【スカッと総集編】息子宅に行くと丸刈りにされた息子嫁が凍える部屋で孫を抱いていて私「今どこ?」息子「家族3人でハワイw 」→キレた私は家を解約、息子をクビにして居場所を全て消し去った結果【感動する話】
孫の直が生まれて初めての冬を迎え た天気予報ではこの日は記録的な冷え込み を迎えたと伝えて いるあの子たちは大丈夫 かしら真っ先に頭に浮かんだのは息子嫁の ゆかちゃんと生まれたばかりの直のこと だ2人とも寒さで体調を崩していなければ いい けれど心配になった私はその日の夜ゆか ちゃんにスマホでメッセージを送っ た赤ちゃんもゆかちゃんも風を引いて ないところが2度3度メッセージを送って も返信は愚か既読すらつか ない真面目な性格だから無理をしてないと いい けどさらに1時間待って念のためにもう 一度電話をかけてみたがやはり結果は同じ だった たごではない わ考える間もなく私は厚手のジャンパーを 羽織って自宅を飛び出し息子家族が暮らす ハツへと車を飛ばし たインターホンを鳴らしたが反応はなく家 の中でゆかちゃんが倒れているところを 想像した私はすぐにハツの管理人を呼んで 鍵を開けてもらっ たどこにも証明はついておらず街灯の白さ だけがほかに忍び込んでい た記憶を頼りに手探りで壁のスイッチを 見つけるところが何度つけたり消したり 切り替えても署名は全く反応しなかった どうなってるの よ不安と苛立ちで心の中が爆発しそうだっ た私は仕方なくスマホのライトで室内を 照らしながら足を踏み入れていった ちゃん いるやはり外出しているだけなのだろうか そう思って引き返そうとした時寝室の方 からかかに赤ちゃんの声が聞こえたような 気がし たゆかちゃんそこにいる の私はすぐに声が聞こえた寝室へと向かっ たゆか ちゃんゆかちゃんは寒さでガクガク震え ながらも生まれたばかりの直をシで包 必死で守ろうとしてい た一体何があった のライトを当てると驚くべきことにゆか ちゃんにとって最大の自慢だった長い黒髪 が後方もなく短く切り刻まれてほぼ坊主頭 になっていたので あるひどいどうしてこんなこと に私の名前は 斎藤1歳私は美容師として長年自宅兼店舗 の美容室で働いている気心の知れた常連 さんと毎日のんびりおしりを楽しみながら の作業は何よりの生きがい だ店は元々夫と2人で始めたものだその夫 は若い頃に癌で亡くなってしまっ た息子の春あが生まれて間もなくのことだ それでも私はめげることなく女で1つで春 あを育て上げ たところが春あは私の努力をよそに全く 言うことを聞かず中学に上がると学校を さぼりがちになってしまうたまに学校へ 行けば問題を起こし私は何度も担任に 呼び出されては頭を下げていたそして中学 を卒業すると春空は進学することもなく 毎日町へ出ては遊び歩くようになっ た父親がいないことへの劣等感がそうさせ たのかあるいは私が母親として不甲斐ない せいなのか答えを見い出せない私は春あの 将来に不安を抱きいつも頭を悩ませてい ただからそんな春空の口からある日突然俺 美容師になりたいと言い出した時には私は 夢でも見ているのかと思わず頬をつねる ほど驚いたどういう風の吹き回し 美容師と言ったらやっぱ女に持てる でしょうと春あはにやりと笑って答えた なんだかんだ言って親の背中を見て育つの ね理由はどうあれ息子が初めて自分の将来 に向けてやる気を見せたことを私はにえる ことにし た春は美容師学校を順調に卒業すると しばらくは先輩の店で見習いとして働き 始め た後に妻となるゆかちゃんもその店で働い ており春は一目で彼女に心を奪われた らしいもうアプローチの末ゆかちゃんと 結婚することになった春は自信に満ち溢れ た表情でこいつと結婚することにたからと 私にゆかちゃんを紹介してき た初めましてゆかと申しますお母さんも 美容師をされているんですよね勉強させて いただき ますゆかちゃんは長い黒髪がとても似合う 笑顔の明るい素敵な女性だっ たこちらこそ末長くよろしく ね私もゆかちゃんを一目見た瞬間彼女を 好きにになっ た結婚から1年が経ったある日春が独立し て自分の店を持ちたいと言い出した見習い を始めてそれほど時間も経っていないのに 春は美容師としてすっかり自信をつけた よう だ美容師になったからには自分の店を持っ て自分の実力で勝負したいんだ よ正直な気持ちを言えば私は少し不安だ だった心マが簡単に独立してやっていける ほどこの世界は決して甘くないことを私は 長年の経験で知っていたから だそれでも真剣な志しで夢を語る春空の 気持ちを私は無視できなかっ た資金はいくらあるの私が尋ねると春あは 少し困った表情でため息混じりに預金通帳 を見せた 美容紙見習いとしての収入は毎月入って いるもののそれと同じ金額の出費を 繰り返していたこれではとても独立開業 できるほどの資金力に届かない春あは せっかく稼いだ収入のほとんどを遊びに 使い果たしていたの だ本来であればここで諦めるよう止める べきだったのだろうけれど私はにこりと 微笑んで分かったわお金のことなら心配し ないでと息子のわがままを聞き入れて しまった長年父親のいない寂しさを背負わ せてしまったことへの罪滅ぼしのつもり だったのかもしれ ない実を言うと泣き夫が残してくれた生命 保険を私はこれまで全く手をつけてい なかったの だ春秋のためだものきっとあなたも許して くれるでしょ 泣き夫の異を見つめながら私は心の中で 語りかけ た常連さんの中に不動産に精通している 女性がいたので私は彼女に相談してみ たそれならあそこがいいわ ね半年前まで利用室として使われていた 物件だが天主が恒例で店を閉めたらしい立 条件も悪くないので息子の角手には ちょうどいいかもしれないと彼女は太鼓版 を押してくれたまたいざ回収工事が始まる 時にもうちの旦那休みはどうせ1日中家の 中でゴロゴロしてるんだから使っちゃい なさいうちの息子も大学で建築学を学んで いるんだけどちょうど夏休みで寄生してる から勉強も兼ねて手伝わせるわと他の常連 さんたちも力になってくれたおかげで工事 も順調に進んだそして保健所の許可も無事 に通り店の開業はあっという間だっ たまさかこんな短期間で独立できるなんて 思わなかったよみんなに感謝するのよ あなた1人の力じゃ何もできないんだから ね分かってるって母さんには感謝し てるそれから私は夫のの遺産を預けた通帳 を春に渡した物件の購入と回収費用が思い の他安く済んだので夫の遺産はまだ半分 以上残っていたの だこれはお父さんからあなたへの贈り物だ からね営業費用として大事に使うんだよ 決して無駄遣いするんじゃないよあはい はい俺も子供じゃないんだからいちいち 言われなくても分かってるって 春あは煩わしそうに苦笑し たお母さんご安心ください原あさんが変な ことに使わないよう私が厳しく目を光らせ ておきます から朗らかに微笑むゆかちゃんの言葉に私 は思わず笑ってしまっ た春あのことはともかくしっかり者のゆか ちゃんも手伝ってくれるので私がこれ以上 口出しすることもないだろう楽観的に考え た私は遠くから2人の経営を見守っていく ことにし たところが私はすぐに自分の考えが甘かっ たことに気づかさ れるゆかちゃんは仕事が終わると時々私の 店に顔を出して近況報告をしてくれるのだ がその度に彼女の表情は暗く沈んでいっ たそして息子の独立開業から3ヶ月 さんが仕事に身が入らなくて困ってるん ですえ春あがどうして店を始めた当初は もちろん春さんものりのりでした俺の腕が あれば繁盛間違いなしと気合い十分でした それが1ヶ月もすると笑顔がなくなりお客 さんに対しても冷たい態度で接するように なってしまったんですそれが3ヶ月も続く と店の評判もくみでどんどん悪くなって しまってそのうちお客さんも来なくなっ てゆかちゃんの報告を受けて私は信じられ ない思いだった春あは自ら望んで自分の店 を持ちたいと言っていたのだ開業前は あんなに張り切っていたのにこの短期間に 一体何があったというの だろう春さんは美容師としての腕があれば 接客はどうにでもなるだろうと甘く考えて いたような気がしますでもお店の営業は そんなものじゃないの にゆかちゃんはそう言ってため息をつい た確かにゆかちゃんの言う通り店の経営は ただ美容師の腕さえ良ければ万事がうまく いくわけではない逆商売である以上お客様 への接客態度も経営の義足に大きく影響し てしまうも だ春にはそういった基本的な考えが欠落し ていたということ かそれで春あはどうしてるの客が来ない ことに苛立ちが募っているみたいで毎日 昼間から飲んでばかりこれでは仕事にも身 が入らずますますお客さんが遠いてしまい ます今のところお客さんが来たら私が対応 していますがこのまま店の評判が下がれば はさらに厳しくなってしまい ますゆかちゃんは今にも泣きだしそうな顔 だったが私も同じ気持ちだった分かったわ 今度私の方からあの子にガツンと言って やるありがとうござい ますゆかちゃんはふぶかと頭を避けてそれ から長い黒髪をかき上げ たゆかちゃんの髪いつ見てもうっとりして しまうわ 私は暗く沈んだ空気を払拭するように話題 を変えたこの髪中学の時から伸ばし始めて いるんですよとゆかちゃんは誇らしげに 答えたそんなに昔からこだわりでもあるの ヘアドネーションってご存知です かゆかちゃんは真剣なまなざしを向けた ヘアドネーションそういえば美容の会合で 聞いたこがあったわねでも詳しいことは よく知らないの よゆかちゃんは目の色を輝かせて 答える先天性の疾患や病気や事故で髪の毛 を失ってしまった子供たちのために本物の 髪の毛を使ったウィッグを作るんですその ために必要な紙を伸ばしてその活動をして いる団体に寄付するのが私の目的なんです 誰かの役に立てるなんて素敵だと思いませ んか昔新聞でヘアドネーションのために髪 を伸ばしている女優さんの特殊記事を読ん だことがあってこれなら私にもできるか もって ええゆかちゃんまだ若いのにとても立派だ わ熱弁するゆかちゃんの迫力に圧倒されて 私の心も強く揺さぶられ た春あとの結婚から半年後ゆかちゃんが 妊娠し たゆかちゃんは根が真面目な性格で私が目 を離すとすぐに無理をして しまうゆかちゃん今が1番大事な時期だ からねあまり無理しちゃだめよ私は耳に タコができるほど繰り返し忠告したその度 にゆかちゃんは軽く笑ってご心配なく体の ことはお腹にいるこの子と相談しながら 無理のない範囲で頑張りますからと返す ばかりではめに見れば少しも休んでいる ようには見えなかっ た結局ゆかちゃんは臨月ギリギリまで家計 を支えるために店に立って働き続けていた がお腹のの父親である春あの態度は以前に も増して悪くなってい た全く何を考えているんだ かゆかちゃんから近況報告を受けるたびに 私は母親としての不quiteなさを 思い知らされ たある日仕事を早く終えた私が息子夫婦の 美容室に様子を見に行くとちょうど遊びに 出かける春あと待ち合わせたどこへ行くの 飲みに行くんだよどうせ今日はもう客も来 ない だろう春は焦る様子もなく自分の境遇を 笑い飛ばすように言った客が入らないこと がもはや春秋にとっては状態化しており それを改善する努力すら見せなくなってい たあんたもうすぐ父親になるんだ よ私が苦言を呈しても春は付き合ってい られないとばかりに手でハエを追い払う 仕草を見せてバイクにまたがった話は 終わってないよ少しはゆかちゃんの身にも なってはいはい気が向いたらそうする そう笑って春あは私の声を振り切るように バイクを発信させ た店に入るとゆかちゃんがフロアーの掃除 をしているところだった今日もなんとか 1人だけお客さんが来てくれまし たそう言ってほがらかに微笑むゆかちゃん の顔は妊婦とは思えないほどやれている ように見え たちゃんと食べてる栄養は取りなさいよご 心配なく お母さんあんたのダメじゃないよお腹の 子供のために行ってるんだ よ少し厳しい言い方だったが私はあえて 強い口調でしかったゆかちゃんは私の真意 を組みとってくれたようでありがとう ございますと涙ぐんだこんな時肝心の父親 がそばに寄り添ってあげないでどうするん だ 私はこの場にいない春あを心の底から 怒鳴ってやりたかっ たゆかちゃんの話では店の経営も決して 芳ばしくないというそれなのに春あは毎晩 遊び歩いてお金を湯水のように使っている らしいあの子に通帳を渡したのは間違い だったわ ね今更ながら私は自分の判断の謝りを後悔 した ゆかちゃんはどんなに忙しい時でも髪の 手入れだけは欠かさなかったお腹を優しく 撫でながらゆかちゃんはこう言った生まれ てくる子供に教えてあげたいんです誰かの 役に立てる素晴らしさ をそんなゆかちゃんの支えになりたいと私 は思っ た私は役に立たない息子に変わってゆか ちゃんたちが住んでいるハツへ行って彼女 の身の回りのお手伝いをすることにし たいつもすみません気にしないであなたは お腹の赤ちゃんのことだけ考えていれば いいの よ私が息子の育て方を間違えてしまった せいだそのせいでゆかちゃんは辛い思いを している私なりのせめてもの積み滅ぼしの つもりだったのかもしれ ない夏の終りゆかちゃんは予定より早く 気づいて病院に運ばれたそれなのにこの時 も春はどこを遊び回っているのか連絡が つかない状況だった私は繰り返し春あに メッセージを送り続けたが待てど暮らせど 変身どころか既読すらつかない全くこんな 時に何やってんの よゆかちゃんの親は2ともすでに会して いるため彼女のそばにいてあげられるのは 私しかいなかったゆかちゃん私がいるから 安心し て必死で出産と向き合っているゆかちゃん に私は何度も励ましの言葉を投げかけ たそれから長時間に及ぶナザの末赤ちゃん の元気いっぱいの鳴き声が私の耳を つんざくたゆかちゃんやったわ ね私の目から涙が込み上げてきたがその場 に立ち合うはずの春空はついに1度も姿を 見せなかっ た孫の直が生まれて初めての冬を迎えた 天気予報ではこの日は記録的な冷え込みを 迎えたと伝えている通りで布団から 起き上がれないほど寒かったわけ だあの子たちは大 かしら真っ先に頭に浮かんだのはゆか ちゃんと生まれたばかりの直のことだ2人 とも寒さで体調を崩していなければいい けれど心配になった私はその日の夜ゆか ちゃんにスマホでメッセージを送っ た赤ちゃんもゆかちゃんも風を引いて ないところが2度3度メッセージを送って も変身は 既読すらつかない体調を崩して動けなく なっているのではないかと私はゆかちゃん が心配になった真面目な性格だから無理を してないといい けどさらに1時間待って念のためにもう 一度電話をかけてみたがやはり結果は同じ だっ たたこではないわ考えるまもなく私は厚手 のジャンパーをっ 自宅を飛び出し息子家族が暮らすハへと車 を飛ばし たハツの前に停車すると家の中は真っ暗闇 に包まれて いる年末から年始にかけて海外で暮らす 家族は珍しくないがゆかちゃんたちから そんな話は聞いていないしそもそも旅行を するだけの経済的ゆりはないはず だインターホンを鳴らしたが反応はなく家 のの中でゆかちゃんが倒れているところを 想像した私はすぐにハツの管理人を呼んで 鍵を開けてもらっ た自分は外で待っていますので何かあっ たら言って ください私は管理人に礼を言って家の中に 足を踏み入れ たどこにも証明はついておらず街灯の白さ だけがほかに忍び込んでい た確か玄関を入ってすぐのところに照明の スイッチがあったはずだ記憶を頼りに 手探りで壁のスイッチを 見つけるところが何度つけたり消したり 切り替えても照明は全く反応しなかった どうなってるの よ不安と苛立ちで心の中が爆発しそうだっ た私は仕方なくスマホのライトで室内を 照らしながら足を踏み入れてい たゆかちゃん いるリビングで声をかけてみたが全く返事 はなかったやはり外出しているだけなの だろう かそう思って引き返そうとした時寝室の方 からかすかに赤ちゃんの声が聞こえたよう な気がしたゆかちゃんそこにいる の私はすぐに声が聞こえた寝室へと向かっ たゆかちゃん ゆかちゃんは寒さでガクガク震えながらも 生まれたばかりの直をシで包み込み必死で 守ろうとしてい た一体何があったのライトを当てると驚く べきことにゆかちゃんにとって最大の自慢 だった長い黒髪が後方もなく短く切り刻ま れてほぼ坊主頭になっていたのである ずっと泣いていたのかゆかちゃんの目のは 赤く晴れてい たひどいどうしてこんなこと に私は自分が着ていたジャンパーを脱いで ゆかちゃんにかけたもう大丈夫よ無理し ないで話せる範囲で構わないから何があっ た のゆかちゃんはゆっくりとした口調で語り 始め た春は直人が生まれた後も以前と変わらず 毎日遊び歩いていたというそのうち電気代 も払えなくなったゆかちゃんはついに我慢 できなくなって春空を出席したのだもっと 父親としての自覚を持ってほしいゆか ちゃんはそう願ったがその思いが春あに 伝わることはなかっ た春あは月光したまたま近くにあった練習 用のヘアカットハミでゆかちゃんの長い髪 を無増さに切り始めたの だゆかちゃんは最初やめてと抵抗を試みた というけれど無理に抵抗して間違って直人 に危害が及ぶようなことがあってはなら ないと考え抵抗するのをやめてしまっ た春あは笑いながらこれでお前も人前に顔 を出せないだろうと言っていたという息子 のあまりに非常な言動に私は言葉を失った どうしてこうなるまで言ってくれなかった のごめんなさい お母さんごめん なさいそう言ってゆかちゃんはまたしても 自分自身を責め始めた違うのよごめん なさいゆかちゃん別にあなたを責めている わけじゃない悪いのは春空なのあなたは何 も悪くないの よゆかちゃんは私に心配をかけてはいけ ないと思ってあえて何も相談しなかったに 違いないの だ私は泣きじゃくるゆかちゃんを強く 抱きしめたこうなった原因は全て私が春あ をとことん甘やかして育ててしまった結果 なのだ自分自身の不quiteなさと他人 の痛みを理解できない息子に対する怒りで 私の心は燃えたぎってい た私は一旦深呼吸すると春に電話をかけた 母さん久しぶりだなどうしたんだよ急 に久々にあんたの声を聞きたくなってね それよりそっちの様子はどうゆかちゃんと 直とは元気にしているもちろんだよみんな 元気でやってるよ自宅に電話しても誰も出 ないんだけど今 どこ私が尋ねると言い訳を考えているのか 春の声が一瞬止まっ 実は俺たち家族3人でハワイ来週に帰国 するからへえハワイか羨ましいわ ね私が何も知らないと思って明は堂々と嘘 をつい たこれまで私は何のために春あの面倒を見 続けてきたの だろう若い頃に夫をなくしてそれ以来私は 休まず美容として頑張ってきたそれもこれ も全ては春を立派な人間に育てるためだだ から春が美容師として独立したいと言った 時も私はためらうことなくその願いを叶え てやっ たそれなのに春あは私の気持ちなどお構い なしに自分が遊ぶためだけに夫が残して くれた遺産を使い果たしてしまったのだ そればかりか自分の妻や子供まで人とは 思えないひどい仕打ちをするなんて私は 絶対に許せない私の中で春あに対する期待 は失望へと変わっていっ たお土産は何がいい楽しみにしててよなん でもいいわ来週帰国するのねそう無事に ねおい母さんなんだか引っかかる感じだな どうかしたかよ 母さん明はまだ何か言っているようだった が私は構わず電話を切った私はハツの外で 待機している管理人に例を言うとゆか ちゃんと直人を連れて自宅に帰ることにし たそれから思いつく限りのところへ電話を かけたので ある1週間が経ち私のスマホに春あから 電話がかかってきた ちょうど空港に降り立ったところだと上 機嫌で言っている帰ったよちゃんと母さん にお土産も買ってきたから さ今更優しい息子を演じる春あだが私の心 はもう騙され ないそれはよかった わ私は欲のない声で答えたが春は私の異に 気づいていない らしい時間ほしてハツの前にタクシーが 止まったよほど楽しいハワイ旅行だったの か目の周りに3グラスの日焼け跡を くっきり残した春あがドランクから大量の 荷物を下ろしたポケットから鍵を取り出し 妻と息子が待っているはずの我が家へ足を 運び入れる鍵を刺して回せばドアはすぐに 開くと思っていたのだろうところが鍵を何 度し直しても鍵穴との形状が一致しない なんだよこれどうなって やがるたまりかねた春あが苛立ちを声に 出したその背後から私はそっと近づくと ハワイ旅行は楽しかったかしらとにっこり 笑顔で声をかけたが当然ながら心の中は 怒りで煮えたっていた母さん来てたのか の登場に春は何を勘違いしたのかほっと アンドの表情を浮かべている聞いてくれよ お母さん今帰って家に入ろうとしたらなぜ か鍵が入らないんだよきっとあいつの 嫌がらせだ1人で旅行に行った俺にゆかが 悪ふざけてこんな仕打ち よ自分は被害者で悪いのはあくまでゆか ちゃんだと言いたい らしい出産して間もいゆかちゃんとと 生まれたばかりの名と放っておいてあんた は何をやっていたの何度も言ってるだろう 俺は家族とハワイにあんた今1人で旅行に 行ったって言わなかっ た私が矛盾をしてすると春あは何も 言い返せなくなっ た家族3人でハワイに行ったなんてよくも そんな嘘を言えたものねゆかちゃんはね 電気も止められて寒い中ずっとなとを守る ように抱き抱えて震えていたんだよしかも ゆかちゃんがずっと大切にしてきた自慢の 長い髪もあんなに切り刻むなんて人として 心が痛まない のそれは悪かったよそれよりとにかく家の 中に入りたいんだ日本は寒くてこえそうだ よ春あは反省の色を見せることなく これ見よがしに両腕をさすって見せた ゆかちゃんと直人が味わった寒さはこんな もんじゃないよそれにあんたの住む家は ここにはもうないよはつはすでに私が解約 したからねこれからは自分の住む場所 くらい自分で探しなさいこ解約どうして そんな勝手な こと春あは急に慌て出したがそもそもハは 私の名義で契約したものだこのまま外で 立ち話を続 にもいかないので私はとりあえず春を近く の喫茶店に連れて行ってそこで話を聞く ことにし た注文したコーヒーを春あは無言ですすっ ていたがきっと味など分からないに違い ない春あは青ざめた表情で私の顔と コーヒーに視線を行ったり来たりさせ た電気代も払えないほどお金に困っていた のによくハワイに行けた ねそれ は春あは顔をしかめたがようやく観念して その身勝手な言文を語り始め た春あは開業した直後から友人や店でナパ した女性客にかっこいいところを見せたく て夫の遺産で遊び回っていたと いうそんな使い方をしていればたえ高額の 遺産でもすぐに使い果たしてしまうことは 春もわか ところが金の力に味を閉めた春は遺産を 使い果たした後も借金をしてまで仲間たち にプレゼントを買ったり旅行に連れて行っ たと いう店もうまくいってないのに随分と ふとっぱら ね心配ないよ俺だってプロの美容師なんだ これから本気を出せばすぐにでも客がやっ てきて家族を養っていけるさ どこからそんな自信が湧いてくるのか春あ は胸を張って答えた私は冷やかな視線を 春空に向けるとあんたの店だけどすでに 売却したからね道具も全部売っちゃったし 今更取り戻そうとしても手遅れよと息子の 根拠なき自信をこっぱミジに打ち砕いた嘘 だろどうしてそんな勝手なことをしたんだ は顔を真っ赤にしてテーブルを叩いたあら あの店を続けていく気があったの今まで ゆかちゃんに押しけっぱなしだったから てっきり店は捨てたものだと思っていたわ そもそもあの店の建物も土地も私の名義で 買ったものなんだあんたに今更文句を言わ れる筋合いはないんだ よだから今まで俺が遊び回っていたのは あくまで客集めが目的で俺だってちゃんと 考え て春あはお茶を買ってもらえない子供の ように今にも泣き出してしまいそうな目を して いるそんなに自分の腕に自信があるなら ゼロから立ち直るのも早い でしょう私は息子を冷たく突き放すと コーヒーの大金だけをテーブルにおいて店 を後にし たそれから1ヶ月 私もゆかちゃんも春あとの接触を避けてい たが聞きの悪い噂は自然と親の耳にも入っ てくるもの だ私に突き放された春あはあの後友人たち を頼ってお金の無視に本訴した らしいしかしそもそも春秋のお金目当てに 集まってきたような連中だあんの上経済力 を失った春に今更援助しようなどとは誰も 思わなったよう ださらに店でナパした女性客を行く先々で 待ち伏せしたことで警察に通報されて しまっ た結局警察からは厳重注意で住んだものの 人脈のなさを嫌というほど思い知らされた 春あはそのまま私たちの前から完全に姿を 消してしまったので ある今頃は金融会社の厳しい取り立てに 怯えながら1人寂しく暮らしているに違い ないそれもこれも全ては春あ自身が巻いた 種だ私が春明に対して怒りを抱いているの は金遣いの荒さだけではないそれ以上に 許せないのはゆかちゃんと直人を ないがしろにして苦しい生活に追い込んだ ことそしてゆかちゃんが長年大切に伸ばし 続けてきた髪を春あが身勝手な理由で 切り刻んだことだ あの愚かな行為によって本来ゆかちゃんの 髪を待ち望む名も知らない子供たちの 明るい未来が奪われたかもしれないという こと だ同じ髪を扱うものとして春あのとった 行動は決して許されるものではない長い 時間をかけて春はゆかちゃんが受けた心の 痛みを思い知る必要があるだろうゆか ちゃん自身は心の痛みを口にはしないけ 傷ついていないわけがないきっと私を心配 させまとあえて自分の気持ちに蓋をして いるように 見えるなんとかしてやりたいと思った私は 美子仲間のツてを頼ってゆかちゃん専用の ウィッグを作ってもらっ た息子の罪滅ぼしにもならないけどどうか これを使っ てありがとうございます お母さんゆかちゃんは笑顔で礼を言ったが その方には大粒の涙がこぼれてい た私は腰が痛いのを口実にゆかちゃんに店 を手伝ってもらうことにしたゆかちゃんは 心の傷を忘れようとするかのように がむしゃらに仕事に励んで いる直人君 こんにちは常連さんが声をかけるとゆかの はキと声をあげて笑い出すこの頃ではなと 目当てに訪れる客もいるくらいだ招き猫 ならぬ招き赤ちゃんと言ったところか体も 心も少しずつ元気を取り戻していったゆか ちゃんは春あとの離婚に向けて本格的に 動き始めて いるゆかちゃんの笑った顔を見ていると 私たちもなんだか20歳くらい若返った 気分だ は常連さんの1人が冗談めかしていったが ゆかちゃんと直との存在が店を明るく 盛り立てているのは紛れもない事実 だろうゆかちゃんの朗らかな雰囲気に 吸い寄せられて同じく子育てママが常連客 としてたくさん訪れるようになっ たさて今日も1日頑張るわよあ いらっしゃいませ 今日も店内は笑顔で溢れているその片隅で は直人がスヤスヤ可愛い寝息を立ててい たおばさんが裕介さんにしてあげられ なかったこと代わりに私が叶えてあげたわ よそう言って名の優香が生まれたばかりの 赤ちゃんを私に見せつけ た言葉につ私を見て優香は勝ち誇ったよう に笑を浮かべて いるうちの子優香に似て可愛いだろう きっと将来はモデルか女優さんだ な私を裏切った夫の裕介が追い打ちを かけるように言っ たそろそろ帰るとするか独り者の教子に俺 たちの幸せを自慢できたし今日はとても 満足だ 裕介が優香と目を合わせてにやりと不敵な 笑を浮かべ た子供を一体何だと思っているのか子供が 埋めなかった私にわざわざ見せびらかす ための道具としか考えていないのではない か2人の態度に私の怒りは限界に達しつつ あっ たその時私はある事実に気づいたあれこの 子どうしたんだよ急に思わず呟いた私の声 に裕介がわずかに反応する私は途端に 面白くなってと笑いが込み上げてき た私は赤ちゃんの方を優しく撫でてこう 言ったまるで天使ねでもこの子の歯 だそして私がある事実を打ち明けると 勝ち誇って笑っていた2人の表情は立ち まち凍りつい た私の名前は前田京子52歳夫の裕介は 大手勝者で専務をしておりその裕介を私は 長年専業主婦として支えてきた介は時々 会社の部下を連れてきては私の手料理を 食べさせて 裕介の口から飛び出るのはほとんどが若い 頃の自慢話だ連れてこられた部下たちも すごいですねと負傷しながら裕介の長話に 付き合ってくれてい た部下が私の手料理をおいしいと言って 褒めると裕介はにやっと笑ってまあこいつ にはそれくらいしか才能がないからな高級 の俺に食わせてもらってんだからこれ くらいやってもらわないとただの極つぶし だよと部下たちの前で私を軽んじるような ことを言っ た全く不快に思わないといえば嘘になる けれど反論できる立場にないと私は常日頃 から自分に言い聞かせてい た結婚してもうすぐ30年になるけれど 私たち夫婦の間には子供がいない私は結婚 したら少なくとも2人は子供が欲しいと 憧れを抱いていて不妊治療にも時間とお金 を費やしてきたが子宝からには恵まれ なかっ た子供を埋めなかったことに私は後ろめた さを感じていたのだだからゆからどんなに 心ない発言を浴びせられてもこれくらいは 我慢しようと笑ってやり過ごしていたので ある それに仕事の話をしている時の裕介の目は まるで少年のようにキラキラと輝いていて そんな裕介の力に少しでもなれれば嬉しい と私は思っていた結局のところ私は裕介に 惚れているの だそんな私にも料理以外でもう1つ得意な ことがあった学生時代から趣味でやってい た裁縫だ母親が手縫いの人形を作るのを 見よ見真似で作っていたら友達からの評判 がとても良かったその特技を生かして少し でも家計の助けになればとぬいぐるみやお 守りの包み作りを始めたの だ高級鳥の夫に比べたら大した収入には ならないかもしれないそれでも私はせめて 少しでも裕介に美味しいものを食べさせて あげたいとの思いから小遣い程度の内職を 続けてい た私たちが住んでいるマンションには週末 になるとメイの優香が泊まりにやって くる優香は私の姉緑の一人娘で小規模な 勝者でジムの仕事をして いる彼女が泊まりに来るのには理由があっ た駆け出し中のアイドルグループを応援 するため だこの前がテレビにちょこっとだけ出てい たんだよねいやあマジかっこよかっ た優香は若い男性の顔写真入り内輪を仰ぎ ながらやってきた徹夜というのはその内輪 の男性でアイドルグループのリーダーで あるそのアイドルグループが私たちの マンションにほど近いクラブで毎週末に なると定期公演を開催しているのでそれに 合わせてうちに泊まりに来るの だちゃん最近またグッズが増えたんじゃ ない優香がうを訪れる度私たちの部屋には 彼女の荷物が増えていっただって新しい グッズが出たら欲しいじゃんそれに徹夜は 1番人気だから発売と同時にすぐ売り切れ ちゃうんだよ絶対手に入れ なきゃ公園を前に大の目に私は苦するしか なかった確かにのアイドルのグッズを買う のはファンとして嬉しいし私も昔は好きな 歌手のレコードを集めていたから気持ちは 分かるしかしだからといって購入した グッズをわざわざ我が家に持ち込んでくる 必要があるのだろうかと私は不思議に思っ てしまうのだそんなに多かったら文字運べ ないでしょ大変じゃない別にいいの買った グッズはここに保管する からゆはは当然のように私たちの寝室の 片隅に荷物を置い たうちは夫と2人暮らしだからそんなに 広くはないのよえいいじゃんどうせおじ さんも帰って寝るだけ でしょ私は諦めてメのわがままを 受け入れるしかなかったあそれとこれ忘れ てたお母さんに戻されていたん だそう言って優香はカから高級茶葉の包み を取り出した優香を預かる私に姉夫婦は 時々贈り物をしてくることがあり優香にも こうして毎回必ず手土産を持たせていた もうそんなに気を使わなくていいの に姉のみは高校を卒業した後30歳までは 県外で働いていたがその後両親が始めた 雑貨屋を継いで従業員として働いていた一 が無用紙に入った近くに大型商業施設が 進出してからは客入りが大きく落ち込んで しまったので無理して贈り物なんてしなく てもいいと私はいつも言っているのだ けれど優香が迷惑ばかりかけてごめん なさいねと姉は申し訳なさそうに電話越し に謝罪を繰り返すばかりだっ たしかし党の優香本人はこのところ目に 余るところがある優香は私たち夫婦が不在 の時でも勝手に部屋に上がり込むように なったのだ話を聞いてみるとどうやら裕介 が彼女に相かを渡していた らしいどうせ毎週来るんだし相加くらい 持っていた方が何かといいだろうと裕介は 優香に対して甘いことを言ったさすがおじ さん分かっ てるそう言って優香が裕介の腕に抱きつく と裕介も頬の筋肉をにんまりと緩めた はあ仕方ないわ ね私も最初の頃はそうやってできるだけ 受け入れるようにはしていたのだ けれど3ヶ月ほど経ったある日寝室の机の 引き出しに入れていたはずの現金入りの 封筒が消えていたそのことを後で優香に 尋ねるとごめんおばさん借りただって徹夜 の新しいグッズがどうしても欲しかったん だ もんと悪びれる様子もなく答えた優香は 甘えるように私の顔を見つめてきたが優香 も社会人として働いているそれなりに生活 に困らないだけの収入は得ているはずだ そういうのは自分で稼だお金で買う方が 喜びも大きいんじゃない かしらもちろん自分の給料で買いたいよだ けどそれだけじゃ足りないんだよ ねことも投げに言う優香の言葉に私は気が 重くなったこの子は好きなアイドルの グッズ集めにどれだけの金額を注ぎ込んで いるの だろうお金の件だけではなかったこの ところ私の化粧水やクリームの減り具合が 休なのだ裕介は昔からお肌の手入れに気を 使わない人なので使うとしたらゆか以外に 考えられないそう思って私が問い詰めると 優香はあっさり自らの反抗を認めたごめん おばさんせっかくだから使わせてもらった よ何がせっかくなんだこのクリーム結構 高かったんだから ね私が眉間にシを寄せるとゆかわざと らしく両腕をこすって震えてみせたおば さん 怖いそこへ裕介もやってきてそれくらい別 にいいだろうと優香の隣に立って一緒に私 を笑うのだあなたも笑ってないでちゃんと 注意してくださいよ怒るなよそうやって 眉間にシを寄せていると余計にふけて 見える ぞ普段は滅多にを言わないが優がいる時に 限ってなぜか饒舌に なるそのことが私にはこさ不愉快で仕方が なかっ たとにかくうちにあるものをこれ以上勝手 に使われると困るのよ優香も仕事してるん だし自分のものは自分で買ってよねもし 今後私のものを勝手に使うならもう2度と うちに止めてあげないからあなたの お母さんにも伝えるから私が優香を説教 すると裕介は顔を真っ赤にしてこう言った いい加にしろお前の使っているものだって そもそもお前が稼いだものじゃないだろう 全部俺が仕事で稼いだもの だ私だって贅沢をしているつもりはない 切り詰めて切り詰めてどうにかやっている のカみたいに遊びのために使っているわけ じゃ ない俺が自分で稼いだ金だ優香ちゃんが 使うことを俺がいいと言ってるんだ好きに 使わせてやったらいい だろ裕介に怒鳴られて私は泣きたい気持ち になった確かに収入のほとんどは裕介が 稼いだものなので私もそれ以上反論はでき なかっ た裕介が味方になってくれないと知り心細 さを感じた私の指先はスマホに登録された 姉の連絡先をっていたがだめこんなつまら ないことで頼ってはいけない電話をかける 直前で思いとまってスマホ画面を元に戻し た姉夫婦は今頃売上が芳ばしくない雑貨屋 のことで頭がいっぱいだろうそんな時に夫 の愚痴をこぼしたところで余計な心配を かけさせてしまうだけだ夫婦の問題は自分 たちで解決しなければ 誰にも相談できずモヤモヤした気持ちを 抱え込んだまま日々は過ぎていっ た冬になり朝から本格的な寒さに包まれた ある 日曜日学生時代の友人から買物に付き合っ てと誘われていた私は昔勝って以来1度も 着たことがなかった毛皮のコートを着て 外出した久々に休みが取れた裕介にも事前 にそのことを伝えていた 夕方までには帰るつもりだけどもし遅く なったら先に食べていてくれる昨日の おかずをレンジで温め直し て俺のことは気にするなたまにはゆっくり してこいよそう言って裕介は満面の笑みで 私を送り出してくれた部下の前では私を 軽んじる裕が2人だけの時は優しく気遣っ てくれるそう思った私はこの人と結婚して 本当に良かったと素直に喜んだところが私 が駅に着いた時友人から電話がかかってき て状況が変わっ たごめんうちの旦那がぎっくり腰で動け なくなっちゃってさ悪いんだけど今日の 約束は仕方ないねまた時間があったらその 時は高級フレンチ奢って よしりに謝る友人を冗談で返して電話を 切った私はさてどうしようと今日の計画を 立て直そうとしたが特に思いつくことも なかっ た他にやることもないし愛する夫の待つ 我家へ帰るとします か途中スーパーに立ち寄りお昼の食材を 買って自宅マンションへと向かった裕介に もたまには温かいおでんでも作って食べ させてあげたいな そう思いながら玄関を開けると暖房の熱気 とともに強烈な香水の匂いが鼻を刺激し た同時に週末になると必ず目にする優香の 靴が目に止まっ た優香ちゃん来てるの声をかけても返事は なかったリビングに向かったがそこには誰 もいないおかしい2人とも一体どこに行っ ちゃったんだろう 人の気配は確かに感じているので外出して いるわけではなさそう だ食材を一旦冷蔵庫にしまい込んで私は 改めて部屋の中を見て回ることにし た寝室の方から裕介のいびきが聞こえて くるこんな午前中から仮眠でもしているの かしら私には裕介の仕事のことは分から なかったけれど という立場きっと平日は大変なのだろうだ から玉の休日くらいは寝かせてあげようと 思っ たところが裕介の寝顔を一目見ようと寝室 のドアを開けた私の視界に目を疑うような 光景が飛び込んでき た普段は私と裕介が寝ているベッドの上に 裸の介と優香が並んで寝ていたのだ2人 ともを立ていて私が帰宅していることなど 全く気づいていないあ あなた私はかのなくような声で呼びかけた 怒りの気持ちよりもむしろ夫に対する失望 の気持ちがまさってい た何度か呼びかけてようやく裕介が重い まぶを開ける ああなんだきこか意外と早かったんだな 寝ぼけているのか裕介は再び目を閉じた ゆかちゃんも ただいまゆかもうーんと伸びをしながら ゆっくりと上半身を起こした優香は私の 存在に気づくと隣で寝ている裕介の体を 揺さぶりおじさんおじさん起きてバレ ちゃった起き てまるで隠れんぼをしていて見つかって しまった子供のように優香はいたずらな笑 を浮かべながら裕介に呼びかけ た裕介も面倒くさそうに起き上がるとなん だよもうばれたのかとため行き混じりに 行って呑気にあびをしたどういう ことずっと信じていたものに裏切られた 現実に私は怒りをぶつけることも忘れてい たどうもこうも見ての通りだよ俺たちそう いう関係なん だとにかく2人とも今すぐ服を着 て私は自分でも驚くほど冷静に裸の2人に 指示を出し たそれから2時間後義両親と姉夫婦が私の 呼び出しに応じてやってきたごめんねさん お兄さん忙しいのに私たちのことは気にし ないでそれ より姉は慰めるように私の背中をさすると 同時に裕介と優香に刺すような冷たい視線 を向けたこれはどういうこと分かるように 説明してちょうだい 姉が優香を叱りつけたが優香は視線をらし てため息ばかりついているスマホで アイドルグループの最新情報を確認して いるのだそんなことしている場合じゃない でしょ姉がスマホを取り上げると優香はと 舌打ちをしたきこさんこの旅はうちのバカ 息子がとんでもない こと義母の愛子さんは涙を流して私に頭を 下げ た義両親は2人とも80歳以上の高齢で 寒い中ここまで来るのも大変だったはず だわざわざこんな年寄りまで呼び出すこと ない だろう裕介が煩わしそうに言うと義父のし 師さんがテーブルをドンと叩いたお前は 当事者としての自覚がないのかそうよ京子 さんにこんなひどい裏切りをしておいて 全くあんたという人 はお母さんも呆れた声で言って裕介を 睨みつけた 裕介さん一体どうしてこうなったの納得の 行く説明をしてくれ ない説明するまでもないでしょうこんな おばさんより優香のように若くて可愛い子 の方が男は好き でしょお前と一緒にするんじゃない同じ男 として俺は 恥ずかしい反省の態度をまるで見せない 裕介にお父さんは顔を真っ赤にして怒鳴っ た 優香も優香だいつもお世話になっている 京子さんを悲しませるなんてどこで育て方 を間違えたの かいつも科目な義兄の剣一さんもため息 まじりに嘆いたすると裕香は開き直ってて いうかせわしてくれたのはおばさんじゃ なくておじさんだよだっておじさん私が 欲しいって言ったらなんだって買ってくれ たよねこの家にある化粧品もバッグも好き なだけ使っていいって言ってくれるしさ ケチケチしたおばさんとは大違いだよと 全く反省するそぶりを見せ ないゆか京子さんに謝りなさいいやよどう して私がこんなおばさんに謝らないといけ ない わけ謝罪なんていいわ謝ってもらった ところで私と裕介との関係が回復すること はありません から私は冷静に言ったこれまで裕介に 尽くしてきた30年という時間は何だった のか裕介が人前でどんなに私を軽んじる 発言をしても私はずっとこらえてきたそれ ができたのは彼が私のことを愛していると 信じていたからだしかし裕介の裏切りを 知った今私が守ってきたものは一瞬にして 崩壊し た離婚しましょうそれ以外に選択肢はない わ教子はそれでいいの姉にそう聞かれて私 ははっきりと首を縦に下ろしたああサキ 教子これで俺たちは堂々と結婚できる ねそう言って裕介が優香の肩を抱き寄せた 2人は家族の目を気にすることもなく互い を見つめあって いるここへ来ると途中お父さんと話し合っ たんだけどあなたがもしも反省の態度を 見せなかったらあなたとは今日限りで親子 の縁を切るって決めたわと姉が怒りと 悲しみを滲ませて優香に言った別にいいわ よ私はもうお母さんたちがいなくてもやっ ていけるしそれにこれからはおじさんも いるんだ からそれなら答えは決まりだなもう2度と うちの敷をまたぐんじゃない ぞ健一ははっきりとした口調でそう言った それにこしたように今度は義父母が 裕介俺たちも今日限りでお前との親子の縁 を切ることにした よ姉夫婦と義父母は私に改めて頭を下げる と沈んだ空気のまま引き上げていっ たその後私と裕介の離婚が成立した弁護士 を通して離婚調定を進めた結果裕介と優香 の双方に対して慰謝料を請求することが 認められたが優香には負担をかけさせたく ないと結局は裕介が2人分の慰謝料を全額 まとめて支払っ たそして私との離婚から1ヶ月足らずで 裕介は優香と再婚し た俺は大手勝者の役員だ生活にも余裕が ある共有財産も全て無職のお前にくれて やる よ裕介はプライドの高さから共有財産を 放棄したそれに加えて2人分の慰謝料も 支払うことになったので本当はかなり 苦しい生活を強いられているようだしかし 私にはもう関係ない赤の他人なので裕介の ことは気にせず前のみを向いて歩いて いこうと決めた実家に戻った私は姉夫婦が 営む雑貨屋の手伝いをするようになっ た恒例の両親は2人とも施設に入って いる姉夫婦が両親の面会に行く日は私が 店番を引き受けることにしていた悪いわね いつも手伝わせてしまっ て迷惑をかけているのは私の方よ何もし ないで食べさせてもらうわけにも行かない でしょあんな目にあった私を姉夫婦はいつ も気にかけてくれたというより自分たちの 娘がしでかした誤ちを気にしているのだ その気持ちが伝わってくるだけにむしろ私 の方が申し訳ないと思ってい た私が実家に戻ってから3年目の夏何の 前ぶれもなく裕介と優香が私の前にに現れ たえどうし て見パをしていた私の視界に2人の笑った 顔が映った瞬間胸の中に黒いモヤモヤした 感情が広がっていくような気がした久し ぶりだねおば さんそう声をかけた優香の腕には生まれた ばかりの赤ちゃんが抱き抱えられていた その赤ちゃんを見て私は言葉を失って しまう優香が抱っこしているということは きっとこの子は優香が産んだ子供に違い ないそうなるとその子の父親は当然裕介と いうことになるだろう言葉につまる私を見 て優香は勝ち誇ったように笑を浮かべて いるおばさんが裕介さんにしてあげられ なかったこと代わりに私が叶えてあげたよ と優香は赤ちゃんを怪しながら言った 以前は裕介のことをおじさんと呼んでいた 彼女が今では裕介さんと名前で呼んでいる その現実に私の胸は激しく揺り動かされた そこへ外出していた姉夫婦が帰ってきた あんたたち今更何をしに帰ってきたのそれ が3年ぶりに起きした娘に対する言葉な のそう言って優香は抱き抱えていた 赤ちゃんを姉夫婦に見せつけた見てよ お母さん私たちの子供よ名前はあずさって いうのお母さんたちにとって初まになるん だ よそうおめでとう みとは一切感情を込めずに言うと視線すら 娘に合わさなかった優香は私を振り返って にこりと微笑んだ出産報告に来たわお祝い してねおばさんあずさちゃんです よろしくいい加減にしなさいどういう つもりなんだ全く少しは京子さんの気持ち を考えたらどうなん だ温厚なお兄さんもこの時ばかりは感情が 収まらないのか声を荒げ たうちの子優香にそっくりで可愛いだろう きっと将来はモデルさんか女優さんだ な裕介がデレデレしながら言った豪似した 姉が本気を手に取り2人を追い返そうと するもう帰ってちょうだいここはあなた たちの来る場所じゃないのよ商売の邪魔に なるからとっとと私たちの前から去り なさいそろそろ帰るとするか1人意味で 寂しい教子にたっぷりと幸せ自慢もできた ことだし今日はとても満足だ な裕介が優香と目を合わせてにやりと不敵 な笑を浮かべた 子供一体何だと思っているのかわざわざ私 に見せびらかして優越感に浸るための道具 としか考えていないのではない か優香の腕に抱かれる赤ちゃんを私は 悲しい気持ちで見つめていたその時私は ある事実に気づいたあれこの子どうしたん だよ急に首をかげた私にゆが軽減な表情を 見せる私は途端に面白くなってと笑いが こみ上げてきたなんだよ急に笑い出す なんてどうかしたんじゃない かおばさんショックのありおかしくなっ ちゃったんじゃない の私は赤ちゃんの方を優しく撫でてこう 言っ たまるで天使ねでもこの子の 肌肌肌がどうかしたの かとても健康的に見えるわ裕介とは違って 素敵な褐色 ね赤ちゃんの肌の色は確かに色白の裕介と は違って見事なまでに褐色だったのだそれ がどうかしたの か私の家族にも親族にもそんな褐色の人は 1人もいないわ よおかしいのか世の中には食の人間くらい いるだろうああそういえば優香の話ではひ じいちゃんが褐色だって言ってたなそう いうの確か覚醒遺伝って言うん だろゆは物知り顔で人差し指を突き立てて いったがそれを聞いた瞬間私の優香に 対する疑念は確信へと変わっ たありえないは何がありえないって言うん だよ裕介はは急に不安に駆られたのかど なるように私を問い詰めた私はその場から 離れると以前祖父母が使っていた部屋の 押入れから古いアルバムを引っ張り出して 持ってきたあったあったゆうすに見て もらいたいものがあるのよそう言って アルバムに納められた1枚の写真を見せる ただの家族写真じゃない かその写真には私と姉両親祖父母が並んで 移っていた両親が雑貨屋を始めた時店の前 で記念に取った1枚 だこの右端に移っている背の高い人この人 が私の祖父つまり優香の祖父母さんよだ からこれが何だって言うんだよどこにでも ある普通の家族写真 だろうまだ気づかないの祖父の肌をよく見 て肌割と色白だなだからそれがどうしたん だ別に普通 だろ裕介はまだ現実が理解できていない らしい首をかしげて戸惑う裕介とは対象的 に優香の顔は青ざめているもういいでしょ あずさにミルク開けなきゃ帰ろうよと裕介 のシャツの袖を引っ張った何も気づかない 裕介が優香に促されるまま引き上げようと したので私はさらにヒントを与えてやる ことにし た私の身内には褐色の人間なんて1人もい ないのよ祖父だけじゃないその他の親戚 だっって誰もいないおいまさかそれって ここまで来て裕介もようやく私が言わんと していることが分かったようだつまり あなたたちの間に褐色の子供が生まれて くる確率はゼロです 私は畳みかけるように言い放った裕介の体 がブルブル震え出すだからこんなところに いたって時間の無駄でしょもう帰ろうよ ね優香はなおも裕介をせかしたが事情を 理解した裕介は動こうとしない視線を優香 に向けると裕介は強い口調で彼女を 問い詰めたこれはどういうことなんだ俺と お前の間には本来食の子供なんてできない そうだだったらこの子は誰の子なんだ よ見てもらいたいものがもう1つある わそう言って私は優香がいつも鞄につけて いる徹夜の顔写真入りキーホルダーを 奪い取って裕介に見せた徹也は東南アジア 女性と日本人男性の間に生まれたハーフで あることをプロフィールでも公言していた も以前から徹夜の日本人離れした容姿を かっこいいと絶賛していたのだこいつ あずさと全く同じ肌の色をして いる優香は怯えた顔を見せていたがすぐに 開き直って逆に笑い出した ははあとうとうバレちゃったかその通り あずさはあんたの子供じゃない私と徹夜の 間にできた子供よ 私がちょっと色仕掛けて近づいたらあの人 すぐに私の取になった わそう言って言うかは自慢気に徹夜との 関係を語り始め た俺を騙していたの かていうかさ私みたいに若くて可愛い 女の子が本気であんたみたいなおじさんに 引かれると思っていたわけ超受けるどん だけめでたいんだ よ私がおじさんに言いよったのは単純に おじさんがいい会社の役員をしていてお 金持ちそうだったからだよお金たくさん あった方が徹夜のグッズを買えるじゃん グッズをたくさん買って徹夜に色々 プレゼントしたらあの人を私が独占できる の よつまり俺はお前にとって単なるATM だったってこと か全てを理解した裕介は激怒した当たり前 でしょお金のために私はずっと我慢してき たのそうでなきゃ誰があんたみたいなおじ さんとベッドを共にするものか3年間いい 夢見させてやったんだむしろ感謝してよ ねなんだ と私と姉夫婦があけに取られて見ている目 の前で優香と裕介は言い争いを始め た2人ともいい加減にしな赤ちゃんが泣い ているじゃないかあんたたちにはこの子の 泣き声が聞こえないの か姉が怒鳴って2人の高論を止めたこれ 以上見とまないところを見たくない とにかくあんたたちは家族でも何でもない 赤の他人なんだとっとと帰っ て姉に追い立てられるように優香と裕介は 引き上げていっ たあずさちゃんが 可哀そう私は率直にそう思った それから2ヶ月が経ったある日今度は裕介 が1人で私を尋ねてきた店の前でいきなり 土下座をしたかと思えば頼むきこ俺と やり直してくれと恥ずかしげもなく私に 復縁を迫ったのであるあれからDNA鑑定 をやったやはり俺とあずさの間には血縁 関係がないと判明したよつまり俺は騙され ていたんだあそうだ から俺は優香と徹夜が結託して俺にたらさ せたことがどうしても許せなかっただから ライブ会場の楽屋まで乗り込んでいって あの2人にその分の慰謝料をよせと要求し てきたんだあらあらそれはそれはご苦労様 なこと で私にとってはどうでも良かったが とりあえず話だけでも聞いてあげることに した最もこの件に関しては私もテレビや 雑誌から情報を得てい た徹夜がファンの既婚女性と関係を持ち 妊娠させたことその子供を女性の夫にたさ せていたことが大きく報じられていたのだ それまで例のアイドルグループの存在は 一部のファンにしか知られていなかったが 今回の騒動で全国的に知れ渡る結果となっ てしまっ た避難の声が全国からから殺したことで 所属事務所も徹夜を庇いきれなくなり契約 を解除するに至ったとワイドシは報じてい た私もテレビで見たけど自業自得ねだろ 本当にあいつらひどいよ な裕介は我が意を得たりとばかりに機嫌 よく笑ったさらに週間士はなおも取材攻撃 の手を緩めることなく徹夜の相手である優 のまで容赦なく調べ尽くしたなんと言かは 徹夜以外にも不特定多数の男性と体の関係 を持ってお金を稼いでいたというのだその 目的もやはり徹夜に貢ぐためだったという 分かるだろう俺もあいつらに騙された かわいそうな被害者なんだよだから頼む もう一度俺とやり直してくれ 却下泣いて復縁を迫る裕介を知り目に私は 欲よのない声で返したそして店の奥にいた お兄さんを呼んでその場にとまろとする 裕介の体を店の外へと運び出してもらった これ以上京子さんにつきまとうと警察を 呼ぶ ぞお兄さんが力強い声で言い放つと裕介は しょんぼりとした足取りで大人しく帰って いっ たそれから1ヶ月後週刊誌報道は下火に なったとはい 徹夜と優香に関する報道はまだ続いていた 記事によるとグループを追われた徹夜は 働くこともなく優香をきつかっているのだ そう だ優香は生活費を稼ぐために夜の町で働き 始めた らしい経済的に厳しい優香たちに子供を 育てることは難しい結局あずさを不便に 思った姉夫婦が引き取って育てることに なった 色々あったけどこの子が私たちの孫である 事実に変わりはないからねそうだな子供に 罪はないから な姉夫婦は毎日雑貨への店番をしながら 2人であずさの面倒を見て いる一方私はと言うとあれから実家を離れ て念願の最教室を開いたいつまでも姉夫婦 に頼りっぱなしというわけにもいかないみ はいつまでもいてくれていいよと言って くれたけれど私にもやりたいことがあると 言うと心よく背中を押してくれ たもうすぐあずさの1歳の誕生日が迫って いるプレゼントは何がいいかな私はあずさ に会いたさ半分姉夫婦に会いたさ半分で 時間を見つけては今でも時々実家の雑貨屋 に顔を出している なみさんはここ ね娘向このご両親である三春さんとしの さんの金婚式に呼ばれた私はしのさんに席 を案内された左隣には娘目の前にはしの さん右斜め前には三春さんがすでに座って いるあれ私の右隣つまり春さんの目の前の 席にも箸と取皿が準備されていた本来なら ここは私の夫が座る場所だが私には夫はい ないままさか ね周りを見渡すがすでに皆席について いるしのさんを見ると彼女は動揺している 私のことなど構わずニコニコしながら孫に 話しかけていたどういうつもりなのかしら そう思いながらも私はしのさんに話しかけ たすみませんここの箸と皿余ってるので 片付けときますね えしのさんはうちが一人親であることを 本気で忘れているのだろう かあのうちは母子家庭ですの でその場が死と静まり返った あらやだそうだったわねごめん なさい彼女はヘラヘラと笑って箸と皿を 片付け たこの人絶対わざとよねこんな卑怯なやり 方で嫌がらせしてくる なんて怒り浸透だったがここはお祝いの場 可愛い孫もいるのに楽しい雰囲気を壊して はいけないそう思ってぐっ耐えたすると その時三春さんがバッと立ち上がるそして 黙ったまま自分の皿と箸そしてコップを 持って私の隣にやってきた彼の行動が理解 できず私は思わず立ち上がってしまうしの さんを見ると彼女も夫の行動に困惑した 様子で立ち尽くしてい たなら私がこっちの席だ な春さんはそう言うとどんと椅子に座 一口お茶をすすった後しのさんを睨みつけ たお父さん何言ってるのよやだわ もうしかし次に続いた三春さんの言葉を 聞いてしのさんは顔がまさになりブルブル と震え出すのだっ た私の名前は古橋なみ祖父の台から続く 古橋酒店を継いで今年で25年お客さんは 皆顔見知り だなみさんいつものあるちょうど昨日 仕入れたとこタイミングいいねいやいや こういうところが直美さんの腕の良さよね ありがとう小さな酒屋だが近所の人が恋に してくれるおかげでここまでやってこられ たと言っても私ももう74歳そろそろ店を 畳むなり譲るなりしないとなと思うのだが いまい踏ん切りがつかずに いるお母さんこれ向こうに運んどく よ入り口から顔を出した娘の有さが大きな ダンボール箱を指差していったありがとう 腰気をつけて よ分かってるって大丈夫3歳と5歳を同時 に抱っこするよりはマシだからそう言って 有沙は手早くダンボール箱を運んでくれた なんとも頼もしい娘だ有沙は今年で45歳 20年前に結婚したがなかなか子供ができ ず7年前に仕事を辞めて本格的に不妊治療 を開始頑張った会があり今は5歳の娘と3 歳の息子を育てる子育てまっさかりの お母さんだ娘一家は近所に住んでいるため 子供2人が幼稚園に行っている間はよくを 手伝いに来てくれたまた孫2人も私に なついており彼らがうちに遊びに来て くれると1人暮らしの家が一気に明るく なっ た孫の相手疲れる でしょう有沙はそう言うと慣れた手つきで お茶を入れてくれる小さい頃からお手伝い をしてくれた有沙が入れるお茶はお世辞 抜きでとっても 美味しい久しぶりに有沙が入れてくれたお 茶を飲むと身も心も温まっ たありがとうまあそれなりに疲れるけど あんたたちに会うと元気 出る疲れるけど元気出るって分かるような 分からないよう な私たちは顔を見合わせて笑ったそして庭 で元気いっぱい走り回る孫を見て彼らへお 遣いをあげるためにももう少し店を 続けようと思うのであった 有沙がこのくらいの時ふと昔のことを 思い出す私は有沙が5歳の頃に離婚それ からは女で1つで彼女を育ててきた1人で も有沙に苦をかけることなく育てあげなく ちゃそう気負ってしまった私はとにかく 必死に働いた幸いなことに両親が近くに 住んでいたため私が仕事で遅い時はうちの の両親に有沙の面倒を見てもらっていたお じいちゃんおばあちゃんと一緒なら寂しく ないよね勝手にそう思い込んでいたが後 から聞くとやはり娘は寂しさを感じていた らしいクリスマスプレゼントでもらった熊 の大きなぬいぐるみになおちゃんと名前を つけていつも一緒に寝ていたと彼女が大人 になってから教えてくれた時には胸が 締めつけられる思いがした そんな彼女は短大を卒業後看護師になった 社会人として立派に働き始めた有沙の姿を 見て私は勤めを終えた気分になりこれから の自分の人生を考えるように なり仕事は嫌いではなかったこのまま今の 会社で働けば丁年まで安定は保証されるし 老後の心配もないだろうしかし家族のため にこれ働き詰めだった私は子供が手を離れ てしまったことで今の仕事に対する熱意が 半減してしまったように感じ たそんな私の心の変化にいち早く気づいて くれたのは母だっ たなおみうちの居酒屋継いでくれない かしら母は体のことも考えてそろそろ引退 を考えてると言った元気なうちに父さんと 2人で色々なところに旅行行きたいし ねこれまで忙しくてろに旅行など行け なかった母が茶めっけたっぷりに言う私に とってもこの店は第2のホームという感じ で居心地は良かったしかし店を手伝ってい たのは私がまだ子供だった頃大人になって からは自分の仕事に必死で店の手伝いは ほぼしてこなかったそんな私が店を告げる のだろうか迷っていると母が笑っ た知ってると思うけどうちのお客さん みんないい人ばかりよもう家族みたいな 小さな町だけどここで町の人と毎日たえも ない会話をしながら彼らの笑顔に元気を もらって過ごすのもなかなか素敵な暮らし 方 よ家族のように思えるお客さんのために店 を継続させ たい迷っていた未来が一気に晴れたこうし て私は長年勤めた会社を辞め稼業を継ぐ ことにしたのであった私が転職したのを 有沙はとても喜んでくれ たお母さん最近楽しそう ねお客さんに毎日ありがとうって言われる ことはこんなに嬉しいことだって思わ なかった わ有沙の言う通り私は酒屋を継ぐことで第 2の人生を楽しむことができていたそんな 私に安心してくれたようで有沙は25歳の 時に田高文さんという男性と 結婚彼の実家は不動産会社を経営しており お金持ちだったうちとは不つり合いなので はと少し身構えたが彼氏として連れてこ られた高文さんは穏やかで有沙のことを 本当に大事に思ってくれる素敵な人だった きっと高文さんは父親になのだろう義父で ある三春さんも穏やかで心優しい人で私は 心底安心したのだっ たしかし義母であるしのさんに対しては いい印象を持った記憶がない今思えば 初めて会った時から私は彼女を警戒しっ ぱなしだっ たあらのと初めてあったのは顔合わせの時 だそこにしのさんは年齢には不つり合いの 胸元の開いたワンピースにブーツという 格好でやってきたのだおまけに化粧も濃く 真っ赤なネルをしていて同じ年代なのに その派手さに私はたい だなみさん1人で苦労されたの ねそう言ってさんは無難にのフォーマル ワンピースを着てきた私をなめるように見 てにやっと笑ったきっとふけていて地味だ と言いたいのだろう私は曖昧に返事をして その場をやり過ごしたが正直最愛の娘が この先しのさんにいびられないか心配だっ たその予感は 的中結婚当初こそしのさんは有沙に優しく 振る舞ってくれていたらしいが次第に化け の川が剥がれていく ここの焼きあんこがはみ出るぐらい たっぷり入っていておいしいの よ有さはあこ苦手だよ 母さんあら忘れてたわごめんなさいうちは 全員ここのたい焼きが大好きだからついで も困るわね1人だけ好みが違う とすみませ ん菓特にあこが大の苦手なを な手でいびるらしい食べ物だけでは ない見てよお母さんこの 服ある時有さが袋から取り出して見せてき たのはフリフリのレースがついた短い竹の スカートだっ たもしかし て有沙は渋い顔をして 頷く私がこんな服着ないって分かってて 買ってくるのよしかもしっかり札をつけた まま2万円と書かれた値札を見せられ私は 目を丸く するこんなお洋服着られるようになって 幸せねだって例え200円であっても私は この服を選ばない わそう言って首をすめる有沙が不便でなら なかっ たお母さんの服の趣味はちょっと若すぎよ ねすると有沙がひそひそ声で話し始め た若い男に気に入られようとでもしてるん じゃない えあんな優しい旦那さんがいてまさか 不倫私が驚いて何も言えずにいると有沙は ふふふと笑った冗談冗談私のことは嫌い だろうけどお父さんやたを裏切るなんて ことさすがにしないと思うわ2人とも あんな穏かで優しい人なんだもの裏切っ たら絶対にバチが当たるわよなんだ冗談か 私は胸を 撫で下ろすでこの服どうするのもちろん 振りもアプリで売るわ有さは即答真面目な 顔をしてそう答えた有沙に私は思わず笑っ てしまった今でこそ専業主婦になっただが 彼女は年看護師として働いていた命に 携わる厳しい現場で大分揉まれたようで その会あってか嫁いびりにも屈していない ようだった有沙は私が思っていた以上に タフであることが分かり少しだけ安心した それでも子供がなかなかできなかったこと 仕事を辞めることなど何かにつつけて野 さんは三春さんや高文さんにバレないよう に影でこそこそ有沙をいびっていたようだ 子供ができたらできたで甘やかしすぎた 高文は3歳ですでにひらがなを描いていた と有沙のこてにいちいち口出ししてくると いう高文さんに相談し たら有沙は首を横に 振り高文さん社長になってからとても 忙しいのでもできる時は家事も育児も積極 的にやってくれるのよ 家族のこととても大切にしてくれてる わ今や高文さんは家業を継ぎ社長として 忙しい日々を送っているその中でも家族の 時間を大切にしてくれている彼に有沙は心 から感謝してい た高文さんに十分な稼ぎがあるから自分は 仕事を辞めて不妊知料に専念することが でき今はこうやって家族4人で幸せに 暮らすことができているのだ と高文さんに変な心配かけたくないから お母さんのことは絶対に言わないで ねアリサは心配する私にいつもこう釘を さしたある日しのさんが私に電話をかけて きた私がしのさんと話すのは年に2回ほど お中原やお母のお礼として電話する時 くらい だしかし今は お中でもお母でもないなんだろういつに なく緊張し たご沙汰しております実はです ねしのさんの声は弾んでおりその テンションの高さに私は圧倒されたのだが 要件を聞いてさらに 驚く来月しのさんらは婚式を迎えるらしく みんなでお祝いをしたい私にも参加して 一緒に祝ってほしいということだったあ はあまさかあちらのご両親の金婚式をお 祝いすることになろうとは私は合槌を打つ ので精一ぱい 店もあるし正直定長にお断りしたかった しかし私がもし断ったら有さがまた影で 嫌がらせをされてしまうかもしれ ないお誘いいきありがとうござい ます心にもないことを言って私は電話を 切っ たそして金婚式 当日疑実家に行くと背中が無駄に開いた ピチピチの服を着たしのさんが出迎えて くれた本当にこの人70代なんだろう か確かにスタイルはいいためぱっと見は 若く見えるのだが肌は嘘はつけないようで 顔は年相応のしのさ厚化粧でごまかせると 思っているのだろうがちょっと無理があっ たそこへ有沙一家もやって くるお母さんも来てくださったんですね うちの両親のためにありがとうござい ます何も事情を知らない娘向こは私がここ にいることに感激したようで深深と頭を 下げてくれたその後ろで苦笑い 作り笑いをしてその場をやり過ごしている としのさんが私たちを呼びに来 た皆さんお揃いのようねほら料理が冷める から席につい て案内された客間にはすでに馳走が並べ られており一足先に三春さんが席について い たみさん本日は駆けつけてくださり ありがとうございます やっぱり親子だ高文さん同様ミキさんも私 が来たことに対し素直に感謝する ありきたりなお祝いの言葉を述べるとしの さんが割って入ってき たなおみさん主役を建てようとそんな地味 な服を着てくださってありがとうござい ます有ささんの服のセンスは母親ゆりなん です ねそう言ってさんは誇ったような目で私を 見るなるほど私を馬鹿にしつつ有さも ついでにいびる作戦 か有沙を見ると彼女は子供たちを座らせ たりなめたりで忙しくしのさんの声は 聞こえていないようだっ たよかった私はちょっとだけほっとする こんな格好で本当に若い男を釣っているの だろうかそんなこと考えているとさんに 呼ばれ たみさんはここ [音楽] ねしのさんに案内された席は左隣には有さ 目の前にはしのさんそして右斜め前には 三春さんがすでに座ってい た あれ私の右隣つまりミさんの目の前の席に も箸と皿が準備されて いる来ならここは私の夫が座る場所だが私 には夫はい ないままさか ね周りを見渡すがすでにみんな席について いるしのさんを見ると彼女は動揺している 私のことだの構わずニコニコしながら孫に 話しかけてい たどういうつもりなのかしらそう思い ながらも私はしのさんに話しかけ すみませんここの箸と皿余ってるので 片付けときます ね えしのさんはうちが一人親であることを 本気で忘れているのだろう かあのうちは母子家庭ですの でその場が死と静まり返ったあらやだそう だったわねごめんなさい 野さんはヘラヘラと笑って箸と皿を片付け たこの人絶対わざとよねこんな卑怯なやり 方で嫌がらせしてくるなんて怒り浸透だっ たがここはお祝いの場可愛い孫もいるのに 楽しい雰囲気を壊してはいけないそう思っ てくっえたするとその時三春さんがバッと 立ち上がるそして黙ったまま自分の皿と橋 そしてコップを持って私の隣にやってきた えみ三春 さん彼の行動が理解できず私は思わず 立ち上がってしまったしのさんを見ると 彼女も夫の行動に困惑した様子で 立ち尽くして いるなら私がこっちの席だ なさんはそう言うとんとに座り一口お茶を すすった後しのさんを睨みつけたお お父さん何言ってるのよやだわ もう私も母子家庭だったんだ よしのさんは顔がみるみる真っ青になり ブルブルと震え出すそんな彼女に構わず ミアさんは自分の追いたちを話し始め た三春さんの父は彼が8歳の時に戦争で 亡くなっておりそれから彼の母はミアさん ら子供3人を女で1つで育ててくれたそう だ私たち子供のために寝る間も死んで必死 に働いてくれた母を私は心から尊敬してい たそのことももちろん知ってるよなお前と は50年も一緒に暮らしてきたんだ から春さんががしのさんをぎっ睨むも もちろんよあなたの家庭のことはよく理解 してるし私もあなたのお母さんのこと本当 に尊敬したいた わしのさんは三春さんの顔色を伺い平成を よって作り笑顔を する嘘つけ母家庭をばかにしやがっ てするとこれまで聞いたことのないミア さんの怒号が部屋響き渡ったおそらくしの さんもミアさんがこんなに怒り狂った姿を 見たのは初めてだったのだろうすっかり 俯いて身をふわせていたしかし彼の怒りは まだ収まら ないお前が有沙さんをいびってることもみ さんをバカにしていることも知ってるんだ ぞ気づいていないと思っていたが意外にも さんは私たちに対するしのさんの振る舞い に気を揉んでいた らしいえそうなの アリサ一方で地母の裏の顔を全く知ら なかった高文さんは泣きそうになりながら 有沙を 見るわざと嫌いな和菓子を買ってきたり 絶対着ないような服を押し付けてきたり 挙句の果てには母まで巻き込んで私たちを 馬鹿にして私あなたのお母さんのこと絶対 に許さない からさすが肝が座っている娘決して高文 さんが悪いわけではないのだが正直に高文 さんに気持ちをぶつけた有沙には脱 almostだったそして有沙が義家族の 前ではっきりと言ってくれたため私は心が すっきりしたここで春さんが立ち上がり私 と有沙の方を向いて深く頭を 下げる有ささん直美さんこれまで本当に すまなかったこの人は昔から人に注意さ れるとひどくヒステリーを起こすんだ私は それが嫌でずっと見て見ぬふりをしていた んだ よきっと三春さんも自分の妻の行いに胸を 痛めていたの だろういつか自分の行いが恥ずかしいだと 気づいてくれるのではないかとも期待して いた部分もあったんだだってこの人とは 好きで結婚したんだ から三春さんが寂しそうな顔を する彼の言葉を聞いたしのさんははっとし て顔をあげ目に涙を浮かべ たすると今度は彼女の様子を見ていた高文 さんの声が部屋に響き渡っ た泣きたいのはこっちだよ俺の大事な有さ とお母さんになんてことしてくれたんだ よ有ささんにはまだしもお母さんまで大事 ってどういうこと よ私のことを大事だと宣言した高文さんに 対し火野さんがヒステリックに叫ぶしかし 高文さんも負けてはいなかっ た俺は大好きな有沙と結婚したんだその 有沙を育ててくれたお母さんのこと大事に するのは当たり前のこと だろう普段の高文さんからは想像できない ほど彼は取り乱していたがしっかり自分の 気持ちを言葉にし た息子に睨まれしのさんは再び 俯く春さんもしばらくしのさんを睨みつけ ていたが黙ってふとどこかへ行ってしまっ たそしてしばらくして彼は大きな封筒を 持ってもき たお前とはこれ以上やっていけない離婚 だ三春さんが封筒から取り出し机に置いた のは離婚届けだったしかもミアさんのラン はすでに記入済みで前々から準備されてい たものだということが分かっ たちょちょっと待ってよお父さん今日は 金婚式なのよさんとさんにしてきたことは 反省してるわだからそんなにこたなんて どの口が言ってるんだ三春さんが机をバン と叩いた一動がビクッと する私のことも裏切っていたくせに気が ついていないとでも思ってるの か三春さんの声は怒りで震えていたもしか し て私は有さと顔を 見合わせる夫のことをを裏切るこれはもう 不倫しか考えられない有さが冗談で言って いたことがまさか本当だった なんて穏やかで心優しい三春さんが長年 連れ添った妻の不倫を疑うなんて想像でき なかったがきっと何か証拠を掴んでるの だろう彼は悔しそうにゆっくりと話しだし たお前が白堂々と街で若い男とキャッキャ している姿を見かけたよ別の日には男と 2人っきりでホテルに入っていく現場も なそう言って三春さんは封筒の中から写真 を掴み取り机に投げつけ た胸元が開いて体験が分かるほどピチッと したワンピースを着たしのさんは写真の中 で茶髪の男と肩を寄せ合い見つめあってい た白地でよくもこんなことができたもんだ 私も有沙も呆れ返ったが母の不定を知って しまった高文さんは私たちの目の前で ブルブル震えて机に突っ伏してしまっ た嫁や義母いびりに加え不倫までし今日 初めて全てを知るのはなんとも国だっ たろうと高文さんのことを私は哀れむ お前の服のセンスはおかしいと前々から 思っていたんだ無理に若作りして若い男に 色目使ってたんだなどれだけ私と高踏を 裏切れば気が済むんだ よ三春さんは突っ伏している息子の背中を さするその手は怒りで震えていたいや怒り だけではない悲しみ憎しみ50年連れ添っ た妻に裏切られたことへの絶望がひしひし と感じられ たしのさんはもう言い逃れできないと悟っ たのかつったったまま涙をこぼしていたが その涙さえも嘘に思え たささんみ さんせっかくお時間いだいたのに我々の 事情に巻き込んでしまって本当に申し訳 ありませんでした食事会は中止でお願いし ます 春さんが何度も頭を 下げる最後の方は消えいるような声だっ た有沙は立つ気力もない高文さんをどうに か立ち上がらせ肩を抱いて玄関へと 向かうもう2度とこの家に入ることはない だろうそしてしのさんと会うこともない だろうそう思い私は三春さんに深く頭を 下げ玄関へと急いだ 家に帰り高文さんはショックですっかり 塞ぎ込んでしまった今彼が一番必要として いるのは寄り添ってくれる家族ではないか なしかし子供がいてはきっと有さは子供に 構いっぱなしで夫のことまで手が回らない だろう今日はあの子たち預かるからあなた は高文さんのそばにいてあげなさい 有さは静かに頷い た孫は初めてうちにお泊まりすることに なり高文さんや有沙がいない状況に ドキドキしていたしかし様子を伺って静か にしていたのはほんの30分 だけおばあちゃんかくれんぼしよう よかくれんぼにトランプ少しテレビを見て 次は 工作彼らは遊びを見つけてくる天才だった ちょっと疲れたが普段やらないことばかり で私も楽しむことができ たおばあちゃんおやつ は小腹が空いた孫がおやつをねってきた ため私はささっと虫パンを作って あげる おいしい釣ると孫はパクパク食べてくれた この虫パンねあなたたちのお母さんが 大好きだった よそんな話をすると1人がティッシュに虫 パンを包み始め たお母さんに持って帰って食べさせて あげる ね孫の言葉を聞いて私の心は一気にほぐれ たこの子たちは三春さんや高文さんの優し さをしっかり受け継いでいる わ上に振る舞っていた三春さんやショック でどん底に落ちてしまっている高文さんの 心が早く平穏に戻るよう願わずにはいられ なかっ たいつの日か日がくれており私は急いで 夜ご飯の準備をする夜ご飯も入浴も孫2人 を1人で見るのは初めてだったがなんとか なった寝る時は私が真ん中で孫が両サイド に寝 たおばあ ちゃん1人で寂しく ない真剣なまなざしで見つめてくる 孫そうね1人暮らしが長いから寂しくは ないわでもこうやって川の字で寝るの夢 だったからとっても 嬉しい私が優しく微笑むと孫も微笑み返し てくれ た翌朝有沙が孫を迎えに来 た高文さんはどう だいぶ落ち着きを取り戻したわお母さん 本当に ありがとうそこへ孫2人がやって くるもっとおばあちゃんとい たい私ともっと一緒にいたいとダダをこね てくれる孫が可愛くてたまらなかっ た家に帰ってからお母さんに何かあげるん だよねほら早く帰んなくっ ちゃ私の言葉を 虫のことを思い出した孫たちは私に大きく 手を振るとすんなりと有沙と手をついで 帰っていっ たそれから1ヶ月後三春さんから電話が あっ た前日は本当に申し訳ありませんでした 無事に離婚が完了しまし た顔が見えないため何とも言えないが声は いつも通り落ち着いており私はく分か安心 し た三春さんはあの騒動の日の私たちが帰っ た後の話をしてくれ たあの日私たちが帰ったのと入れ替わりで 弁護士が疑実家に到着弁護士主導のもで 淡々と離婚の手続きが進められ た三春さんと弁護士に問い詰められさんは 全てを自白 ていた相手は35歳も年下の定職について いない男だったそう だ私のことを綺麗って言ってくれるから 嬉しく て甘い言葉をかけてくれ自分に甘えて くれる男にしのさんはみるみるはまって いったあろうことか彼女はその男に多額の お金を見いていたことも判明し た私が稼いだ金をウイ相手に流していたと は新たな事実に三春さんはさらにショック を受けたそうだここまで三春さんを裏切っ たのだしのさんも諦めて離婚を受け入れ た離婚条件は不倫相手に見いだ大金と慰謝 料を財産分与のお金から差し引くこと結果 しのさんの手元にはほとんど財産は残ら なかったそうだ お疲れ様でしたところで三春さんは初め からこうなることを分かっていたんですか あの日突発的に離婚を切り出したわけでは ないですよ ね彼はふっと 笑う初めは有沙さんや直美さんへの態度に ついて改めてもらうことを目的として離婚 を切り出すつもりでした離婚をとして使っ て2人への態度を反省してくれればと思っ ていたのです が三春さんの声のトンが低く なる不倫の事実を知った時私は絶対に離婚 すると心に誓いまし た結婚式で共に歩むことを誓ったのに彼女 は自分や息子を裏切っただから金婚式と いう晴れの日に彼女をどにしてやろうと さんは計画したそう だすみません巻き込んでしまっ て三晴さんが再び謝ってきた彼の方が よっぽど辛かったろうに自分のことよりも 周りの人のことを心配できる三春さん彼が これから穏やかに暮らせることを心から 願っ た離婚に伴いさんはした家を追い出される ことにその足で彼女は高有夫妻の マンションを訪れたがちょうど家にいた 高文さんに追い返されさらに絶縁され た1人になったしのさんには誰も頼る人が いない仕方なくもう3年も誰も住んでい ない地区70年の自分の実家で暮らすこと にしたそうだ住むとは確保できたがこれ まででずっとミールさんのおかげでできて いたいい暮らしから抜け出せずわずかに 持っていたお金もすぐに底をつい た離婚から1年が経った頃私はたまたま しのさんらしき人物を見つけたが彼女は 薄汚い格好をして公園の水道で洋服を洗っ てい たその変わりように驚いたが私たちには もう関係ないそして 私の近況は2ヶ月前ついに酒店を知人に 事業継承した元気なうちにしっかり 引き継ぎもできたし何かあれば相談にも 乗ってあげられる店の名前こそ変わって しまったが同じ場所に今も同じ空間がある それが私は嬉しかっ たさらに嬉しいことがもう1つ最近娘家族 の新居が完成しそこで彼女らと同居する ことになったの だおばあちゃんのお部屋はここだよ え新居を見に行くとなんと私の部屋が準備 されてい たお母さんがよければ一緒に暮らそうよ この子たちがおばあちゃんは家族なんだ から一緒に暮らさなきゃってまあ時中孫と 一緒にいるのは疲れると思う けど有沙がふふふと笑ったそうね疲れる けど元気でるわ ありがとう長年1人暮らしをしてきた私が まさかこの年で5人暮らしをすることに なるとは人生何が起こるかわからないでも 私の人生は家族に支えられて常にいい方向 へ進んでいると自負している おばあちゃんの虫パン食べたい私もはい はい待ってて ね晴れ渡る空に今日も私たち家族の声が 響いた
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