこのホテルの総子犯人は私の父です それに今私はフロントで働いていますが 時期総子犯人としてこのホテルの経営にも 関わっていますそれに私が中卒ですって何 を勘違いしているのかわからないけど私は 中学を卒業後アメリカの高校に通ってその まま大学へ進学しMBAも取得しているわ 正弘は確かに中卒だけど今じゃこのホテル のイタリアンレストランの料理長よあなた が今この会場で食べている料理も正弘が メニューを考えたものなのそんな私たちに 向かって場違いですってその言葉そっくり そのままあなたに返してあげますこの場 から出ていてちょうだい やいはビシっと江口に言うと江口は悔し そうに走って会場から出ていきまし たその後俺とやよいはせっかく同窓会に来 てくれた先生の前で大人気ない行動を取っ てしまったことを謝りましたですが笑って 今度はプライベートで来るよと言ってくれ た先生は翌週本当にご家族を連れて食事に 来てくださいました それから数年してやいはホテルの総子犯人 となりました忙しく働くやいに変わって 子供の幼稚園の送り迎えや家事はできる だけ俺が頑張るようにしてい ます仕事では料理長という立場で時に 厳しいことも言ってしまいますがやよいと 子供にはデレデレの俺ですのでいつまでも 仲良く幸せに暮らしていけたらいいなと 思っています [音楽]

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