松山を拠点に活動する映像・美術作家の山内知江子と、振付家・ダンサーの得居幸によるパフォーマンスユニット『Hanbun.co(ハンブンコ)』による処女作。
Hanbun.co最初の作品は童謡「やぎさんゆうびん」を元に作られています。
いつまでも続く白ヤギさんと黒ヤギさんのやりとりは、もどかしくもユーモア溢れる歌で、誰でも幼少時代に一度は口ずさんだ歌だと思います。
Hanbun.coは、この答えの無い歌の中でひっそりと潜む「孤独」に注目しました。白と黒の間で揺れ動く答えのでない出来事は、誰しもが生きて行く中で何度となく経験する事です。その中でも「繋がる」ことへの執着と「孤独」の関係がこの作品のテーマです。
私達は”繋がる相手”として無差別に選ばれながら生きている状況にある…とも言える程の情報社会にいます。携帯やパソコンにツールを変えて、メール(手紙)のやり取りは加速しています。その中で、すぐに繋がる安心のようなものを手に入れましたが、同時にどこか手応えの無い感覚に、寂しく思う事が増えてきたのも事実です。どこにいても「繋がる」ことは、より一層「孤独」を感じる状況を作っているとも言えるのではないでしょうか。それでも「繋がる」ことは、私達にとってどういうことなのでしょうか。
今も昔も変わらない普遍的な繋がる事へのやり取りを、Hanbun.co独自の鋭い切り口とユーモア溢れる世界観で表現した新たな「やぎさんゆうびん」です。
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