七都市物語, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=960380 / CC BY SA 3.0
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#日本のSF小説
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#週刊ヤングマガジンの漫画作品
『七都市物語』(ななとしものがたり)は、田中芳樹のSF小説。
破滅的な災害により国家体制が大規模に再編され航空技術が制限された未来世界を舞台に、都市国家間の紛争を描いている。
1994年には田中の小説を原作としたOVAが、2005年には別作者がシェアード・ワールドに基いて執筆した小説がそれぞれ発売された。
西暦2088年、突如地球を襲った未曾有の大惨事“大転倒”(ポールシフト)―地軸が90度転倒し、南北両極が、それまでの赤道地帯に移動する―という事態に、地球上の人類は壊滅的な被害を受けた。
同じ年に月面都市において成立した汎人類世界政府は、西暦2091年に地上に七つの都市を建設し、地上の生存者を住まわせた。
だが、月面都市の住人は新生地球人類への支配権を手にするため、地上500メートル以上を飛ぶ飛行体をすべて撃墜する「オリンポスシステム」を設置し、彼らから航空・航宙技術を取り上げてしまった。
地球人類に対し絶対的な支配権を確立した汎人類世界政府だったが、西暦2136年、月面都市はこのシステムを稼動状態にしたまま、謎の疫病により滅び去ってしまった。
そして、航空技術の制限されたこの世界でも、人類は互いに領土や覇権を争い続けるのであった。
そして時代は西暦2190年。
七つの都市の均衡が大きく崩れようとしていた。
前アクイロニア元首の息子で、私腹を肥やした末にニュー・キャメロットへ亡命したチャールズ・コリン・モーブリッジ・ジュニアの甘言に乗せられたニュー・キャメロット政府はアクイロニアに宣戦を布告。
ケネス・ギルフォード准将の采配で、アクイロニアの主力艦隊は壊滅状態となった。
新たにアクイロニアの防衛司令官となったアルマリック・アスヴァールは、河を遡上してくるニュー・キャメロット艦隊を都市部まで引き込み、橋を落として封じ込め、殲滅した。
オリンポスシステムを回避するよう高度500メートル以下を飛行するヘリコプターによる空中機甲師団を設立したブエノス・ゾンデの執政官エゴン・ラウドルップは七都市制覇の野望のために、国境を接するプリンス・ハラルドへ宣戦を布告した。
プリンス・ハラルドはユーリー・クルガンの戦略を容れたカレル・シュタミッツによって、プリンス・ハラルド戦車部隊6000台、1万5千人の兵を空中機甲師団とブエノス・ゾンデ軍の生贄とし、弾薬、食糧を消耗させる。
ユーリー・クルガンは、ポルタ・ニグレと呼ばれる渓谷にプリンス・ハラルド軍の補給物資集積所があるとの欺瞞情報を流し、ブエノス・ゾンデ軍を渓谷に誘い込んだ。
補給物資と思われたものは粉塵であり、ユーリー・クルガンはこれを爆破し、峡谷を爆炎で覆い尽くすと、渓谷から脱げだすブエノス・ゾンデ軍に背後から一方的な砲撃を加えた。
ブエノス・ゾンデ軍の空中機甲師団も粉塵爆発による爆炎を逃れるために上昇したところ、衛星軌道上からオリンポスシステムに狙撃され壊滅した。
ポルタ・ニグレ掃滅戦から生還したエゴン・ラウドルップは、ブエノス・ゾンデに戻ると恐怖政治を敷き、2年が過ぎた。
「(七都市の共通理念でもある)民主主義を護る」「ブエノス・ゾンデシティの市民を恐怖政治から解放する」というお題目で連合を組んだ他の6都市は軍を派遣する。
しかし、派遣されてきた中でアルマリック・アスヴァール、ケネス・ギルフォード、ユーリー・クルガンはまったくやる気がなく、自軍の損害を出さないことだけに腐心していた。
ブエノス・ゾンデの防衛指揮を採るギュンター・ノルトは、3将にやる気がないこと、連合軍が互いに非協力的なことを看破し、巧みな指揮で防衛を完遂する。
防衛の功績を讃えるために訪れたエゴン・ラウドルップをギュンター・ノルトは妻の仇として射殺した。
ギュンター・ノルトを新たな英雄として祭りあげようとするブエノス・ゾンデ市民に嫌悪と恐怖を感じたギュンター・ノルトはアクイロニアに亡命する。
アクイロニアへと亡命したギュンター・ノルトだったが、アクイロニア政府の厚遇ぶりに嫌気が刺し、アルマリック・アスヴァールの薦めもあって、リュウ・ウェイを頼ってタデメッカに亡命する。
その前後、タデメッカとサンダラー間のレアメタル鉱床を所有していた人物は、タデメッカとサンダラーの二重国籍を持っていて、たくみに税金逃れをしていた。
その人物が死亡し、莫大な財産と鉱床が残ったことで、タデ…
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