申公豹, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1672989 / CC BY SA 3.0

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#封神演義
封神演義 」 封神演義の登場人物一覧 」 申公豹 申 公豹(しん こうひょう)は、明代の神怪小説『封神演義』の登場人物。
『封神演義』以前に成立した史書や道教説話、小説や戯曲に名が見えないことから、『封神演義』の作者の創作と思われる。
元始天尊の弟子で、姜子牙(太公望)の弟弟子。
白い虎(白額虎)に跨り、宝剣と開天珠を持つ。
第37回で、姜子牙は元始天尊から「誰に呼ばれても決して振り向いてはならない」と強く命じられて崑崙山から下りる。
だが姜子牙は申公豹に名を呼ばれると、彼が弟弟子だったこともあり、つい言いつけに背いてしまった。
申公豹は、姜子牙が師の命令で商周革命を進めているにも関わらず、自分と共に商を援け周を滅ぼすよう唆した。
姜子牙が断ると申公豹は怒り出し、「俺は頭を切って飛ばすことができる」と己の力を誇示した。
そのため姜子牙はつい「そんなことが本当にできるのなら、封神榜を焼いてお前と一緒に商に行ってもいい」と約束してしまう。
申公豹は言葉通り自ら剣で首を切断したが、言葉どおり切り口からは一滴も血が零れず、胴から切り離された頭は空を飛んだ。
だが二人のやり取りを見ていた南極仙翁が、申公豹の頭を南海に捨てるよう白鶴童子に命じたため、申公豹は死の危機に瀕する。
姜子牙の必死に命乞いによって申公豹は赦されるが、彼は自分の命を救ったはずの兄弟子を逆恨みし、以降、幾人もの道士や妖怪を唆し、姜子牙の命を執拗につけ狙った。
後に火霊聖母によって傷つけられた姜子牙の前に現れ、彼の息の根を止めようとしたが、懼留孫によって捕らえられた。
そのとき元始天尊の前で「再び子牙の邪魔をすれば北海眼に閉じ込められても構わない」と口先だけの誓いを立てる。
その後、万仙陣で截教陣営に加担したが、截教側が敗れると再び捕らえられ、誓いどおりに北海眼に封じられた。
封神榜の最後に名が載せられており、冬は海水を凍らせ夏は氷を溶かす「分水将軍」に封じられた。
作中では命の恩人を殺そうとしたり、巧言を弄して他人を唆したり、「罪障」「左道」と糾弾されたりと、徹頭徹尾、陰険で執念深い「悪人」として描かれている。
『封神演義』が下敷きにした『武王伐紂平話』や『春秋列国志伝』には名が見えず、史書に名がある人物でもないため、『封神演義』上の創作であると思われる。
また申公豹が封じられた分水将軍という神格は架空のものだが、『封神演義』の流行により、実際に廟が立てられたこともある。
申公豹が登場してから北海眼の誓いを立てるまで(第37回~第72回)に現れた「商への助っ人」の多くは、申公豹の仕業によるものである。
以下に、申公豹が関与したことで姜子牙と敵対した人物を挙げる。
前項までで解説したように『封神演義』において申公豹は純然たる悪人である。
だが1988年に講談社から発刊された安能務の編訳(以降安能版と表記)では、申公豹は性格や行動、実力、作中での役割まで大幅に改変を加えられ、全く別の人物にされている。
最大の違いは「安能版の申公豹は姜子牙を憎んでおらず、悪人でもない」という点である。
原作で申公豹が姜子牙と敵対するのは白鶴童子に頭を奪われる事件がきっかけだが、安能版ではこのエピソード自体が削除されたため、姜子牙への深い憎しみもなく、全エピソードにおいて申公豹に関する記述が書き換えられている。
安能版申公豹の行動理由は天数への敢然たる反抗であり、そのため性根の歪んだ悪人ではなく、影の正義の味方のように位置づけられている。
原作における天数があくまで「避けられない運命」であるのに対し、安能版は「天界の(理不尽な)陰謀」と意味が大幅に変えられていることも、申公豹の印象の違いに大きく作用している。
この他、安能版は殺戒を「殺人衝動」として扱うなど、本来正義であるはずの闡教が非人道的な集団であるかのような描写が多く、封神計画を邪魔する申公豹の行動が正当化されている。
更に安能版では「許由と同一人物で人間時代に帝位を拒否した」「老子(太上老君)の庇護を受けている」「世話好きで人界で人気が高い」「理不尽なことを見ると黙っていられない」など、原作とは正反対のイメージを持つ設定が大量に追加された。
しかし同時に作中で自らを「バカな正義の味方」と断言し、雲中子から「それは正義ではなくただのいやがらせだ」と批判されると「その両方です」と肯定するなど、情熱と諦観と皮肉を交えた多面的な人物である。
安能は安能版封神演義を、のちに小説形式で展開していく「中華思想論のための布石」と位置づけており、その…

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