毎年五月は、親鸞聖人のお誕生をお祝いする「降誕会」の法要が、浄土真宗のお寺さんであり
そのあと
コンサートや落語会などの催し物をされるお寺さんが、多くありました。

年中忙しい松喬さんでしたが、とりわけ五月は、「降誕会落語会」の為 大変忙しく 東奔西走 彼方此方行かせていただいていました。

亡くなる2ヶ月前の五月も振り返れば、まるで
お別れのご挨拶をするかの様に降誕会落語会に行きました。

そして今年の五月
コロナの影響もあり
まだまだ全てのお寺さんの降誕会落語会が戻ってきたわけではありませんが

有難いことにご連絡いただき、この五月は、お弟子さんと一緒に数ヶ寺に行って参りました。

そこには、優しく迎えて下さる皆様がいらして
懐かしい松喬さんの思い出話を 沢山してきました。

亡くなって9年
やっと泣く事なく皆さまと一緒に話が出来る様になりました。

足袋を忘れたり
帯を入れ忘れたこともあったなぁ〜話をしていて思い出しましたが、いやはや
ドジな嫁です。

2セットの衣装の入った重いスーツケースを持って
一人で 岡山 広島 福岡 五島列島などのお寺さんに行き
落語会で大いに笑っていただいた後は
楽しい宴会も大いに盛り上がり幸せな夜が更けていったんでしょうね。

病気が分かってからの1年7ヶ月は私が同行しました。
それは、まるで お引き合わせ
私とお寺さんとのご縁を
松喬さんに繋いで貰ったような気がします。

映画「フーテンの寅さん」が、大好きだった松喬さんは
毎年 新緑の五月
寅さんのように旅をし
皆さんに囲まれてニコニコ笑っていたんだろうな〜
目に浮かびます。

さてYouTubeチャンネル
今回の演目は、
東京のお客様を前に演じた落語「帯久」
出囃子もなんとなく違います。

人柄の素晴らしい「泉屋さん」に対して
一癖も二癖もある「帯久さん」
大晦日の出来事を境に 大きく物語が展開し
最後は、見事なお裁き。
どなた作かは分かりませんが 見事な落語を
まだまだ若い47歳の松喬さんが、見事に演じています。

六代目笑福亭 松喬
落語公式チャンネル
今回の演目は
「帯久」2

1998年5月19日
東京国立演芸場
第7回 東西三人会より
ごゆっくりお楽しみください。

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