野原ひろし昼メシの流儀第3話「駅弁の流儀／串かつの流儀」

野原ひろし昼メシの流儀第3話「駅弁の流儀／串かつの流儀」

もらえないか。はい、わかりました。俺の名前は野原浩。サラリーマンだ。日々の疲れから仕事へのアグレッシブな姿勢を失いかけていた。 [音楽] 俺最近気づいたんだ。お、仕事ってのはゲーム感覚でやればいいんだって。ゲーム感覚? 1 つ1 つのクエストをクリアして経験値を貯めてレベルアップしていく。相手によってどういうアイテムや特技を使えば攻略できるか考える。そしたらどんどん仕事が楽しくなってさ。俺の目から鱗が落ちた。なるほど。そういう考え方もあったのか。 1 つ1 つ確実に仕事をこなして自分をレベルアップさせていく感覚。はい。ご検討よろしくお願いします。そしてこのプロジェクトを実現させたいんですた。確かに斬新なアイデアではある。しかしあまりにイメージがつかないというか [音楽] 効果的なアイテムと参考人になりそうな事例をまとめてきました。 [音楽] い、いつの間にこんな効果的な特で攻略する。どうかお願いします。分かった。上の方に駆け合ってみよう。ありがとうございます。いやあ、ありだな、このやり方。さて、次の取引先に向かう前に昼飯を済ませておくか。今の所持金は。え、ご、 [音楽] 500 円。しょうがない。コンビニでおにぎりでも買うか。お、唐揚げ定食。なるほど。居酒屋がやっているランチか。この値段は魅力的。うん。今日のランチは唐揚げで決まりだ。しかし全然店がありそうな気配はない。どうする?やはりコンビニにするか? [音楽] [音楽] いや、時間にはまだまだ余裕がある。諦めるな。そう、これもゲームだと思えばいい。俺は今幻の唐揚げ定食を求めてこのダンジョンを探検しているんだ。意味にベンチに座っているおじいさん発見。あの500円で唐揚げ定食が食べられるご存じありませんか?ああ、あの店に行くのかい。いいね。そのゲームっぽい言い回し。この道をまっすぐ行って 2つ目の稼働右だよ。ありがとうございます。あ、あった。よっしゃ。クエストクリアだ。 [音楽] いらっしゃいませ。カウンター席へどうぞ。一応メニューを見とくかな。なんだと? 5個から10個好きな数を選べる。なるほど。朝からバリバリ働いて腹はペコペコだし、 7個か8個くらいか。いや、ここは10 個だ。なぜなら値段が同じだから。すいません。唐揚げ定食唐揚げ 10個でお願いします。 10 個?マジかよ。ええ、かしこまりました。なんだあのサが現れたといった反応は 10 個頼むやつなんて早そういないってか。いや、しかし値段が値段だ。 1つのサイズは高が知れているだろう。お待たせしました。唐揚げ定食唐揚げ 10個です。ボぼボリュービ像していたバイのサイズと言っても過言ではない唐揚げが10個グランドキャリオンのように堂々とそびえ立っている。食べきれるものなら食べ切ってみろと言わんばかりの圧倒的なボリュームだ。なんてこったな。ひの昼飯クエストはここからが本番だったのか。とにかくまずは食べてみよう。う。 [音楽] うまい。外はサクっとした歯ごた応えで中はじゅわっとジュー視。きっといい肉を使っているんだろう。複雑に絡み合うスパイスの味でご飯も進むし。千切りキャベツは口の中をさっぱりさせてくれる。 [音楽] うん。やはり定食に味噌汁は欠かせないなあ。行けるぞ。この唐揚げ定食なら無限に食べられる。そう、無限に。無限に。いや、残り5個。さすがに秋が来てしまった。ここからが本番だな。落ち着いていこう。クリアへの道筋はあるはずだ。七と醤油。行け。よし。味変成功。次はお前だ。あ、また違う味わいでいけるな。しかもこの濃い味が飯に合う。よっしゃ、この調子でどんどん行くぜ。うりゃな。 [音楽] く、もう同じ味は通用しないということか。しかもかなり腹が。あ、どうする?これ以上はもう良くないことだというのが十々承知している。だがその上でギブアップという選択肢も視野に入れざるを得ないんじゃないか。にしても店長さ、この値段で唐揚げ山盛り出してたらやっていけないんじゃないの?そうなんですけどね。お客様がお腹いっぱい食べてくれるのが嬉しくてやめられないんですよ。な、なんと眩しい笑顔。この唐揚げ定食の裏にそんな思いがだめだ。やはり俺は諦めるわけにはいかない。とはいえ、ここからどう攻略する? あ、店長、マヨネーズくれる? はい。ん、そ、そんなスペシャルアイテムがあの、こちらも頂いていいですか? [音楽] おお。はい。来た、来た、来た。頼んだぞ。あ、あん。うまい。外心の一撃だ。よし、残りは [音楽] 2つ。ゴールが見えてきたぞ、お客さん。お、いい食べっぷりですね。ああ、どうも。 [音楽] おや、お客さんご飯かがです?お代わりできますよ。え、いやいや、ここに来てそれは申し訳ないが、ここはうちはお米のブランドにもこだわってまして。え、そ、そうなんですか。やっぱりお代わりって言ってくれるとめちゃくちゃ嬉しいで。じゃあ本当にちょっとだけはい。俺のバカ。こうなったらもう俺に残された手段は [音楽] 1つ。ズバり根だ。よし、残すは唐揚げ 1つ。さあ、ラストスパートの何?あ、みんなあと1つあと1 つなのに橋が動かない。どうする?どうする?塩か。確かにまだ使っていないが、今更という感じも [音楽] 4。これは序盤から手に入るあり触れたアイテムが実は重要アイテムだったという激展開。最後はお前だ。や [音楽] [拍手] やったぞ。いやあ、食った、食った。次行く機会があれば 7 個くらいにしておこう。え、足りなかったがしょうがない。切符を買って。あ、 [音楽] そうだ。もう1 円も持ってないんだった。打ち合わせは 40分後、取引先までは 2駅。徒歩でもギリ行けるか?満腹なのでまずは普通のペース。徐々に早足に変えていきピンチなら走る。頑張れひろし。これもゲーム感覚でクリアするんだ。ご馳そ様さでした。読書を刻取りたい時に行くフル本屋だったり、ストレスを解消したい時に行くボーリング場だったり、また日常から離れたい時に行く釣り彫りだったり、頻度は低くとも何年も通っていればそれもまた常連と言えるのかもしれない。そしてこの沖縄蕎麦屋も俺にとってそういう場所の1 つ。沖縄出身の大将が本場の味を作ってくれる店だ。 [音楽] 面どうもゴブ沙汰してます。さて何にしようかと悩む必要はない。いつものでいいですか? はい。ものでかしこまりました。いつものとはズり早期そばのこと。大将分かってくれている。大人として若者にアドバイスするならばこういう関係性の店がいくつあるかで人生の豊かさがてえ、 [音楽] どうしました? 大将店閉めるんですか? ああ、そうなんですよ。ま、またかの展開。残念だな。せっかくいい店に出会えたと思ってたのに。すみません。寂しくなるなあ。俺もしょっちゅ来てたわけじゃないとはいえショックだな。しかし現にこうしてお客さんは俺含めて 2 人だけ。昔はもうちょっと賑わってたよな。最初にここに来たのはそう取引先の人と一緒に昼飯を食べることになって。 [音楽] へえ。沖縄そばか。野原さんここどうです? [音楽] ああ、いいですね。自分スキューバダイビングやるんで沖縄めっちゃ行くんですよ。ええ、メソレえ、えっと、メソレ [音楽] メンソレはいらっしゃいって意味ですから、それだと野原さんが真似板側になっちゃいますよ。そ、そうなんですか。あ、敵にこんにちは的な意味かとしょっぱなで赤っぱじを書いて [音楽] ジャンパみ咲いですよね。ナポレオンフィッシュに会うとテンション上がるんですよ。 2 人の会話に入ってず。いやあ、美味しかったですねえ。本当にこのまま常連になっちゃいそうだな。野原さんもまたご一緒しましょうよ。 [音楽] はい。是非また来ましょう。でもその後取引先の人は名古屋の方に転勤になって結局俺だけが緩い感じの常連になったんだよな。 [音楽] ご馳そ様。650円になります。ニーフェデビル。おフェデビルはありがとうという意味。俺もこの店に通うちに多少は沖縄の言葉が分かるようになったもんだ。しかしこれでとうとうお客さんは俺1人か。世間話でも振ってみるべきなんだろうか。もう会うことはないかもしれないし。あ、でも今までらしい雑談をしたことはないしなあ。何か話の入り口になりそうな。お謎の石発見。大将、あの石何ですか? ああ、友人からもらったもので隕石らしくて。ええ、隕石? 私も全然詳しくはないんですけど。そうか。隕石。ええ、隕石すごいよな。春バル地球まで [音楽] ですね。話広がらず。 [音楽] あ、そういえば1 回だけ大将と町でばったり会ったことがあるぞ。えっと、あの時は確かあお [音楽] お。どうもどうも。私服が思ってた感じと違った。どうする?あの私服の剣突っ込んでみるか?いやいや、話がいい方に転がれば盛り上がるが、最悪ものすごく変な空気にしてしまう可能性もあるし。こんなことならもっと前からちゃんとコミュニケーション取っとけばよかったな。長年通ってるのにつまでもお店の人とお客さんの関係でお待たせしました。お、ご注文の早期そばです。あ、どうも。おお、来た、来た。これだよ、これ。透明なスープにベニ生姜の赤とかまぼの白。ネギの緑がよく生える。 [音楽] そして中央にドーンと鎮座する早期。おまけにナスケートポークまで豪華に乗せられていて。 [音楽] あ、あのラフテトポークが私からのサービスです。え、お客様には長い間ご愛こいただきましたので。あ、ありがとうございます。そうか。ならば俺もこの店で食べる最後の沖縄そばを一口一口大切にだこう。沖縄竜に言えばサビ。まずはスープから見よ。この透すき通る美しさを。そのお味はうん。染み渡る。豚骨とカツオ出しの絶妙なバランス。コがあってなおかつあっさりしてるぜ。そしてそんなスープからヒラメんがこんにちは。サヒラメン。ここで沖縄そばの豆知識を [音楽] 1つ。一口に沖縄そばと言っても沖縄本島、宮小島、八山諸島など地域によって主流となる面の形は異なる。このお店は沖縄本当北部でよく見られるというヒラメンタイプだ。ああ、うまい。この独特の風味がいいんだよな。続いてサービスのポークをいただくか。アメシ式にソセージの中身だけを肩で固めたいわゆるランチョンミート。これを沖縄ではポークと呼ぶ。 [音楽] おお。うん。いいアクセント。なんだか懐かしい味なんだよな。のラフテ腹肉をに煮けたものだ。と同じものだと思われがちだが、それは間違い。 [音楽] 豆知識その3ラフテは川付きの豚肉を使い泡森やカツオ出しで煮込むのが大きな特徴だ。つまり君がラフテだ。隔離の中に紛れても俺の目はごまかせないぜ。秋を沖縄でびっくりしたを意味する言葉が出てしまうくらい驚きの柔らかさ。味もしっかりついていて皮もプルプルだ。そしていよいよ俺の大本命早期を食すか。早期とは豚のスペアリブつまり骨つきバラ肉のことだ。手間暇かけてほロほロに煮込まれていてデジマンつまりめちゃくちゃうまい。肉と油の絶妙なバランス。甘辛い味付けも最高だ。しかし、俺も随分沖縄そばに詳しくなったな。まあ、全てこの店でお客さんが会話してた内容の受け売りなわけだが。お、そういや昔川口のやつをここに連れてきた時。 [音楽] うわ、美味しそう。てか先輩本当にご馳走してくれるんですか? [音楽] ああ、正談がうまくいったお祝いだ。やった。しかしあれだな。お、競合他者より早期に動いたことが員だったなあ。早期そばだけに。 [音楽] え、何ですか? い、いや、お、あの時大将が俺には伝わってますよって笑顔を向けてくれて救われたんだっけな。で、そうだ。その次に来た時だ。 [音楽] メソレつものですか? え、つもの? あ、すみません。てっきり早期そばかと。あ、ああ、そうです。もので大将の方からろって言ってくれてあ、俺この店の常連になったんだなって。 [音楽] [音楽] 俺たちの関係はずっとお店の人とお客さんでもこうして振り返るとその中でたくさんのコミュニケーションがあったんだな。 [音楽] だからラフテートには別物なんだって場所によって麺の形が違うんだよな。ホークってランチョンミートのことか。 [音楽] 最後のスープ飲み干させていただきます。大将に今日までの感謝を伝えよう。それだけで十分だ。ご馳そう様です。今日までありがとうございました。いえ、こちらこそ。もうこの味が食べられなくなっちゃうのは残念ですけど、このお店と出会えて本当に良かったです。それじゃあはあ、お客さん、え、お題をまだいてないんですけど。 [音楽] あ、すみません。あ。

野原ひろし昼メシの流儀「駅弁の流儀／串かつの流儀」
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