『貝獣物語』は、1988年11月18日にナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)から発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲームソフト。開発はバースデイ。英題は『SHELL SAURS STORY』。
以後シリーズ化され、続編は主にハドソンから発売されている。

作品の舞台は人間と「貝獣」という背中に貝を背負った生物が暮らす世界「シェルドラド」。主人公である火の貝の少年・リッキーと、どこかへバラバラに飛ばされた貝獣のクピクピ、ポヨン、バブの合計4人を集結させ、力をあわせて魔王ファットバジャーを倒すために冒険をする。
パッケージにはロムカセットと説明書のほか、主人公ら4人のプレイヤーキャラクターのフィギュア、ゲームの世界地図、「涙の密書」とよばれる封書が同梱された。
2020年8月20日にはNintendo Switch用ソフト『ナムコットコレクション』の追加DLCとしてファミコン版が移植配信されている。

プレイヤーキャラクター
少年 / リッキー
主人公。地球から来た少年で、火の貝を携えている。高いVPを持ち打撃攻撃を得意とする。他のキャラクターとパーティを組んでいるときパーティーメンバーに応じた合体魔法は使用可能であるが、自分自身では魔法は一切覚えない。特技としては、自分のVPを消費して敵に大きなダメージを与える「カンフー」を覚える。マップ南東端部のマイヨー城からスタートする。本シリーズにおいて唯一、貝獣仙人以外の者の力で召喚された火の貝の勇者でもある。

クピクピ
大気の貝を持つ貝獣。マップ南西端部のローラン城からスタートする。力は弱くVPは低いが、回復系魔法を中心に多くの魔法を習得していく。スタート時より特技「セーブ」が使用可能。歩いているときにいつでもセーブができる。状態の記録だけでなく、その場でゲームを終了し、次回プレイ時にその位置から再スタートもできる。

ポヨン
水の貝を持つ貝獣。マップ北西端部のバンデルベルデ城からスタートする。魔法も使えるが、攻撃力やVPが高い(ただし少年よりは低い)。レベルが高くなると、特技「ランダムワープ」を覚える。「ランダムワープ」はVP・MP等を消費することなく城や町にワープすることができるが、行先は決められずランダムである。

バブ
大地の貝を持つ貝獣。マップ北東端部のレハレッタ城からスタートする。魔法中心のキャラクターで、主に攻撃系魔法を習得する。自分のVPを大きく消費してほぼ確実に逃げ出す特技「エスケープ」を持つ。

戦闘
基本的にはランダムエンカウント制であるが、本作では、フィールド上・ダンジョン内では移動中に限らず、十字キーを入れた瞬間、まだキャラクターが移動する前にその場でエンカウントが発生することがある。
戦闘システムは1ターンごとに敵・味方各キャラクターが1回ずつ行動する一般的なシステムである。本作では各ターン毎に敵が先手か味方が先手かがランダムに決定され、敵が先手の場合は敵全員が行動してから味方全員が行動し、味方が先手の場合は味方全員が行動してから敵全員が行動する。
戦闘時はまず「たたかう」か「にげる」かを選択する。「にげる」は成功するとは限らない(成功率は低い)。「たたかう」を選択した場合は続けて各メンバーの行動と攻撃相手を選択する。戦闘コマンドは「こうげき」「まほう」「どうぐ」「まもり」「とくぎ」の5種類。「こうげき」は打撃攻撃コマンド、「まほう」は覚えている魔法を使用するコマンド、「どうぐ」はアイテムを使用するコマンド、「まもり」は防御コマンドで、「とくぎ」は各キャラクターが習得している特技を使用するコマンドである。
敵キャラクターは外見がコミカルなものが多く、戦闘シーンでは、敵キャラクターのVP(バイタリティポイント。HPと同義)が減るとその敵の表情やポーズが変化し、瀕死状態であることがわかるようになっている。なお、瀕死状態では敵の攻撃力が低下する。

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