松江市から中国山地に分け入って行くJR木次線が、広島県目前で170メートルの標高差に挑むのが3段スイッチバックです。アルファベットのZのような形で、折り返し坂を登って行く見所ですが、赤字路線見直しに伴い、存亡の危機を迎えています。そんな中、あの男性が立ち上がりました。
3年前の9月。JR木次線車内の長髪の男性。3段スイッチバックの頂上に近付くと、興奮がクライマックスに。
江上英樹さん
「イリュージョンですよね。だって信じ難い所に現れるっていう。あの谷底から。スイッチバックしてグニューって回って、ここに出て来るなんて。さっき見上げてた橋が下にあるって、すごくないですか?」
駅に降り立った男性が手にしていたのは、通勤定期。
江上英樹さん
「ほかに(同じ定期券を)持っている人、いないんじゃないかと思うんですけどね」
大手出版社、小学館で編集長を務め、多くの鉄道マンガを世に送り出した江上英樹さんです。
子どもの頃からの鉄道ファンで、ジオラマ作りもこの通り。
この頃、通勤定期を手に木次線に通い、様々な鉄道イベントを開くなどして来ました。
そして今回、新たに着手したのが。
木次線応援プロジェクト実行委員会 江上英樹代表
「自分に何か出来ることはないのかと考えた時に、マンガ編集者であるからには、今度は木次線の応援のためのマンガの制作を目指すこととしました。ストリーリーはまだ秘密ですが、頑張る少女たちの姿をメインに、沿線の風土を反映させつつ、広くローカル線の未来を照らすようなものを作る予定になってます。」
有志と「木次線応援プロジェクト実行委員会」を立ち上げ、オリジナルのマンガ作品を制作することに。
1月末までクラウドファンディングで必要経費を調達し、出来上がったコミックスは、その返礼品になります。
さらに沿線の施設などで読んでもらい、地元の人に魅力や全国的にも貴重な価値を再認識してもらえればといいます。
木次線応援プロジェクト実行委員会 江上英樹代表
「東京にいて東京タワーのことがよく分かんないのと同じく、やっぱり地元の方はあんまり気にしないってことなんですけど。改めて地元の方にもですね、知ってもらって興味を持ってもらいたいなと。」
編集者の人脈で鉄道ファンの漫画家やアドバイザーらプロ集団を集めて臨むコミックスは、88回目の木次線全通記念日の今年12月12日にお披露目の予定。
ファンタジー作品ながらリアルさを大事にするため、現地取材を重ねて、奥出雲の風景や雰囲気だけでなく、鉄道の描写にもこだわり、完成させるということです。
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