刊行:富士見ファンタジア文庫
著者:榊一郎
イラスト:なまにくATK

【棄てプリ】の設定をあちらこちらに感じる榊さんの名作。ボンズによるアニメ化もされている。そして作中に出てくる主人公の1人であるトールが、様々な戦闘技術を駆使する為、非常に立体的かつ細かい動きが多く戦闘シーンは必見だ。
 そしてこの作品のテーマである『生きる目的を失った人がどう言った答えに行き着くか』というのも、このご時世読んでいて心に響くものがある。
 物語としてはかなり暗く重たい方で、2010年刊行スタートでありながら、00年代のラノベの雰囲気を色濃く残している。昨今世に出ているラノベに物足りなさを感じている人にとってはかなりオススメだ。
 また、作中の敵味方のパワーバランスも割と絶妙で、かつ伏線描写及びその回収は秀逸の一言に尽きる。そんなどう転ぶかわからないところもこの時代には珍しく、最終巻を読むまでは先が全く読めない作品とも言える。

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