タイトル:ロウきゅーぶ!
刊行:電撃文庫
著者:蒼山サグ
イラスト:てぃんくる

 ライトノベルのタブーに挑戦する。言葉では格好良くも、実際にそれを描くのは至難の業だ。スポーツ特有の多くのキャラクターが同時に動き、まためまぐるしく攻防が入れ替わる。速度が重要なジャンルなだけに文章をいちいち読み込んで、シーンを想像しながら楽しむラノベというコンテンツにおいて、これほどまでにミスマッチなものはないだろう。
 しかし蒼山サグという作家は成し遂げた。それも二回にわたってアニメ化をし、実質完結までを映像化させてしまった。自作の【天使の3P】もそうだが、とんでもない才能の持ち主だと、改めて読み返し戦慄する。バスケットが好きとか嫌いとか、メインキャラがロリ過ぎるとか、そんな些細なことに気を取られ嫌煙しているラノベ好きは本当に損をしている。そう思える程の名作だ。
 騙されたと思って一度読んで見て欲しい。きっと熱くなれるシーンに出会うことができるはずだ。それだけの価値がある。

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